めんどくささを愛でる
ただいま、ピラミッドガーデンのキャンプサイト。
苗場から新宿へ向かうツアーバスの集合時刻10:40をただただ待っているところ。
ヘリノックスのイスに座りながら。
4回目のフジロックが終わりました。
4〜5日間の日常からの不在も、
4年目ともなると、
1年のサイクルに当たり前のように
組み込まれたシステムのよう。
お盆や、年末年始みたいな。
フェスはめんどくささを愛でる場所。
遠い。
金かかる。
めっちゃ歩く。
めっちゃ待つ。
生活環境としては不便の極み。
効率化が進む社会の真逆をいく。
日常生活なら間違いなく腹が立つだろう。
でも隔離されたこの特別な期間なら
まあいっか、となる。
めんどくさいが許される。
めんどくさいだらけなのに、
翌年も何ヶ月も前から仕事の調整をして
戻ってくる。
昨年からYouTubeでライブ配信が始まっただけに、よりめんどくささが際立つけど、やっぱり現地が良い。
めんどくささも含めて。
ここ3回ほど、2日目が超荒天になるのはさすがに勘弁してほしいけど。
2日目のヘッドライナーのSIAを待っているときが一番辛かった。
レインウェアは無駄で
下着までビショビショ。
体温もってかれる。
長靴じゃないのに
足首まで水溜りに浸かってて、
足湯ならぬ足泥水。
絶対風邪引くと思った。
(引かなかった)
でも心折れそうななか
待った甲斐がありました。
没入感ハンパないステージング。
マディ・ジーグラーのコンテンポラリーダンス。
可愛い。可愛い。尊い。尊い。
フジロック2019はSIAとマディを観るためにありました。
ありがとうございます。
もちろん他のアクトも。
フェス含めると30回くらい観てるであろうスガシカオは、今回がフジロック初出演。
やっぱりこの人雨似合うな。
強い雨足のなかの「黄金の月」は素晴らしかった。
「コノユビトマレ」では久しぶりに涙が出た。
ライブで泣くときは、疲れているサインである。
出演が発表されたとき、マジで?となった大好きな長澤知之。
定刻になって、登場したと思ったら
踵を返してすぐ消える。
一緒に出てきたのに、取り残されたキーボーディストのなんとも言えない表情。
譜面を忘れて取りに戻っていたようでした。
何度か観た光景。
僕にとって特別な場所でも、いつものひょうひょうとした長澤知之で訳もなくグッときた。
「左巻きのゼンマイ」に救われた。
初めてのフジロック参加だった2016年に観て、好きになって単独公演にも行ったJAMES BLAKE。
人力で創り出すあのリズムがたまんない「Voyeur」。
好きになったキッカケの「Retrograde」。鼻歌のリフレイン。
日焼け止めを塗ったにもかかわらず日焼けした左腕。履き潰したトレッキングシューズで歩き倒したために、皮がめくれたくるぶしと足の甲。
地味に痛え。地味に。
帰ったら一眠りして仕事だ。あああ。