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特撮に興味がない話

ガシャポンともいうよね


職場のガチャガチャにウルトラマンの怪獣フィギュアが入荷した。ガチャガチャは私が司る場所なのだが、ラインナップは納品業者のオッサンに一任している。 オッサンは関西一円のガチャガチャに深くかんでおり、有限会社でありながらそれなりに儲かっているらしい。しかし、社員は自分と息子の二人のみなので、休みは元旦ぐらいと言っていた。ゆくゆくは息子が事業を継ぐとのことだ。 他人のことだから関係ないが、ガチャガチャを詰めてまわる人生というものにいくばくかの無常を感じる。

世代的に放送してなかったし


バルタン星人ぐらいは知っているぞ


さて、私は特撮にあまり興味はない。幼少のころは『バトルファーバーJ』『デンジマン』『サンバルカン』にあたる世代だが、そんなに楽しみに視聴していたわけではない。「よいこのみんな!いつも応援してくれてありがとう!」という決まり文句に対して「いや、応援したこと無いし」と思っていた程度だ。そういうわけで、ウルトラマンにも仮面ライダーにも執着は無かった。 しかし、毎日ガチャガチャを見ていると、だんだん怪獣の一個ぐらい暮らしにあってもいいかな…と思い始めた。サブリミナルの一環であろうか。気がつくと、私はなけなしの300円を放り込みハンドルを回していた。


おれが欲しかったものは


バラバラになった人のようなもの


パカッと箱を開けてみると、そこには全身赤タイツのバラバラ死体が入っていた。つまりそれは、シークレットというやつだった。 ガチャガチャ本体には、バルタン星人のシークレットはにおわせているが、ウルトラマンについては全く触れていない。私はひどく失望し、うちひしがれた。 なぜ、この企画者は怪獣ガチャガチャにウルトラマンを入れたのだろうか?もし、私がウルトラマンを欲していたならば、私はウルトラマンのガチャガチャに挑戦すれば良いのである。怪獣が欲しくてお金を入れたにも関わらず、この仕打ちである。



このポーズはなんなのか



この人はトサカを投げるんじゃなかったっけ

仕方がないので組み立ててみたものの、なんだかへっぴり腰の姿勢である。その姿勢は「いや、マジで自分いまムリっす!」と言う新人と被り、無用に腹が立った。

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