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東洋民俗博物館の話
エム渕氏告げたまわく
先日、友人のエム渕氏が厳かに言った。「東洋民俗博物館にいこうぜ」と。実際にはLINEでのやりとりだったので、べつに厳かでもなんでもない俗に満ちた意見交換であった。
恥ずかしながら、そこについてなんの予備知識もなかった。しかし、どうやらそれは素敵な珍スポットのようだった。しかも、もうじき閉館するという。これはあらゆる予定を後に回してでも訪ねなければならない。
多忙なエム渕氏と予定を合わせ、いざ奈良県のそこへ向かった。
知らない土地の電車は難しい
語るべきところは多いのだが、あまりに長くなるので割愛する。ただ、博物館の概要を述べておくと「昭和初期に行動力のあった若者が、約100年の生涯をかけて蒐集したアレコレ」を展示してある場所ということだ。そして、今はその息子が博物館の維持管理をしている。この息子氏も仕事を定年退職し、体力的にもキツイのでこのたび閉館するということになったそうだ。
確かに、息子氏は我々のような来訪者になんだかんだで1時間ほどいろいろな解説をしてくれた。これ、来館者に毎回やってたのか…?と思うと、氏が途中で言った「面白い人でしたけれども、まぁ、家族は困りますよね…」が必要以上に沁みる。
エム渕氏は旧独軍看護師の服を着ていた
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さて、この東洋民俗博物館であるが、どうやら「5000年前のミイラのチンコ」が有名のようだ。私はそれを知らなかったけれども、エム氏はバッチリと写真におさめていた。わざわざ5000年前のを見なくても、いまここにそれなりのそれがありますけど…?と思ったが、それは言わないでおいた。
展示は佳境に入り、最後に初代館長の私室へ案内された。どうやら、ここがツアーの最後のようだ。今はなきあやめ池遊園地の絵はがきなどを見せられ、栄枯盛衰を感じる話などを聞いた。そして、次から次へと性的な道具や雑誌を見せてもらった。『チャタレイ夫人の恋人』やら「阿部定事件」の調書など、なかなかに貴重な文献もあった。
要するに、民俗は性的な風習と不可分であり、なにかとそれにまつわる話や道具がやたらと多い。館長は性的な事柄に興味があり、そのついでに様々な民俗的なモノを蒐集したのではなかろうか?と思えた。
とりあえず、息子氏が友人エム渕氏にチンコのカタチをしたおもちゃをさわらせたくだりが今回のMVPだった。