見出し画像

どうでもいい話(2023年 5月分)


しししし
しししし♪
しししし!!
しししし✨✨✨

『4』は『しあわせ』の『し』~✨♪!

Twitter初めて まるっと一年、記念すべき『4444』達成!!!!

頑張った!よく続いた!自分で自分を褒めてやんよ♪

…前回同様、微調整に次ぐ微調整を重ねたのは、内緒の方向で。
https://x.com/yukipochi_2022/status/1652936013709471746?s=20

積年の親不知⑥

両側下埋没親不知の抜歯手術で お約束していた当日、まさかの ぎっくり腰により他の病院へ緊急入院、キャンセルせざるを余儀なくされた。

ちょっと早めに退院した私は翌日、口腔外科に電話を入れ、担当医に繋いでもらった。

「申し訳ありません!身動き取れなくなっちゃって…(泣)」
担当医は ほんわか した感じで対応して下さり、手術日の空きが分かったら、再度 連絡をくれると言う。

よ、良かった~✨

『タバコ止められた?』

──うぐッ!!!

「いえ、まだなんです…」

『今のうちから止めといてね』

「………あ゙い゙(声小)」

絞り出すかのように返事をして、通話を終えた。
結局な、禁煙も振り出しに戻ってしまってな、パカパカ吸っちゃっててな。

来月か再来月には手術だから、それまでに止めないと…
何度 挫折したか分からん。

腰がアレだから、わざわざベランダに出るのも大変だというに「この一本で止める」「この一本で止める」念じながら、吸いに行っちゃうんだな。
世の中では まことしやかに「不要不急の手術は控えるように」なんて、テレビニュースで報道されていた。

親不知の抜歯も、不要不急になるよなぁ…?

ぶっちゃけ、炎症は治まっていたから今日にも抜いてもらいたい、て程でも無くって。

翌週。

非通知の着信が入っていた。
伝言を聞けば担当医から。
そっか、お医者さんが携帯してる電話だから、非通知設定なのか。

折り返し総合病院の口腔外科に掛けた。

『来月の この日、手術日が空いてるんだけど、ご予定いかがかしら』

「あ、すんません。猫の世話を母親に依頼するので、母親の都合を聞いてから折り返します」

そう伝え、母親に電話をした。

正直 私本体は、いつまた あの猛烈な痛みに襲われるかも分からん爆弾を、両顎に残したままでいるのも不安過ぎる。

だって、マジで痛いんだもん、親不知。

持病の痛みのトリガーにも成りうるし、世間様には申し訳無いが予定通り手術日を待った。

──そして、数週間後。

手術まで後数日だったかな。
非通知から着信があったので、担当医からと思い電話に出た。

『ごめんなさい!病院側が一般の入院、受け入れなくなっちゃって(汗)』

oh…

病院がパンクしてしまったんだ。

こればっかりは致し方無い、困った時は お互い様だ。

「大丈夫ですよ~、今 親不知 痛く無いですし」

こうして、入院の目処が立ち次第、再度 連絡をくれるとの事で、通話を終えた。
母親にもキャンセルになった旨を伝え、休暇予定は解消してもらった。

まあ、今 病院に入院するってのも怖いし、三ヶ月もすれば世の中落ち着くだろ。

なんて超超・楽観視していた、翌月──

緊急事態宣言が発令された。

⑦に続く──

積年の親不知⑦

2020年、秋。
病院側から入院受け入れ不可の連絡を受け、早数ヶ月。

まだかな~、まだかな~。

なんて待っていたんだが、世の中どんどん大変な事になり、病院からの音信もプツッと途絶えた。

ニュースでは時折あの総合病院が取り上げられ、医療従事者総出で対応に当たられている。

──なんか、親不知ごとき で連絡しにくい空気…

電話応対に割く人員すら不足しおり「病院に不要不急の電話連絡をしないように」呼び掛ける動きもあったり。

大変な実情をテレビで観ちゃったのもあり、病院からの連絡をひたすら待った。

口腔外科 自体、外来診察してるのかすら不明だし、様子見せに
通院する事も無いまま、時だけが過ぎていく。

その間 親不知は時折 疼いたが すっかり鳴りを収め、私自体 妙な体調不良を起こしちゃってたりして、放置。

そして、一年が経過──

なんかもう、抜歯しなくても良いんじゃないかな…なんて思い始めていた折。

…あれ?

麺が、噛み切れなくなった。
前歯を かち合わせ、手鏡を覗くと、僅かに上下の前歯に隙間が出来ている。

カチカチ。

噛んでみると、どうも奥歯が高くなっていて、前歯が合わないんだ。

うえぇッ(汗)!?

元々の歯並びも大して良くないんだが、奥歯が邪魔して二進も三進も前歯が噛まない。

こ、これ…まさか…親不知の所為か!!?

自分のレントゲン写真を思い出してみれば、奥歯に斜めに向かった海老芋みたいな親不知。

多分だけど放置し過ぎて、ゆうっくり伸びる親不知が奥歯を押し出しているんだと思う。

えぇー…流石に、これはマズイやろ(焦)

思いはせど、コ○ナが収まる気配は無く、歯医者にも口腔外科にも行かず仕舞い。
いや~、食べにくいわ食べにくいわ。

困るのが、ほぼほぼインスタント麺で過ごしていたのに、麺ものは止めざるを得なかった事。

たまに肉の日なんかは、切らずに いつも通り かぶりついちゃって、噛み切れないから結局、キッチンバサミで細かく切り刻まねば いかんくて。

困った、マジで困った。

せっかく親不知痛くなくなって食べたい物が食べられるようになったというに。

骨付き肉が、綺麗に食べられない…orz

これ、物凄い凹んだ。

だって、骨付き肉は標本のように綺麗に食べられるのが地味に自慢だったのに、骨に残った肉が こそげ落とせないんだよ。

私にとっては由々しき事態なのだよ。
ある時、母親に言われた。

「アンタ、凄い歯ぎしり してるよ」

oh。

私が眠っている間、うっさいくらい歯ぎしり しちゃってるらしく。

それってやっぱり、歯並びが変わってしまった所為なのでは…

日々コ○ナ感染数は更新し行く。

終息したら真っ先に口腔外科に行こう。

割と呑気に構えていた。
2021年末には、十円ハゲが瓶底程に広がり、皮膚科に通ってみたり。

2022年、年始。
祖父母が立て続けに亡くなり、母親の実家に帰省したり。

私にしては色々と忙しい日々を過ごした。

2022年、春。

ズキン、ズキン、ズキン…

うわ、何か嫌な痛み方してる…

親不知が、暴れだした。

⑧に続く──

線維筋痛症と私⑪

線維筋痛症の随伴症状とするには、親不知・急性腰椎症(ぎっくり腰)なんかも有ったので いささか早計ではあるが、関連性も拭い去れない為、この項目に追記する。

“耳鳴り” である。

最初に気付いたのは 家電無しの5上半暮し終盤の、寝ずっぱり時代。

ピィー⤴ポゥー⤵

あ、あれ??

高い音から低い音へ転調する、まるで駅構内の「♫ピーン…ポーン…」に似た音階の耳鳴りがしていた。

交互に鳴る音は 寝ても醒めても鳴り止まず、転調するから気になるし、地味に うっさい。

耳が詰まる「キーン」という耳鳴りとは、微妙に違う。

当時の家にはテレビも無く、屋内は静まり返っている事も多く、それが原因なんじゃないか。と 知人に言われた。

そうかもしんないなぁ。

耳鳴りは気にしない事が一番だと聞き、気にしないようにする事にした。

んだが。

気にしなくても聞こえてきちゃうから、うっさくて堪らん。

テレビは無いものの、映画やゲームの音が有る状態でも聞こえ続ける。
耳鳴り音が聞こえるのは、左耳のみ。
右耳からは一切、耳鳴り音はしない。

別件だが、左目の視野が一部欠損している事も有り、脳かなぁ?

とも思ったんだが、これまで幾度となく脳のCTやらMRIやら撮ってきて、何にも見つかっていないしなぁ。

とりあえず、耳鼻科に行ってみる事にした。

なんだが。

当時、鼻炎が酷くてな。
そっちの相談がメインになってしまって、耳の診察は受けずに終わってしまったのだよ(遠い目)

それで猫アレルギーやらイネ科の雑草花粉症が判明したんだけど。

いやね、問診票には「耳鳴り」と書いたんだがね、ちょっぴりクセ強の お医者様だったから、面倒になっちゃってね。

まあ、そのうち聞こえなくなるかな。

なんて毎度の如く放置して、一年。

鳴り止むどころか、音が大きく、転調するテンポも速くなってしまった。

ピポピポピポピポピーンポーン

だあぁ!うっせえぇッ!!!

例えるなら超連打のピンポンダッシュ。

それがね、聞こえ続けるんだよ。うっさいでしょ。

やはり ずるずると行かぬまま数年経過した、2020年 秋。

恐ろしい目眩に襲われた。

う、うわッ…ヤッバッ…

寝転がっても、天井が時計回りに回るんだ。

回転性の目眩は酷く、立ち上がれば左側に巻き込まれる様に体ごと持っていかれるし、目を瞑っていても回転は治まらない。

あんまり回るから、酔ってしまって嘔吐した。

そんな日が数日続き、便器に もたれたまま、思う。

あー…コレ、ヤバくね…??

ここで ようやく、耳鼻科に行く決心が固まったんだな。

しかし世の中アレだし、動けないことも無く救急を呼ぶまでも無い。
若干 症状が軽い日に、てくてくシルバーカー押し、耳鼻科に行った。
総合病院無いの耳鼻科は時期的に閑散としていて、待たずに診察室に招かれた。

回転性の目眩と、数年前から続く耳鳴りを訴え、いくつか検査を受ける事になった。

聴力検査 は、メジャーかな。

電話ボックス程度の暗い箱に入ってヘッドホンを耳に掛け、音が聞こえている間 ボタンを押す、というもの。
聞こえている耳鳴りと同じ様な音がヘッドホンから聞こえるんだけど、明らか耳鳴りと同時に二音聞こえるから、ボタンを押下。

低音高音、音量の大小、耳の左右検査した。

「耳は正常に聞こえていますね」

ですよね。

「若干、高音が聞き取れてないんですが、これは加齢」

oh…

なかなかに衝撃だ。

誤記
時計回り ✕ → 反時計回り ○

目眩が酷くなると水に潜っているかのように耳が埋まるんだが、聴力自体は平均より聞こえている、との事。

続いて眼振検査を受けた。

目眩が どんな状態で起こっているのかを診る検査だ。

歯医者のような電動リクライニングの診察椅子に座り、姿勢を正して、VRゴーグルのような暗い箱を目に掛ける。
そのまま椅子が背後に倒れていくんだけど、真っ暗 過ぎて自分が どんな体制なのかも分からん。

「ちょっと頭を動かすので、目は開けてて下さい」

多分 ゆうっくうりと、頭を上に向けたり傾けてみたり、正面を向いたり真横を向いたり。

うえ、気持ち悪い…

何かのアトラクションにでも乗ってる感。

頭を左へ傾けた瞬間だった。

「チッ、メニエールかよ」

先生が小声で呟いた。

え、何…何か、聞いた時の有る病名だな…?

一通り終え、モニターで撮影した目の揺れを先生と一緒にチェック。

「これね、上と右は何にも起きないんだけど…」

映し出た自分の両目は、正面向いてる様にしか見えない。

「ここね、顔を左に向けた時。分かるかな?」

おおおッ!? 凄ぇ!!

両目が左右にブルブルっと振動した。

目眩が起きてる時って、文字通り目が回ってるんだよ。凄くね?

巻き戻したり、スロー再生したり、何度か確認。

車窓から電信柱を追ってるみたいに、頭が左を向くに従い、瞳が行ったり来たり。

「左を向く時だけ、目眩を起こしてる。いつも片側だけ下向いて寝てたりする?」

「あ、確かに」

右下の虫歯から親不知が痛くなってからは ほぼ毎日、左を下にしていた。

しかも私、寝ている間に一切寝返りを打たんから、一晩ずっと同じ姿勢。

「試しに反対側を下に寝てみて」

なるほどなぁ~。

目眩が続くようだったら再来するように、との事で、その日は特にメニエール病の説明も無いまま、帰宅。

親不知も静まっていたので、右を下にして寝るようにしてみた。

目眩も耳の埋まりも一週間は続いたけど、嘔吐したり立っていられない程ではなくなって行った。

耳石とやらでも在ったのかしらん?
結局ね、その後 耳鼻科には行っておらず、メニエール病かどうかは分からんのだが。

母親の話だと 祖父がメニエールだったらしいから、関係無いかもだけど無関係でも無い気もする。
語り出しといて あやふやな まんまでスマン。

時折、目眩を起こしたけど、去年の三月のが今とこ酷いやつの最後かな。
耳鳴り自体は、まだ聞こえてる。
ただ、数年前に比べると随分と音は小さく、鳴っていない時も有る。

しかも、便利なんだ。

転調が大きくなると耳が埋まり、無理すると、目眩が起きて寝込む。
だから、耳が埋まった時をHP黄色としてる。

体力バロメーターなんだが…間違ってるかな?

⑫に続く──

母親は、アレ⑲

先日母親と展開したアホな話、備忘用。

偏食続きの食生活で「栄養偏りまくってるなぁ」と思い、昨年より、野菜・タンパク質・炭水化物 を意識して摂っている、私。

つっても まぁ基本、コンビニのカット野菜と味付けゆで玉子2個とパン、なんやが。

味付けゆで玉子、地味に美味い。

しかしながら、昨今の物価高騰に加え玉子不足から、150円台くらいだった味付けゆで玉子2個が、近所のコンビニに並ばなくなってしまった。

バラ1個パックのは売ってるんだが…

玉子が1個、90円超、だと!!?

90円も出したら、一昔前は生卵10個入、買えたじゃん。
バラ2個買ったら200円だよ、高いよ。
200円ちょっと出したら、フ○ミチキ買えちゃうじゃん。

昨今の玉子価格でも、味付けゆで玉子2個=10個入の生卵。

…………味付けゆで玉子に こだわらなくても、良くね?

私の貧乏性が警鐘を鳴らしたんだな。
勿体無ぇ、って。

しかし、玉子の代わりになるタンパク質を、何 にするか迷いに迷う。
コンビニ食以外の日は、ヨーグルト400gがタンパク源。

ううん、毎日ヨーグルト???

それはそれで、すぐ飽きそう。

てな「タンパク質、何で摂るか問題」な話を、母親にしたんだな。

「自分で ゆで玉子 うでれば良いじゃない」

──それだ!!!

自分で調理する、て事をね、忘れてしまっていたよね。
だって ほら、自分の為だけに飯作る、て、やらなくない?
飯は誰かの為に作るもんじゃない?
え?私だけ?コレ。

「ゆで玉子くらい簡単なんだから、うでなさいよ。目玉焼きにも出来るじゃない」

「目玉焼きは洗い物面倒だから、嫌だ」

ほら、目玉焼きだと油使ったり後のフライパン洗わねばじゃん。
ほら、我が家ニャンコらがイタズラするから洗い物 放ったらかしに出来んし、毎食 目玉焼き焼いただけのフライパン洗うのって、手間じゃない。

「フライパンくらい、洗いなさい!」

「面倒だから、嫌だ!」

てな会話を、十数回繰り返した訳だ。

いや、一般論で言えば この場合、母親に軍配が上がる。

時は進み、翌月──

母「アンタ、あの生卵10個、どうしたの?」

私「生で食っちゃった」

…………ハッ!!!

脳裏に古い映画のワンシーンが過ぎった。

私「そんな『○ッキー』みたいな事、してないからね!冷凍うどん に掛けて食ったんだよ!」

母「あ~、びっくりした~!生卵ジョッキで呑んだのかと思っちゃった(汗)」

母親と全く同じシーンを、思い浮かべてたんだな。
こういうところは、以心伝心なんやけど(笑)

─おまけ─「やる」て 言うか言わないか

どうにも「やるか、やらないか」で母親と対立してしまう。
他の人はどう対処してるんだろう?と思い、母親と姉の会話を観察してみた。

母親は「ああしなさい」「こうしなさい」「とりあえず やりなさい」と、面倒なアドバイスを姉に対してもグチグチ言っている。

それに対し姉は逐一「そだね~」「そだね~」「やらなきゃね~」と、相槌を打ってる風に聞き流す。
私は感心し、思った事が口から出た。

私「は~…姉ちゃん、エラいね~」

姉「何が?」

姉にとっては常のこと。当然きょとん と聞き返された。

私「いやだってさ、母ちゃんが言った事、全部やんの?凄くね」

姉「やらないけど?」

oh。

姉「こんなの全部やってらんないよ。『うん、うん』て聞いて、それで終わり。
中には『ああ、そうだな』て言うのも有るから、聴くけど」

あ~…聴く姿勢的には、姉ちゃんも私と同じなんだな。

母「アンタ、聴いた!? アンタも姉ちゃんみたいに、とりあえず『うん、うん』て聴けば良いのよ!!」

おっと、矛先が私に向いてしまったぞ。

私「嫌だよ、だって全部やりきらんもん。無理」

母「別にやらなくても良いのよ!」

…え?良いの?

母「とりあえず『やる』って返事だけしなさい!これが出来なきゃ社会で やって行けないよ!」

ここで言い分を整理しよう。

母親は、会社の上司からの指示には何でも「やります!」と答えて置けば良い、と言う。

私は、「やります!」と調子良く返事だけした部下が、何の理由も無く「やってません」て、なった時の憤りったら無いと思うんだ。

出来ないなら最初から「出来ない」て、言えよ。
と、思うじゃない。

勿論、正当な理由があって「やれなかった」状態ならば、「手伝うから、一緒にやろうか」とか「やっとく、やっとく」とは、なるけどさ。

母「あ~も~、東はコレじゃ社会に通用しない」

私「……」

この場合、どっちが正解なのかは判断出来んけど。言いたい事は、わんさか出て来ちゃって言葉に纏められん。

姉「母ちゃん。東はね、『出来ない』事は最初から『出来ない』って、言う子なんだよ」

それだ!

私「母ちゃん、聴いた!? 姉ちゃんの方が、私の事 理解ってるよ!!」

母「……」

姉「東は『やる』って言っといて、やれてなかったら、嫌なんだよね」

私「そうそう、それそれ(感涙)!」

母「でもさ、とりあえず『やる』とは言いなさいよ。それで やれてなくても何も言わないから」

嘘だね。
貴女、絶対 私が やってなかったら、ブチブチ言うもんね。

姉「まあ、東はB型だから。AB型とは、考え方が違うんだよ」

…え?何で突然、血液型の話に。

ここで、いつか話した父ちゃんの格言「AB型は思い付きで ものを言う」に繋がるんだな。

話はすり変わるし、母親が理解したかは不明だけれど、とりあえず「一服」を言い訳に離席。

戻ったら、全然 違う話になってた。

⑳に続く──

積年の親不知⑧

2022年、春。
再び痛み出した右下親不知は、猛威を振るい大暴れ。

もう痛むことなんて無いと思ってたのに(号泣)!

顎を下からガッツンガッツン、五寸釘を打ち抜かれ続ける痛さ。

もうね、痛すぎで、親不知が痛いのか、手前奥歯の深い治療痕が痛いのか、全くどっちか分からない。
しかも私だけかもしれんが、ロキソニンが効かないんだよ、生えてくる親不知の激痛には。

ぐああ~!ダメだ~!

右のほっぺも ぽっくぽくに腫れちゃって、熱を持つわ、耳まで痛いわ。

耳はね、中耳炎かっ!? ていう痛さ。中が痛いんだよ。中が。

流石に耐えられる状態を超えていて、スマホを開いた。
ここは、とりあえず歯医者か!?
それとも口腔外科か!?

一瞬 悩んだが、結局 口腔外科に行かねば 歯茎に埋もれた親不知は抜けない。

口腔外科だ!

…どっちの?

時節柄 忙しそうな遠い総合病院か、はたまた転院前の地元の歯科○か。

…通院となると、歯科○が良い。

私のカルテは、残っている筈。

♫プルルルルルッ

「ひゅみまひぇん…」

私は歯科○に電話を掛けた。

ぽくっと腫れた ほっぺたに、口も痛くて僅かにしか開けず、もんの凄く喋りにくい。

以下、読みづらいので喋り言葉に直す。

『どういった ご要件しょう?』

「え…ええとぉ…」

頭が回らずノープラン過ぎて、説明に困った。

「手術予定日に身動き取れなくなってしまって、手術をキャンセルしたんです。
その時の親不知が痛み出しまして、一度転院したんですが、そちらで診て頂きたく…」

『それは、いつの話ですか?』

「2年位前、だったかな?コ○ナの直前」

『2年前だと、再度“紹介状”が必要になります』

──何だと!!?

「いや、以前 紹介状は提出してまして、同じ右下の親不知なんですが。それでも必要ですか?」

『紹介状が無ければ、予約は取れません』

ぬぐぐッ…!!!

「一度、確認してから折り返します…」

私は通話を切ったスマホを握り、思案する。

…えー…面倒臭ぇ…

この場合、恐らく最初に紹介状を出してもらった歯医者に連絡すべきなんだろうが…

左上の親不知を抜いた直後の様子見の為の予約日、腰が痛くて歩きたくなく 連絡もせずに行かなくて、その後 ぎっくり腰 やら コ○ナの自粛に入っちゃって、放置しっぱなしなんだよな。

…あっこの歯医者さんも ちと強め、この口で説明するのは至難の業だ。
ううん、ここは最後に通院していた、総合病院の先生に掛けてみるか。

私は、抜歯手術日 連絡待ちの総合病院に電話した。

電話口で軽く理由を説明し、担当医が勤務されているか確認、電話を代わってくれた。

『あのね、入院は全部受け入れてないの。一般も緊急も』

緊急も!? 急病の方、どうすんの!?

違くて。

別の心配をしてしまったんだが、それどころじゃない。

『このことは、お母様にも ちゃんと説明してるけど』

──母ちゃん!?

何その話、私 聞いてない。
あの人 いつの間に先生に連絡取ったの??

もー…ほうれんそう!

事後報告でも構わんから 当事者には、報・連・相!!!

違くて。

私の知らぬところで色んな事が度重なり過ぎており、心なしか先生の語調にイラつきが聴き取れる。
あの人の事だから 忙しい 最中、しつこく粘ったんだろうな(遠い目)

だけど今、それどころじゃない。

「そちらの病院が大変な事になっていて、お忙しいのは重々 承知しております(汗)」

『それで?』

「こちらの勝手では有りますが、右下の親不知が猛烈に痛いんです。
両側抜歯でなくて構わないので、片側ずつ、抜いて頂けないでしょうか」

物凄く呂律が回らない中、へりくだって懇願した。

『日帰りでなら、出来ますよ』

よ、良かったー✨✨✨

ここで、私は本題を切り出した。

「それでですね、そちらの病院へ通院するには、自分の体調もあって厳しいんです。
通院し易い転院前の 歯科○で、抜歯して頂けたらな、と思うんですが…ご無理ですかね」

先生は今も総合病院と歯科○と行き来されていて、可能だ、と おっしゃって下さった。

私は「要・紹介状」の件で、予約 出来なかった旨を伝えた。

「この お電話で お約束、てのは、流石に無理ですよね」

『こっちじゃ向こうの予約は取りようが無いから。もう一度 歯科○に電話してもらって、よろしいかしら。
私の名前、出しても良いから』

「かしこまりました」

喋らなくて済む最短ルートを選んだつもりが、めっちゃ喋ってる気がする…(遠い目)

不用意に口を動かし過ぎて、右のほっぺたが上顎まで激痛。

くぅぅ…ここまで来たんだ、せめて歯科○には連絡しなきゃ…

とりあえず痛み止めを飲もうと思ったが、ロキソニンは効かない。

何か、何か無いかな…

私は常備薬入れを漁ってみた。
2打目の ぎっくり腰の時に頓服でもらった薬が残ってた。

──これ、何年前のだろう。

消費期限はとうに過ぎている気もするが、調剤薬局で出してもらったやつなので、期限が書いてない。
薬の名前は ど忘れしてしまったんだが、薬名でネット検索したら 一応“痛み止め”と出た。

仕方ない。コレ、飲んでみるか。

昼の分のプレガバリンと共に流し込み、一服。
右の ほっぺた に湿布をベタッと貼り直し、私は歯科○に電話を掛けた。

「先程お電話した者なんですが…」

『紹介状は お手元に ご用意出来ましたか?』

うぅ…この声、さっきの人と同じ人だ…

嫌だな。

て 思ったのは、内緒だ。

「紹介状は用意出来てないんですが、そちらの○○先生に許可を取りまして、『歯科○で予約を取るように』と指示を受けたので、予約を取りたいんですが」

『紹介状が無ければ、予約は取れません』

何だと!!?

「いや、○○先生は『良い』て言ったんですよ!それでもダメですか!?」

『紹介状が無ければ、予約は取れません』

──何このループ…自動音声ですか??

ここまで来て引き下がる、だなんて私の体調では無理過ぎる。
結構、粘った。

『手術はキャンセルされたんですよね?』

「そうですが…いや、こちらにも のっぴきならない事情がありまして…」

『2年前の話なんですよね?』

「そうです…」

『半年以上 経過しているので、再度 紹介状が必要です』

そんにゃ、殺生にゃ(号泣)!!!

『紹介状が無いと予約が取れないシステムですので。紹介状の用意が出来たら、再度ご連絡下さい』

ぬぐぐぐぅ…

「分かりました」

そういうシステムと言われてしまえば、それ以上 追求は出来ず。

通話を切ってスマホを握り締め、思案にふける。

最初から歯医者に電話していたら、こんなに長期戦にならずに済んだのでは。

思ったけれど、先生にも連絡しちゃったし、引き下がれない。

一度、総合病院で診てもらって、紹介状 書いてもらおう。
最悪、何度か あっちまで行かねばならんくなるけど、この際、それでも構わん。

この ご時世に、何度も電話するのは気が引ける。

…こうなったら、どこまでも迷惑患者に成り下がってやる!

そんで先生に「コ○ナの時にね、こんな迷惑な患者が居たんだよ」って、いつか落ち着いた頃に 周りの医師や学生に、よもやま語ってもらうんだ!

もうね、痛いし頭回らんし面倒だし、よく分からん闘志に火が着いてしまったよね。

再び総合病院に電話をして、先生に代わってもらった。

「お忙しいところ、何度も恐縮なんですが…」

「要・紹介状」の事情を説明し お詫びして、総合病院で予約を取れないか聞くつもりであった。

『もう!ラチが明かない!
明日、歯科○に行く日だから、事務員に言っとく!
明日 あっちに電話して!
それで予約取れなかったら、私に電話代わってもらって!よろしいかしら!』

ひえぇ~、普段 温和な先生を怒らせてしまったあぁ~(汗)!

総合病院への遠回り作戦も通るか分からなかったけど、私が先生を怒らせちゃった所為で、最初の目論見通り話が進みそうになった訳なんだな。
棚からぼたもち的に。

断っておくが この場合、電話応対されていた歯科○の事務員さんは 当然の対応をしただけで、悪くない。

詐病かもしれない患者の言い分を いちいち鵜呑みにして聞き入れていたら、本当に 治療の必要な患者を受け入れられなくなるからだ。

“治療が必要”だと他病院の医師が証明した紹介状が要るのだよ。
私の考えであって、未確認ですが。

あ~…良かった~…✨

この激痛も明日まで耐えれば どうにかなりそう、と先が見通せ、少し気は楽になった。

さっき飲んだ何かの痛み止めも若干効いている気がするし、疲れちゃったから その日もう休む事にした。

痛くて眠れんから、ゴロゴロしてただけだけど。
まぁ その間、親友らに起こった出来事を長ったらしく愚痴ラインしたりしましたけど。

当時 溜め込んだ分を吐き出す場が無かったから、そうする以外に無くって、Twitter始めるキッカケになりましたけど。

違くて。今その話じゃない。

翌昼──

昨日の今日で 怖々だったけど、歯科○に電話してみた。

「すみません、昨日 予約の件で ご連絡した者なんですが…」

『あ!○○さんですね?』

うおッ…

電話の声は昨日の令嬢とは別の令嬢の声だったが、向こうから名前出されるとか怖すぎて身構えた。

『先生から話は伺っております。予約を取るように、と聞いておりますが、その件でよろしいですか?』

おおお、先生(感涙)✨✨✨

こうして、遠回りした気もするが、痛い中 ウロウロする事も無く、すんなり電話だけで歯科○に通える事になったんだな。

『直近だと、一番近くて ひと月後、なんですが』

──何だと!!?

また この めっちゃ痛いのを、ひと月も耐えねばならんの!!? 無理!!!

「もう少し、早まりませんか(泣)?一度 診てもらうだけでもして欲しいんですが…」

『予約が いっぱいで、これ以上は早まりません』

くぅ…せめて痛み止めと抗生物質だけでも早く欲しかったのに…

埋まってしまってると言われてしまえば 医療機関が忙しい最中、わがまま は言えん。
私は提示日に予約を取った。

『前回 通院されていたのは2年前なんですよね?』

「そうですが…」

え、その確認、必要?? 怖いんだけど…

話を聴けば、以前改装工事中だった歯科○は工事が終了して、口腔外科は別棟に移った とのこと。

あ、あ~、そゆこと。

方向と建物の特徴を教えてもらった。

『先生に代わりましょうか?』

「あ、いえ。予約取れたんで、大丈夫です」

一言くらい礼を入れたい気も有ったが、忙しいのに これ以上、手間を掛けてもらう必要もない。

予約日に対面で詫びを入れれば済む話。

私は、ここで通話を終えた。

──ここから先は、どう ひと月 過ごしたものか。

やはり歯医者に行って抗生物質 出してもらうべきなんだろうが…

もう、一時間も歩く元気、無い(涙)

再び独り痛みを耐え忍ぶ事を決意した。

とにかく四六時中、顎下から頬骨まで五寸釘打たれていて、歯を食いしばりたい。

顎が ポコッ!て、ブ○ックみたいに外れたら良いのに…

そうもいかん。

試しに割り箸を前歯で噛み締めてみた。

あ…若干、楽になる気がする…

高さ的に割り箸1膳では上下の奥歯が触れてしまう。

割り箸2膳を輪ゴムで束ね、噛んでみると ちょうど良かった。

ふうぅ…これなら寝てる間にウッカリ飲んじゃう幅じゃないし、一安心…

ダダダダダダッダッ!ピョーンッ!バリバリバリバリッ!

ひえええぇッ(震)!!?

ニャンコ大運動会が始まった。

私のベッドはキャットタワーまでの足掛かり。
当然、頭スレスレをニャンコらが飛び越えて行く。

安心出来ない(泣)!!!

ほら、ニャンコがウッカリ私の口から飛び出した割り箸引っ掛けてったら、グサッ!て、刺さるじゃん。

──割り箸、ダメだぁ(号泣)!!!

何か、何か くわえられて、口から飛び出さなくて、飲み込んじゃわない物、無いかな。

色々と口に くわえた自分を想像しては、ダメだコレ。を 繰り返し。

──八ッ(閃)!!!

脳裏に浮かんだのは、パンチを受けて口から白い物体が飛び出した、ボクシング漫画のワンシーン。

マウスピースは!!? 良さ気じゃね!!?

早速Amaz○nさんで検索。

はあぁ…結構 色んな種類が在るんだな…

単にスポーツ用のものから、睡眠時のナイトケア用まで、マウスピースの用途は広かった。
とりあえず、寝てる間に一番 欲しいし、ナイトケア用を いくつか見てみた。

…ううん、よく分からん。

レビューを読んで判断するしか無い。

ううん、何か、薄そうだな…

普通のナイトケアならば、違和感の少ない薄いタイプが喜ばれるんだろうが、今の私には厚みが欲しい。

格闘技とか、やらんけど。
スポーツ用でレビューに「厚い」と書かれた、安価な物が在った。

200円ちょいなら、試しに買うには手頃だな…

だけど、整形が難しそう。
大概のマウスピースは、お湯で柔らかくして、自分の歯型に形作る。

このお湯がね、微妙な温度でキッチリ決まってたりね、秒数もキッカリ数えねば縮み上がっちゃうそうで。

絶対、失敗するわ、コレ。

という訳で、3個600円くらいのを買うたんだな。

翌日 早速、届いたマウスピースを箱から出した。
説明を読み、先に ざっくりU字の右側だけハサミで切り落とした。
整形大変そうだから、そのまま噛んでみたけど、居心地が悪い。

…やるか。

電気ケトルで湯を沸かした。

ええと…200cc 100℃ の湯だったら、水道水100cc加えたら、60℃くらい???

ええ。もう、温度の計算式など忘れましたよ(遠い目)

──うわッ!?

そんな適当加減だったもんで、最初の一個目は瞬殺。
湯のみ に入れた瞬間に 縮み上がって、ようわからんゲル状になってしまった。

あ~、温度高すぎたか~(汗)

3個入を買って、良かったよ。マジで。

2個目は いい感じに柔らかくなったので、冷まして口の左奥歯に合わせて入れてみた。
厚みは活かして軽く噛み、前歯の両面に沿って指で歯型を整える

うぅ~ん、八重歯が邪魔。

八重歯のところだけ、ハサミで削ぎ落としたら、ピッタリハマった。

おおお、上手に出来た~✨

左側の奥歯で噛み締めても、右側の奥歯は触れ合わない。

マウスピース作戦、大成功!

と、言いたいとこだが。

歯は食い縛ってても お口が半開きなんで、まあ、ヨダレは凄かったですね。
タバコにコーヒーも あったから黄色くなっちゃうのがちと不愉快で、しょっちゅう洗ってた。

でもね、空を噛むより全然、楽。

背に腹はかえられんな。

そんな過ごし方をして数日──

あの、痛み止めが底を着いてしまった。

ぐああぁ~!ロキソニンが効かねぇ(泣)!!!

コレにはマジで困った。

何か、何か在るか!?

常備薬入れを再度漁り出てきたのは、ほぼ手付かずのイブプロフェン錠一箱。
生理痛や頭痛にも効かなくなっちゃってたから、長いこと飲んだ覚えが無かった。

…oh。

箱に印字された消費期限は、2009年。

イブプロフェン、効かない気もするんだが…

ゴックン。

意を決し、飲んでみた。
すると、どうだろう。

──あ、あれ?痛みが引いてるかも!

効いたんだよ、イブプロフェン。

良かったぁー✨

数年 摂取してなかったのも功を奏したか定かでは無いが、大いに助かった。

と、言いたいところだが。

多分これ、私個人の体質なんやが、キッカリ2時間で効果が切れてしまうのだよ(遠い目)

くうぅ~…3時間も耐えられん(泣)

ええと…明記は避けますが、お察しの通り。
決して、マネしちゃダメですよ。

という経緯で、100錠近く在ったイブプロフェン錠も消化して、追加で50錠、50錠で買って飲みきった。
その頃には、ほっぺたの腫れも治まってきて、マウスピースも不要になったな。

お腹は空くから、ひたすら食パンを素で食って過ごした。

歯痛には負けず小説を書き続けたけど、直後の目眩で死んだな。

そして、桜の花が満開の季節、ようやく 待ち望んだ、歯科○の予約日がやってきた。

⑨に続く──

都会の家電無し生活②

田舎に引っ込んでからの話なので都会では無いんだが、家電繋がりで。

三種の神器のうち、洗濯機のみ所有していた都会の5畳半暮し後半。

知り合いが中古ショップにて、20インチのテレビを見つけたと言う。

元々 安価なメーカーのテレビだが、DVDプレーヤー 一体型で、2000円。

何それ!欲しい!

早速 買ってきてもらい、我が家も とうとうテレビ付き になった。

んだが。

──アンテナ線、どこなんだろう(遠い目)

引っ越した時点で超築浅のマンション、最初に見回った時 既に見当たらなかった気がする。

調べとらんで分からんのだが、最近の若者はアンテナ線 使わないの??

狭い屋内には所狭しと箱が山積まれ、かき分けてまでアンテナ線 探す気力も起きん。

ま、いっか。今更、テレビ観れなくても。

という訳で、モニター感覚でDVD観たり、据置機のゲームやったりするのにだけ使ってた。

──時は進み、田舎の築半世紀の古いマンションに引っ越した。

引っ越し業者さんに路上で飲み物の差し入れをしたら、ちょっとした 古い物件あるある を教えてくれた。

「この家のアンテナ線探したんだけどね、古い二股のタイプなんだよ」

…え?二股???

私が小さい頃の実家のアンテナ線は、既に一本のタイプだった。
パッと二股のイメージ出来ない。

「ホームセンターとかだと二股を一本にするアタッチメントみたいの売ってるから、それが有ればテレビが観れるよ」

「あ…どうも、ありがとうございます」

全然しっくり来ぬまま引っ越し業者さんと別れ、新しい我が家に戻り、アンテナ線を探してみた。

…コレか???

居間の一角コンセントと電話線ジャックの横に、突起が2つ。
イメージ的には、壁に刺さったネジ山。

何で2つなの…??

遠い昔の記憶を辿れば、父親が初代フ○ミコンをテレビに直結する為に増設した、2本の配線 映像。

何なんだろう、と思っていたけど、スーパーフ○ミコンの3色端子を思い浮かべれば、黄色は映像・赤白は左右のステレオ音声。

あ、モノラルか。

多分、片側が映像で、片側が音声なんだ。

ホームセンターに行っても品名が分からんので、Amaz○nさんで「アンテナ線 二股端子を同軸ケーブルへ」検索してみた。

検出された画像は、配線がY字型した、明らか二股を一本に束ねるアダプター。

これこれ!

商品名と型番を控え、後はホムセン行くだけ。

──八ッ!!!

Amaz○nさんで取り扱ってるなら、ホムセン行かなくて良いじゃん!

こういうところ、自分でもアホと思う。

…あ、アンテナ線も無いじゃない。

テレビは箱無しの中古品。付属されていたのはリモコンと電源コードのみ。

同軸ケーブルも1本、カートに追加。
合わせて1600円位だったかな。

この端子、接触悪そうだな…

長いこと放置された2つのネジ山は、青白くサビが浮いてしまっている。
百均で金ブラシを買い アンテナ線到着までに、ネジと金属の接続板を磨いておくことにした。

翌日、早速 届いたY字を壁の端子にネジで接続。
テレビとY字を同軸ケーブルで繋いでみた。

ポチッとな。

おおお✨点いたー✨…が、画面は砂嵐。

あ、アナログか。

リモコンに電池を入れて、地デジボタンを押してみた。

画面に表示されたのは…

『B-CASカードが刺さっていません』

──何だと!!?

テレビ裏B-CASカードのカバーを開いてみれば、何にも刺さってない空っぽの差込口。

え…えええ~(汗)

チャンネルを民放に変えてみたが、画面中央に鎮座し続けるエラーメッセージ。

…B-CASカードって、単品で手に入るもの???

テレビやブルーレイレコーダーには、同包されているイメージ。

怖々ネット検索したらば、在りました、ちゃんと再発行で購入出来るところ。

…何か、凄い種類が在んだけど。

用途の違う三種ほどのB-CASカードに、それぞれサイズ大小。

差込口的には大かな。
今は地デジだけ見れれば良いんだが、先は分からんしななぁ…

一応、テレビの型番で説明書をネット検索して、元々付属のB-CASカードを確認。

とりあえず、見覚えも有るし、赤いのを買うことにした。

に…2000円…

私の貧乏性アラートが鳴り響く。

何年もテレビ観てなかったんだし、今更 観れずとも良いじゃない。

思いはしたんだが。

──せっかく買ったアンテナ線類が無駄になる!

という、貧乏性を貧乏性で ねじ伏せる結論に至った。

もの凄く後ろ髪引かれつつB-CASカード再発行の手続きをし、数週間後。
書留で届いたB-CASカードをテレビに差して、電源ON。

おおおお✨点いたー✨✨✨

今度こそ余計なエラーメッセージも表示されずに、画面に くっきりクリアな映像が映し出された。
後はチャンネル設定して、余計なチャンネル省くだけ。

各チャンネル画面を確認していて、気付いた。

N○Kとフ○テレビが死んでる…

他はちゃんと映るのに、一部の局は砂嵐が酷くて音声も途切れ途切れ。

コレ多分、建物のアンテナが古い所為。諦めるしかない。

こうして我が家もテレビが観れるようになった訳だが…

諸経費で6千円吹っ飛んだ。

これだけ出したら、も少し良いテレビ買えたかもしらん。

③に続く──

母親は、アレ⑳

母の日です。明日です。

近所の直売会のチラシが入っていたので、今年はケーキにしようと思いましたが、にわか雨強く断念しました。

さて、今年は何を用意しましょうか(遠い目)

本日は母の日祭り前夜祭。

直近 母親が告白した「うちの母ちゃん、アレやな…」な話を お届けします。

─家族写真─

昨年、母親は不幸続きで余生について考えたらしく、生前 遺品整理を始めました。

あの人は かなり物持ちが良いと言いますか、きょうだいが小さい時の子供服は勿論のこと、数十年前の実家のカーテン布すら保管していたりします。

正直、引きます。

が、私も似たような収集癖があるので
文句は有りません。
一緒に暮らしてないし。

私は空き箱類が特に好きで 綺麗なお菓子の箱から Amaz○nさんの段ボール箱まで「何かに使えないかな」と、残してしまいがち。

特に変わった形、立方体だったり長細い柱型だったりの箱が届くと、テンション上がります。

「こんなの残して、何になるのよ」

パンストや百均小物の荷折れ防止用の厚紙を あまさず収集している人に言われたくありません。

おっと、脱線してました。

母親はアルバム整理から手を付けたようで、昔の分厚い台紙の重厚なアルバムから写真を剥がし、最近のフィルムのスリムなアルバムに移し替えてるそうです。

「アンタ達それぞれに分けてるから、自分の分の写真だけ持って行けるよ」

「え?要らない」

今は無き実家を離れ数十年。
小さい頃の家族写真など、目にも入っていないし、姉らはいっぱい写真有るけど 歳が離れた三番目の私は、地味に幼少期の写真少ないし。

「時系列狂うし、誰か一人がまとめて持ってれば良いじゃん」

せっかくリアルタイムでアルバムに納めたストーリーが崩れてしまう。
それでは きょうだい間の想い出話も共有しづらくなるんじゃないかな。

という危惧を含んでいたんですが、まあ、どうでもいい話を時系列で出来ない私が言えた口ではありません。

写真整理中、母親が一枚の家族写真を見付けました。
実家に越したばかりの真新しいキッチンで、母親に おどけて抱き付く幼少の私と、背後で はにかむ姉二人。

恐らく撮影したのは父親でしょう。

ほっこり心温まる一家全員の想い出写真なんですが、母親の着眼点は違いました。

「いや もう、酷い酷い」

何が?

「聞いてよ!洋服のセンスが酷過ぎる!
母ちゃん、ド○えもんみたいな真っ青なTシャツに、真っ赤なエプロン掛けてんの!」

「うっわ!ダッッッサ!!!」

心の底から言葉が口から出ましたが、私のカラーセンスの悪さは母親譲りなんだ、と 心から思いました。

─銀盤─

私の物心つく前の事。
0歳から保育所に預けられていたと聞いてました。
当時にしては かなり珍しいケースで、なかなか保育所が受け入れてくれなかったらしいです。

私を預けてまで働いて、子供三人育てただなんて。

こういうバリバリ働く母親の社会性の強さは、尊敬しています。

なんですが。

「母ちゃん、あの時 仕事の為にアンタ預けてたんじゃ無いんだ」

ぇえッ!!?

母親の話を要約しますと当時も一世を風靡していたフィギュアスケート、運痴な母親も自分が銀盤を華麗に滑る姿を想像し、憧れていたそうです。

そんな折、近場にスケート場が出来、カルチャースクールが開校されました。

「どうしても滑りたくって、アンタ預けてスクール通ってたんだ」

「ああー…」

母親と言えど、一人の人間。

仕事に家事に追われるばかりでは、やりたいことの一つも出来ません。

「良いんじゃいの?別に」

息抜きの時間も必要だ。
そう思っての言葉でした。

だけど、母親は物凄く申し訳なさそうにしてばかり。

「良いじゃん、スケート。楽しいじゃん。私ギリギリ バック出来るくらいだけど、母ちゃん、スピンとかジャンプ出来ちゃったりすんの?」

華麗に銀盤を滑る若かりし母親を想像して、ちょっとした羨望を抱きました。

「それがね…全く、滑れないんだよね(照)」

「ぇえ!? スクール、通ったんだよね!?」

「3回くらい、行ったよ」

「たったの、3回!!?」

驚きです。

母親の話では、スケート靴を履き氷の上で滑るだなんて怖くて全く出来なかった上に、運悪くママ友が転倒して腕を骨折してしまったらしく…

「もし、利き腕折っちゃったら、家事もだけど、何よりワープロ打てなくなるのが怖くなっちゃって(照)」

「あー…まあ、それは怖いよね」

としか、言えません。

スクール通っていた期間以上に保育所に預けられていたのも疑問には思いましたが、清々と独りで家でワープロ打っている母親の姿が浮かび、納得しました。

利き腕の心配するだなんて、この人、根っからの仕事人だな、と 感心です。

「ところで アンタ、スケートなんて滑れたの?いつ覚えたの」

いつ… と言われると不明です。

「小さい頃、スーパーの屋上にスケートリンク在ったじゃん」

「え?そんなの在ったっけ??」

私てっきり母親にスケート教わったんだと思ってましたが、薄らぼんやりした記憶を辿ると、手を引いてくれたのは父親だった気もしてきました。

「バックも出来るの?いつ覚えたの」

「それは大人になってから、新しく出来たスケート場で親友と遊んでたら、知らないオジサンが教えてくれた」

まあ、取っ掛りなんて、そんなもんです。

─親権─

「母ちゃん、アンタに謝らなきゃいけない事が有るんだ」

テレビを観ながら昼飯に舌つづんでいた折、母親が突然 改まり切り出しました。

「実は母ちゃんが離婚した時、どっちの親に付くか選択権はアンタに有ったんだよね」

あまりにも寝耳に水で「だったら父ちゃんに付いたのに!!」と、喉まで出かけました。

「…あ、違う違う、ごめん。コレ姉ちゃん達の話だ。アンタは年齢届いて無かったから、親が決めて良かったんだ。間違えちゃった」

ん゙ん゙ッ…

出鼻が出る間も無く くじかれて、ぎゅっと言葉を呑み込みました。

「母ちゃん達 協議離婚だったからさ、裁判しないやつ。役所の書類で子供の同意が必要だったんだけど、聞くのが面倒で勝手に書いちゃった(テヘペロ)」

母ちゃん…

「それはさ、姉ちゃん達に謝ってよね」

「そだね」

まあ 姉達なら母親に付いたとも思うんで、私から四の五の言えた口ではありません。

この後、母親が姉らに謝ったかどうかまでは、知りません。

─歯並び─

母親は結構歯並びが良くて羨ましいな、と 思っていたので聞いてみました。

「母ちゃん、歯並び良いよね。元から?矯正?」

「ううん、コレね差し歯なんだ。上4本、下4本、全部で8本くらい」

母親は歯を見せカチカチ鳴らして得意気です。

「へええ~、差し歯なんだ。凄いね、全然 歯じゃない」

「保険の利く差し歯も有るけど、そっちは具合悪くて何度か調整した」

母親の話を要約すると当時、歯は若いうちに差し歯にしろ、みたいな噂が有り
ママ友が腕の良い歯医者を紹介してくれ、母親も もれなく乗り気になったのだそう。

しかし、ちょうど長女(姉)の高校受験を控えており 私立が第一志望だったため、費用面が不足していた との事。

「それがさ~、姉ちゃん私立 落っこちて 公立行ってくれたからさ~、学費が浮いたんだ♪」

母ちゃん…

─親不知─

「母ちゃん、本当に馬鹿でさ~。本当、大馬鹿!」

あ、馬鹿って自覚は有るんだ。

私の親不知で腫れた ほっぺたを見て、おもむろに想い出話が始まりました。
何度か聞いた話ではありましたが、茶々は入れずに聞き流しておりました。

「初めて親不知で ほっぺたが腫れちゃった時さ、何を思ったか、お風呂に浸けて温めちゃったんだよね~」

「は!!? 馬鹿じゃないの!!?」

あ、しまった。

自分の腫れ熱を持つ親不知を思えば、キンキンに冷やしたく有り、温めようだなんて考えもしません。

思わず浮かんだ言葉が口から出ちゃいましたが、母親は話を続けます。

「馬鹿でしょ~(笑)?」

あ。コレ、馬鹿って言って良いフラグが立ってる。と、ピンと来ました。

「母ちゃん若い頃 何にも知らなくてさ、『痛かったら温めるもんなんだ』って思い込んでてさ~。
醤油も借りた事 無かったけど、初めて お隣さんにバ○ァリン借りに行っちゃったよ」

「ははッ、馬~鹿!馬ぁ~鹿!」

腹の底から母親を馬鹿呼ばわり出来て、ちょっぴりスカッ!としました。

──さて、母の日 前夜祭どころか後夜祭まで語ってしまいましたが、この辺で お開きにしようかと思います。

未だ母の日ギフトを買ってないお仲間の方々へ、うちの母親の格言を一つ。

「プレゼントは無期限で受付てるよ」

(21)に続く──

積年の親不知⑨

──嫌だな…

歯科○の予約日当日、ダラダラと お風呂入って歯を磨いて、若干、行きたくないなって思っていた。

だって、ほら、私、タバコ止められて無いじゃん。

きっとまた先生に お叱りを受けるんだ、と思えば思うほど、身支度に時間を掛けちゃってた。

だけど…爆弾は何とかしてもらわねば!
おちおち安心して生きていけない!

自分を奮い立たせバスを乗り継ぎ、歯科○まで やって来た。

──あれ…? 建物は、どこ???

昔在った旧病棟は取り壊され、青空が覗いている。

ええと…どっちだ、つってたかな…?

バス停前をウロウロ右往左往、左だったかな、と 右に進行。

ええと、平屋のガラス張り…

進めど進めど、見えるのは建築現場の鉄の壁。

…このまま道なりに進んだら バス停一個、戻っちゃわね?

あ、多分逆だわ、コレ。

元来た道を戻って降りたバス停を過ぎれば、見えました、目当ての建物。

私の足でも5分は掛からない道のりが、30分掛かりましたよ(遠い目)
コレは、いつもの。

「消毒と検温、お願いします。ここ2週間の間に、発熱したり 熱が出た方と接触しましたか?」

入口の案内嬢に言われ、コ○ナ対策の受け答えをした。

「再来ですか?初診ですか?」

あ…ええと…?何だろう?

「以前 通ってたんですが、来るのは2年振りだと、何になりますか?」

若干迷われたけれど、再診かな?と言うことで、再診の窓口で受付をした。

はあぁ、すんごい綺麗になってるな~。

なんて、待つこと数分。
モニターに呼び出し番号が表示された。

──ううぅ…

もの凄~く、重い足取りで診察ブースに向かう。

「先生!この度は ご無理 言って本当にスンマセン!」

「腰は大丈夫?」

「はい!お陰様で、本当にスンマセン!」

笑って迎えてくれた先生に伝える言葉の語尾に、脈絡もなく「スンマセン」が必ず付いてしまいましたよ(遠い目)

「タバコは止められた?」

うぐッ!

「…それが、まだで…ホント スンマセン、ホント スンマセン!」

「タバコは止めてね」

「………あ゙い゙(声小)」

このやり取りも、すっかり定番になってしまった。

診察椅子に腰掛けると、先生は補助に付いた看護師さんに話し掛けた。

「この子ね、手術当日に ぎっくり腰やっちゃって、その後コ○ナになっちゃって予定立てられなかったんだよ」

──あ!!!

何と、先生は立ち入る方々に逐一、状況提供された。

まさか、願ってやまなかった迷惑患者よもやま が、何年先に されるかも分からない細い希望だった 迷惑患者よもやま が、まさか、こんなに すぐ、それも目の前で展開されるだなんて思ってもいなかった。

──せ、先生✨✨✨

めちゃめちゃ感動した。

だって、私 言って無い。
この出来事を医療従事者の方々に広めて欲しい、と 切に願っているんだ、て。

苦手系だった先生に 一気に、私の良い人センサーが振り切った。

あー、この先生、正直者なんだな~✨✨✨

なんて思っちゃった。

口を酸っぱく「タバコ止めて」と言われるのも、上辺だけのもんじゃないって、考えちゃう。

こういうハッキリもの言う方が友達だったら、楽しいだろうな…

なんて、先生の細い足を眺めながら考えてましたよ…スンマセン(汗)!

「特に変化無いようだったら、以前の画像を使うから」

軽く口の中を視てもらい、画像撮影後に左上の親不知抜いちゃったりしてたけど、そのまま抜歯日まで決定した。

麻酔科医の説明を受けるのに、待合室で待機。

「飲んでる薬に変わりは無いですか?」

「──あ!」

しまった~!また お薬手帳 忘れてきちゃった(汗)!

「え、えぇ~と…2年前からだと、睡眠薬とか増えてるかもです…」

もんの凄~く、自信が無い。

日常で薬飲んでる方、お薬手帳、お忘れなく。

当日の注意事項として、手術時間の6時間前から食べること禁止、2時間前から飲むこと禁止、薬を飲む程度の量なら大丈夫、だと教わった。

一通り説明を聴いて、診察ブースに戻る。
手術の同意書等に記入して、最後に先生が おっしゃった。

「○○(女医さん)じゃなくて、私で、よろしいのかしら?」

──!!!!!

後ろ髪引かれたのは、言うまでもない。

だが、女医さんの手術の腕も知らんし、何より ここまで わがまま貫き通してもらっといて、担当医 替えてくれ、とか、言えないじゃん。

「よろしくお願いします!」

こうして、後は抜歯日までに禁煙するだけ、と なったんだな。

⑩に続く──

十円ハゲ

何度も語っているが、Twitter始めた当初、私を構成していた、親不知・ぎっくり腰に続く三大要素。

“円形脱毛症” である。

“十円ハゲ”とは名ばかりで、例えるなら“瓶底ハゲ”。

片手の指を揃えて出してみて欲しい。
4本の指の部分、その範囲が まるっとハゲ上がってた。
ビックリでしょ。

免許証の更新や祖父母の葬儀ですら着帽させてもらった程。

2021年末には皮膚科に何度か通ってみたけど、生えてこん。
右側頭部、ちょうど親不知の上でも有る。関連性は不明だが、無関係でも無い気もしなくもない。

「自己免疫疾患」だと診断、免疫機能を正常に戻す飲み薬と、頭皮の塗り薬を頂いた。

治療には、もの凄く物理的な処置をする。
脱脂綿で液体窒素をハゲに塗布してもらう。

これには軽い火傷のような状態を作る事により 皮膚の新陳代謝を活性化させ、毛を生えて来させるらしい。

え、液体窒素…!?

バナナで釘を打つビジョンしか浮かばん。

正直、怖いよ。

ハ○ション大魔王でも出て来そうな金属製の重たい容器から、金属のマグカップに液体窒素を注ぎ移し、ピンセットで2cm程の脱脂綿を浸して耳横にスタンバイ。

「ちょっとヒリッとしますよ」

ひ、ひいいいいぃ…

脱脂綿から滴る液体窒素を切りながら、結構バシバシ叩かれるんよ。
しぶき とか、眼鏡に掛かったりして、怖いよ。

最初のうちは、ただ冷たい液体を塗布されている感じしかないんだが、徐々に…痛…痛ッ…痛ーッ!!? て、なる。

上手に頭皮が焼けました♪

処方してくれた塗り薬は、ローション状の物が2剤。

お風呂上がりに塗っちゃダメ。
混ぜちゃダメ。

1剤をハゲに塗布したら、乾いてから、2剤を塗らねばならん。
正直、面倒臭い。

それを一日3回。めっちゃ面倒臭い。

──ここまでして、無理に毛を生やさんでも、良いや。

3回目くらいで、皮膚科ギブ。

いやだって面倒臭いし、ハゲを言い訳に 髪の毛 丸刈りにしてても、母親に文句 言われないんだもん。

このまま毛が生えなくても良い、て 思ってた。マジで。
だが、困った事がなくも無い。

丸刈りにしてても、ハゲの部分は明らかに、皮膚。

人に寄っては不快に思うかもだし、自宅の修繕や家電配送で屋内の往来がある時は、慌てて帽子を被らねばならん。

それも たまに忘れちゃって、しばらく経ってから「あ!!!」て思って被ったり。

それはそれで面倒臭い。

後、これはニャンコの話でもあるんだが、不思議な現象も起きた。

シロとはいつもくっついていたんだが、その頃、何でか私の顔横を枕にするのが気に入っていて。

毛づくろいついでに、私のハゲを ひたすら舐めてた。

毛の生えた所は舐めないんだよ、ハゲだけなんだよ。

ハゲから何か、出てんの…???

あ、スンマセン、逆でした。

正しくは、

「毛の生えた所は舐めるけど、ハゲは舐めない」

少し生えて来た辺りで 毛ばっか舐められて、舐め取られて ハゲに戻るのでは。

と、思っていた頃。

親友らに送り付けて『ハゲに誘導すんな(爆)』と、突っ込まれた自撮り。

ハゲからは、何か出てるようです。
https://x.com/yukipochi_2022/status/1659007241746550784?s=20

ツルッと皮膚になっちゃったハゲから毛が生えてくる気配も無く、姉にハゲ自慢した記憶が有るので、1月頃は全く無毛のまま、特にハゲケアもしなかった。

別件で寝込んでいた3月頃。

気付いたら、ハゲの外周に うぶ毛らしきものが生えてきていた。

一度ハゲに毛が生え始めると、あれよあれよという間に毛が生え揃い、ハゲは埋まっていた。

パッと見ハゲなど跡形も無くなったが、触ると、ハゲに生えた部分の毛質だけ、柔らかい。

右側頭部に すっかり毛が生え揃い、そして、気付いた。

──あれ?? 何か、眼鏡の納まりが悪い。

どうにもツルの引っかかりが甘く、眼鏡が良くズレるようになっていた。

──oh。

鏡を覗けば、左耳の生え際が右より高い。
触ってみれば、耳の周囲がツルッとハゲになっていた。

毛が無く眼鏡のツルが落ちる。

円形脱毛症は群発する事も有るらしい、との事で、触って確認、襟足の辺りに新たな十円ゾーン。

こんな漫画みたいな事、有る!?

独りで大爆笑しちゃったよ。
https://x.com/yukipochi_2022/status/1659024365139415042?s=20

こんな どうしようもないハゲ達だったが、放置し続け、気付いた去年の夏には無くなっていた。

何で毛が生えたのかは、分からん。マジで。

うぅ~んむ…

毛が生えたとなると、再開する母親の「みっともないから髪を伸ばしなさい!」発言。

反発心も有りはしたが、自分的にも「少し伸ばしてみるか」
と、思い立った。

直前、自分で刈り揃えた部分と後から生えて来た部分では長さが合わない。

数年振りに床屋へ行って、ついでにカラーも入れてもらった。
担当の床屋さんにするは、もちろんハゲ自慢。

「すんごい ツルッ!と無かったんですよ~!」

話をしたら、ついでにハゲチェックしてくれた。

「一つもハゲ無いですね!」

ちょっぴり嬉しい。

ベリーショート位に揃えてもらい、半年程放置。

随分伸びたので、再び床屋へ。
特に こだわりも無いんで、別の担当の方にカットとカラーをお願いした。

やっぱするのは、ハゲ自慢。

元々自身の感覚が鈍いのも有るが、カラー薬剤は全くしみない。
一番 明るくするのに、強い薬剤だったらしいんだけどね。

「頭皮は強いし、お話聞いてても明るくて精神的にハゲなさそうですよね(笑)」

なんて言われれば嬉しいもんで。

「いやも~、本っ当!自分でも何でハゲたんだか、分っからないんスよね~(笑)!」

今では強い毛が、生え揃いましたよ(自慢)
https://x.com/yukipochi_2022/status/1659032129559490560?s=20

あ、もひとつ言えるのが…

「あの頃は、シャンプー楽だったな~…」

だって顔洗うついでに 頭洗えちゃうんだよ。
シャンプーもリンスも要らないんだよ、マジで。

シャンプーが、めっちゃ楽。

しばらく髪の毛で遊んで気が済んだら、また丸刈りにしちゃうかもしれない危険性は、拭い去れていない(笑)

母親は、アレ(21)

デジ画修行中の身故、中間 画力評価 備忘用。

私「母ちゃん、見て見て!カワイイでしょ!?」

先日描いた こどもの日 のイラストを、母親に見せびらかせた。

母「あら、カワイイじゃない」

私「でしょ~(えっへん)」

いくらかアレな部分は有れど、自分でも可愛く描けたと思う。
珍しく母親も絵を「スマホに送って」と言うので、ラインに添付した。

母親は じい~っくりと、スマホを顔から離して眺めている。

母「これ、水彩みたいだけどパソコンで描いたの?」

私「そうだよ!ペンも自分で調整したんだ(得意気)!
線がガタガタしてるとこ有るから、まだ改良の余地ありだけど」

母「ちょんまげ してる。昔の絵なの?いつの?」

私「え、ええと…」

何時代かと聞かれれば、昔っぽく見えるようなイメージしか無く、明確に時代は決めていない。

私「昔、風です…」

としか、言えません。

母「クロ(本物)が居る~」

私「それね、クロ(本物)じゃないんだ!しっぽ長いでしょ?」

母「ホントだ~。じゃあ、この黒猫は誰なの?」

私「え?…えぇ~と…」

一応 小説に書いたた猫ではあるんだが、誰かと聞かれても、誰とは言えない。

私「架空の猫です…」

としか、言えません。

母親を うならせる には程遠い結果に終わった(消沈)

まだまだ…これからだ(泣)!

(22)に続く──

積年の親不知⑩

右下親不知の抜歯日、母親が我が家に来る、と言い出した。

えぇ~…来なくて良い。

思ったけれど、言い出したら聞かない人なので 放っておく事にした。

だが、歯科○にまで着いてこられては たまったものではない。

それだけは断固、拒否した。

「アンタ、お昼ご飯どうすんの?」

母親が来るのは大抵 正午。
抜歯は午後おやつの時間。

「麻酔のアレで6時間前から ご飯食べらんないから、要らないよ」

「そっか。じゃあ 母ちゃん、食べてから行くわ」

母親が立てた計画では、当日 駅前辺りで独り飯を済ませ、到着するのは 私と入れ違いくらいだと言う。

目の前で何か食われたらお腹空いちゃうし、そうしてくれるのは助かる。

そして、迎えた抜歯当日──

さて、そろそろ歯を磨いて出掛けるかな~、なんて思っていた時だった。

♫ピンポ~ン

玄関の呼び鈴が鳴った。

ガチャガチャ、バタンッ

──えッ!!?

間髪入れずに聞こえたは、鍵を開けて扉が開く音。

「ふにゃ~ん」

玄関先にまで お出迎えに行く、シロ。

母親の、ご到着である。

あの人、合鍵持ってんのに、何でだか必ずチャイム鳴らすんだよね(遠い目)

「来たよ~」

「いや母ちゃん、早くね?ご飯食べた?」

「アンタ居ないと思ったから、買ってきちゃった」

母親が取り出したは、美味そうな香り放つレジ袋。

母ちゃん…

「アンタもう食べらんないんだっけ?」

言いましたよ、ちゃんと。
計画もちゃんと貴女が立てましたよ。

「そっかそっか、なら可哀想だからアンタ出掛けてから食べるわ」

「そうして下さい…」

私、今朝から何も食べてない。
お腹が、空いている事を思い出してしまった。

わざとだろ。

身支度も大詰め、というタイミングでの来訪。
始まるのはマシンガン世間話。

つい、話し込んじゃったよね。

「──あ、ヤバ!もう出なくちゃ!」

「はいは~い。母ちゃん お腹空いちゃったから、早く行け」

母ちゃん…だから食って来いと…

結構バタバタと歯を磨いて、バタバタと出発しましたよ。

バスの乗り換えで電車の駅を通過した時だった。
駅ビルの入口エントランスには、催事の出店が出ていた。

──大福…(ゴクリ)

冷蔵ショーケースの中には、チョコやらフルーツやら生クリームの入ったものやら、シーズンの桜餅やら。

「冷凍で2ヶ月くらい保存出来ますよ~」

呼び込みに足が止まる。

──いかん、いかん!今 買ったら、速攻 食っちゃうから!

腹の虫を抑えつつ、帰りに食えそうだったら、買おう。と、もの凄く ゆっくり通り過ぎた。

顎骨を削るから抜歯後は、どうしても 頬が腫れるらしい。

ご飯、食べられるのかな…

どんな状態になるやら、ドキドキしながら歯科○に到着した。
手術室に入る訳では無く、いつもの診察ブースの診察椅子の上での処置になる。

「よろしくお願いします!」

ブースの中には看護師さんが数人おり、周囲では着着と準備が整っていく。

緊張しますよ。

最初に血圧計を腕に巻き、クリップを指先に付け、ピッピッと波形が表示される心電図のモニター。

「○○さん、今日は よろしくね♪タバコ止められた?」

──ゔッ!!!

「そ…それが…まだなんです…スンマセン、スンマセン(汗)!」

ひょこっと顔を出された先生と ご挨拶。
もれなく禁煙も出来ず終いのまま。

もの凄~く、バツが悪かったです。

「今日は付き添いの方は いらっしゃるのかしら?」

「いえ、独りで来ました。母親が何か家に居ますけど」

もの凄~く、不思議そうな顔をされた。

家に居るのに、何で来ないんだろう?と、思われたに違いない。

「説明したようにウトウトしてる間に終わるから。怖くないよ」

「はい!よろしくお願いします!」

ちょっとね、見た時 無い 器具類が着々と診察台のトレーに並べれて行き、一体どんな処置に使うんだろう?って、ワクワクしてた。

「点滴しますね」

看護師さんが左手甲に点滴針を刺した。

そこなんだ~!

て、思った。

いや ほら、注射とかって、肩や肘の内側にしかした時 無いじゃん。

何でかな~、て思うに、上だと邪魔だからかな。
未確認ですが。

「では、ぼんやりする薬を点滴に入れるので、数を数えて下さい」

正直、睡眠薬を飲んでも眠くならないのに、麻酔でウトウトするとか半信半疑だった。

「い~ち、に~い、さ~ん…」

………………

「○○さん」

──ハッ!!!

誰かに肩を叩かれ気が付いた。

「終わりましたよ、大丈夫?怖くなかった?」

「──寝・て・た…!」

絞りでるように悔し文句が口から出ちゃいましたよ(遠い目)

「あはは、いびき かいてたよ♪」

MAJIKA。

ていうか先生、私が怖くも何とも思わず、寝てた事 気付いてたんじゃん。

も~、人が悪いなぁ~。

覚醒する薬を打った、との事で待合室へ。
ふらつきなど現れるかもしれない、との事で、完全に体が覚醒するまで30分程 待機した。

何あの、ウトウトする薬。超、欲しい。

だってスパッと眠れちゃったんだもん。そんな事 久しく無いんだもん。

後この覚醒する薬、合わせて欲しい。

気付かない内に右下親不知が消え失せていた悔しさに勝った。

右側の ほっぺた自体は麻酔がまだ効いているので、痛くもなんともない。
念願叶い、苦しめられ続けた親不知とも おさらば出来、気分は爽快である。

──腹、減ったなぁ。

もうね、何か食いたくて食いたくて仕方ない。

様子見の時間が終わり、再び診察台へ。
冷やし過ぎない等の注意事項を受ける。

「これね、抜いた親不知」

おおお、海老芋みた~い✨

シルバートレーに乗せられた、頭を かち割られ二分割された、親不知。

レントゲン写真で見たように、根っこが にょろっと一本になっちゃってる。

当たり前の事なんだろうが、写真そのままで感動した。

「持って帰る?」

「え?要らない…」

思わず本音で即答してしまったんだが、せっかく家に人が居るんだから、と思い直した。

「いや、やっぱ持って帰ります!母ちゃんに見せびらかそ~う♪」

──oh。

透明な小袋に入れてもらい、受け取った親不知には、切り取られた歯茎が ひとかけ残っていた。

自分から出たもの とは言え、ちょっと生々しい。

痛み止めとしてロキソニンが処方された。
私は親不知の炎症には効果が無かったが、生理痛や頭痛には良く効く。
今度は術後の傷の痛みである。

多分、歯痛とは別の種類の痛みだから、効果有るかも。

「ありがとうございました~!」

処方箋を受け取り、薬剤師さんから注意事項を聴く。
特に注意すべきは、胃が荒れかもしれぬ事。

「空腹時は避けて、食べられそうに無かったら、牛乳とか飲んでから飲んで下さいね。他にも お薬いっぱい飲んでるし、胃に穴が空いちゃうから」

「はい」

と、ロキソニンを買ったり処方された時には必ず言われるんだが、私、平気なんだよね。

鋼の胃。

胃だけは丈夫なんだ。胃だけは。姉にはめっちゃ驚かれる。
空腹時に飲んじゃっても胃には全く響かない。

あ、真似しちゃダメですよ。

痛みより胃炎の方がキツイ、という方も多く聞くので、牛乳飲んでから にして下さいね。

処方箋をもらい会計を済ませ、表に出れば日も暮れて。

…タバコ吸いたい。

バス停一個分歩いて、途中の公園で一服しちゃいましたよ…(遠い目)

駅ビル前では行きで見た催事の大福屋が まだ営業していた。

やった~✨✨✨

い、いちご大福 食べたいけど、流石に この口では、いちご は入らんか…

今思えば、ひとくち想定だったけど、別にひとくちで食べんでも良かったのでは。

帰宅しな食えるか分からんし、冷凍保存 出来るのは有難い。

生チョコ大福とレアチーズ大福と、桜餅を買った。

「桜餅は冷凍出来ないので、今日か明日中には召し上がって下さい」

何だと!?

まさかの事態である。
流石に次節柄、一度トレーに分けた商品を戻すのは しのびない。

…まぁ、食えるか。

調剤薬局は流石に閉まる時間だったので家のロキソニンで今日は過ごして、明日貰いに行くとする。

「ただいま~」

「ふにゃ~ん♪」

お出迎えのシロを またいで、居間に腰を据えるなり、私は大福の包みを開いた。

「母ちゃん、大福買って来た。母ちゃんの分も有るよ」

「え?アンタ、食えるの?」

「うん。お腹空いちゃった」

もうね、完全に腹減りスイッチON。

パクパクパクっと、3種類全部食べちゃったよ。

「母ちゃん、お腹空いた~」

「え!アンタ、まだ食うの?」

食べられなかったら と思い、ヨーグルトを買い置きしてあったが、固形物が食いたい。

「え~、食えると思わないから(汗)」

母親も母親で、豆腐やレトルト粥ばかり買って来てた。

猛烈に肉を食いたい。

まぁ無いものは仕方ないので、コーンスープと豆腐グラタンと鮭粥を食った。

「まだ食いたい」

「ちょっとアンタ、止めときなさいよ…」

母親にドン引きされるほど、食欲の権化と化した、私。

後も結構、食べましたよ。

もの凄く口は開きづらく、ご飯の途中で麻酔が完全に切れたか もの凄く痛くなって来たけど、ロキソニン飲んで休憩を挟みつつ、まだ食ってた。

だってさ、たった一本 親不知が失せただけなのに、有頂天だったんだもの。

「──あ。ヤバ、傷開いた」

「だからアンタ本当に馬鹿ね!どうすんのそれ(汗)」

狼狽する母親をよそに、鞄から貰ってきた注意事項の用紙を出し一読。

「脱脂綿てコットンで良いのかな?」

コレ、独り言。

母親が返答したかも覚えとらんが、流しで口腔洗浄液を含み ゆっくり首を回して濯いで、化粧用のコットンを一枚丸めて歯茎の傷跡に噛んだ。

流石に血の味が滲めば、お食事ストップ。
我ながら、阿呆な事したと思う(遠い目)

「母ちゃん!見て、見て!」

貰って来た親不知を母親に見せびらかせた。

「ひいぃ!嫌だ、歯茎付いてない!!? コレ!!!」

「うん、付いてる(笑)」

母親をビビらせられて、満足です。

ところで、親不知って、何ゴミなんだろう…??

⑪に続く──

積年の親不知⑪

おおお✨縫われている!!!

強く口を濯いだり、傷口を舌でいじったり しないように、との事だったが、どうなっているのかは気になるもんで。

1cmくらいしか口が開かんのだが、鏡で傷口を見てみた。
右下奥の歯茎には、黒い糸が玉結びになって、ちょんちょんちょんっと、5箇所程。

ほっぺたは晴れて熱を持っていたので、冷えピタを絶えず貼って過ごした。

氷でガッツリ冷やしたい…

思いはせど、冷やし過ぎは良くないらしいので、我慢我慢。

「じゃ、母ちゃん帰るから。アンタちゃんとライン返事しなさいよ」

「あ~い」

返事だけである。

母親は3日間滞在し、帰って行った。

あの人、何しに来たんだろう…

と 思ったのは、内緒だ。

せっかくだから、ご飯 用意して貰ったり、薬を取りに行ってもらったり、冷えピタとアイスノン買って来てくれたり、散々 甘えさせてもらいましたがね。

ぶっちゃけ、思った以上に自身は元気で、全部 自分で出来たと思う。
コレ、内緒ですよ。

抜歯後の痛みは そこそこ有ったけど「親不知が無~い!ひゃっは~!!!」ていう、アドレナリンが絶えず出ていた。

開放感がパない。

そして、変わらずタバコもパカパカ吸ってた。

そして、一週間後──抜歯日である。

「タバコ止めた?」

──うがッ!!!

「…ま、まだ…吸ってます(声小)」

「あはは、都合が悪くなると歯切れが悪くなる(笑)」

先生、上手いこと言うな。歯医者だけに。

お口は大きく開かなかったけど あ~ん して、ピンセットとハサミが入って来る。

「ちょっと、チクッとしますよ」

バツンッ

うおッ!!?

ひとつひとつ糸の結びが切られ行き、ピンセットで取り除かれる。

誤記
抜歯日 ✕ → 抜糸日 ○ (他)

そんなに痛くは無いんだが、あ、何か取られてる…て、感じる。

「…あれ?」

先生がミラーで口の中を確認し始めた。

「あれ?あれ?糸が一本 足らない」

MAJIKA。

「取れちゃったのかな。まあ、問題無い問題無い(笑)」

アレかな。初日の ご飯で傷開いた時、一緒に食べちゃったのかな…

何となく、遠い記憶にニャンコらの避妊手術をした時、ばっつんばっつん引き千切っちゃって 抜糸代 掛からなかったのを、思い出した。

「うん。傷は綺麗に閉じてるね」

口の中を消毒してもらい、抜糸完了。
小ちゃい傷だけれど、糸が無くなっただけで、幾分か楽になる。

「本当に、ありがとうございます(感涙)✨」

本当に、本当に✨何と感謝のしょうもない✨

「左下の親不知は、抜く方向で いいのかしら」

「よろしくお願いします!」

速答した。
左側は大して疼いてないが、痛くなってからじゃ遅いんだもん、親不知。

半年後に左下の抜歯計画をする運びとなった。
ロキソニンを追加処方してもらい、月イチくらいで半年後まで通院する。

いやもう、暴れ親不知が無くなって何が嬉しいかって、何でも好きなもん食えることに尽きる。気兼ね無く。

しばらく硬いもの避けてたからな~…

スルメが食いたい。

猛烈にスルメが食いたい。

早速、Amaz○nさんに大袋 発注。
1kgくらいの欠け品 徳用袋だったかな。
エンペラ多めに入ってるやつ。

スルメ、ウマー✨♪!

昼のワイドショーみながら、ひたすらスルメかじってた。

弱り切った顎には良い運動だ。

鍛え直して塊肉食うぞ~!って意気込みで、スルメをかじり続けた。

翌月。3袋目を開けた位だったかな。

んん…??

何だろう、コレ…歯の中が痛い(泣)

下顎に響く痛みは、親不知が生える時の炎症に似ている。

舌で触ると、右外側の歯茎がプクッと腫れている。

当然 もぐもぐなんか出来ず、スルメは半分くらい冷蔵庫に封印した。

ううう…あと一週間くらいで予約日だから…

その時に相談、なんて思い、冷えピタを貼り、ロキソニンを飲み しのいだ。

なんだが。

右顎の痛みに、季節は梅雨入り。
体が悲鳴を上げてしまった。

あぁ…ダメだ…

せっかくの予約日をキャンセルした。
何回か、キャンセルしたと思う。

パン食に戻し 右側を使わないようにし、自然に頬の腫れは治まった。
なので、特に急がなかった。

久々の歯科○再予約日。
一応、事後報告として先生に伝えた。

「ダメだよ!そういう時は早く来なくちゃ!」

ご想像通り。
お叱りを、受けました。

「腫れるって事は、中で菌が繁殖してるんだから!
消毒しないまま傷が塞がっちゃったら、中に菌が残ったままになっちゃうんだからね!」

MAJIKA。

「傷が塞がっちゃったら、また切開して中を消毒し直さなきゃならなくなるんだよ!」

oh…

一応「消毒するから」と、大きなシリンジに入った消毒セットを用意してくれた。

「ううん、ダメだ!もう綺麗に塞がっちゃってる!」

皆様は抜歯後に不具合起きたらば、何が何でも、歯医者に行って下さいね。

「タバコも、まだ吸ってるでしょう。ダメだよ。炎症も起こすし、傷の治りも遅くなるんだから!」

「──あ゙い゙(声小)」

どうやったら、止められるんでしょう…(遠い目)

なんだろう、こういう中毒性の有るものハマり易いんだよな。
カフェインとかアルコールとか鎮痛剤とか。
心が脆弱なのかな。
おっと、脱線しとる。

とりあえず、その時は痛みも歯茎の腫れも治まっていたので、経過観察になった。

ある時の通院日。

「タバコ止めた?」

「…ま…まだ吸ってます(声小)」

毎度お決まりの やり取りだが、いつでもバツが悪い。
止められんのだ。

小さくなっていると、先生が笑いながら仰った。

「もうね、○○さんの事は解った」

…え?

「そうやって自分で自分をイジめて、後になって苦しむんだよね」

──せ、先生(感涙)✨✨✨

未だかつて、ここまで私を理解した他人が居ただろうか✨

先生が言いたい事は違うかもだけど、コレね、マジで感動したんだよ。

コ○ナ渦になってから長いこと、母親としか真面に会話してなくて、色んな ごにょごにょが溜まりまくってて、もの凄く窮屈だったんだ。独り暮らしの筈なのに。

心も体も これ以上、何かを我慢するなんて出来なかったんだ。

おっと、これは『母親は、アレ』な話であったな。

ただの、言い訳だ。

── 一度、先生と お茶してみたい。

先生の細くてシュッとした足を眺めながら、そんな事ばかり考えてました。スンマセン!

今では精神的にも落ち着いている。

え?右歯茎はどうなったか、ですって?

甘いもの食べたり硬いもの噛んだりすると、未だに時折、不具合起きます。

これは、一度 歯医者行かねばなぁ…(遠い目)

⑫に続く──

父親も、アレ⑥

父の日って、いつだったかな~…もう過ぎちゃったかな?

なんて検索したら、まだまだ先でした。

あの人、確か乙女座だったよな~…??

私は父親の誕生日すら覚えていない、薄情者です。

でも、何かあった気がするんだがな~…???

よくよく思い出してみれば、仮命日が今日でした。

いつか姉に託した、父親の財布。
詳しくは『ホラーハウス③』を ご参照下さい。

姉が持て余しちゃっている、と 去年 聞いていたので、我が家に送って貰うことにしました。

まだ、ジ○プロックに入ったままだそうです。

いつか、フ○ブって ぬらっと したままで、開封しとらんそうです。

怖いです。

そんなもんでも、数少ない父親の形見。
リモコンよりはマシだと思います。

カラーボックス一角の ご位牌とピンぼけした顔写真の簡単な仏壇。
隣のシロの お骨が少し低いので、父親の財布を下に敷いて高さ調節に使おうと思います。

封印を解くのは、いつか で良いや。

そんな風に考えておりました。

ざっくり姉との やり取り。

『中全く開けてないけど、見た目は大丈夫よ』

見た目はな。

『あと、匂いね』

「匂いな」

『こんど教えてね』

──何だと!!?

どうやら姉は私が開封する事を心待ちにしているようです。

『まあ、父ちゃんだと思えば、汚いもんじゃないし』

他人事だと思いやがって…

と 思ったのは、内緒です。

こういう体を張るのは私の役目でありますから、あ…開・け・る…かな~(遠い目)

え、どこで開ける?

臭い出るかもだと居間では嫌だし、風呂場かベランダ?

いや~、屋内は嫌だな~…

だが ベランダで、もし臭いキツくて異臭騒ぎになっても困るよな…

悩みどころです。

開封する。と決め、届いた小包の上から鼻を近付けてみました。

──なんか、臭ってる(引)

先入観から来る幻臭かもしれません。

ピリピリッと封を千切り、中を嗅いでみました。

──臭ってますけど(泣)!!!

あの、脳裏に焼き付く香りが、ぷぅん。

私は小包の封を二つ折り込み、さらに角を折り、バタバタッと小走り、ガラッと風呂場の戸を開き、ポイッと包みを放り込んでガラガラッピシャッ!と締め切りました。

タバコをくわえてベランダに出て 呆然と煙をくゆらし、平静を取り戻そうと思いましたが、動悸は なかなか治まりません。

──嫌だな。

開けたくないな。
と 思ったのは、内緒です。

一度 鼻に残ると なかなか消えないのが、死臭。

なんか自分からも香っている気がして手を嗅いでみたら、細胞レベルで染み込んでいる幻臭がします。

お除菌シートで めっちゃ手を拭いちゃいましたよ(遠い目)

──どうしよう、アレ。

隔離したくて風呂場に放ってしまった以上、お風呂に入れません。

ですが、すっかり心はへし折れて。

ツイートしてから占い見たり、エロ記事読んだり、ネ申達の動画や配信を観たり、グダグダ~ゴロゴロ~現実逃避してました。

あー…そろそろ日付け変わっちゃうな…ていうか、眠くなってきちゃった。

仮命日中に済ませてスッキリ眠りたいところです。

──やるか。

私は、起き上がりました。

線香を焚き、父親の ご位牌に合掌。

父ちゃん、私、開けるよ。
私に、勇気を──!!!

でもまぁ、素手で作業する勇気は有りません。

ビニール手袋2枚、使ってない靴干し用のハンガー、ファブリーズを持ち、風呂場の戸を開きました。

くッ…!!!

ほのかに立ち込める香り。

姉ちゃん、よくコレと生活してて臭い感じなかったな。

と 思ったは、内緒です。

私が人より鼻が良いといいますか、鼻が利き過ぎるだけの事。

風呂場に閉じこもりビニール手袋を嵌め小包を開き、深呼吸。

「…えいやッ!」

勢いよくジップ○ックの封印を解きほどき、そのまま中を香ってみました。

──うぇえん、臭いよぉ(泣)!

臭かったです。

でもまぁ、昔 嗅いだ時程では無いかな。

財布を取り出し、嗅いでみました。

──あれ?

父ちゃんの匂いがする。

鼻が死臭に慣れて本来の匂いが嗅ぎ取れたのか、思慕から来る幻臭かは定かではありませんが、確かに懐かしい父親の匂いがしました。
ですが。

それはそれ、これはこれ。

靴欲しに2つ折りの財布の耳を挿し、めいっぱい、これでもか!と、フ○ブりました。

この臭いは直ぐ密封しては、もとのもくあみ。

数日 風に通し、少しでも軽くしてから封印しようと思います。

どうも臭いの強いのは中身では無く、外側のビニール袋のようです。
そういえば あの時、中身はめっちゃフ○ブったけど、外身のジップ○ックはフ○ブらなかったな(遠い目)

外身は新しくして、コレは捨てよ。

捨てますが、めいっぱいフ○ブって、ビニール手袋を外しながら掛けて掛けて二重にして、ギュッと手首を結びました。

洗面台に財布を吊り下げて、作業は終了。

──そして、今朝。

どんなもんか、と 様子を嗅ぎに風呂場に入れば、やっぱり根強い残り香。
財布も、父親の匂いは無く、どう嗅いでも、死臭がします。

ですが 少しマシな気がするので、中身を検めてみました。

見るは最期のレシート。

──あれ?

記憶していた日付と、一日ズレてました(遠い目)
https://x.com/yukipochi_2022/status/1661582556595355648?s=20

あっれー??? おっかしいなぁー(汗)???

よくよく思い出してみる、仮命日を決めた時の事。

火葬から一年後の納骨の日。

それまで命日を書かねばならん書類や手続きでは、日付無記だったり“下旬”と記載してきました。

命日が無くとも案外と まかり通るものです。

墓石裏にも命日は彫られていません。
納骨するのに骨壷を墓地の窓口に預けた時。

手続き書類に記入をして、命日は空欄で持っていきました。

案の定「命日の記入を~」と言われたので、いつも通り「命日が不明なので、下旬 とか 20日~31日の間、とかでも良いですか?」と返しました。

「“この日”っていう日付は決めてもらわないと(汗)」

管理システム上、命日欄に数字しか入れらんないタイプのやつかな。

なんて勝手に推測し、その場で適当に決める事になりました。

最期のレシートの日付が “23日”だったから、この日まで生きていたとして、翌日でいいや。

この時、既に記憶違いを起こしていたのですよ(遠い目)

さかのぼった、記憶。
姉と大騒ぎしながら 父親の遺留品から財布の入ったジップ○ックを開いた時、一瞬 見ただけの、速攻 封印したレシート。

父親ゆずりのド近視に、進む老眼。

加えて私の細部が薄らぼんやりとした ピンぼけスライドショーのような記憶力では、細かい文字が記憶されていなくとも、不思議ではありません。

というのは、言い訳です。

父親の仮命日を使ったのは この時だけで、きょうだい間でも共有してない気もするので、まぁ、問題無い問題無い(笑)

ていう、適当加減です。そんなもんです。

どこまでも親不孝者ですね、私(笑)

父ちゃん、最期の お小遣い、ありがとー♪
何 買おっかなー♪

⑦に続く──

一家全員、アレ

父親の納骨で思い出したので。

父親の没約一年後、桜吹雪の舞い降りる中、納骨は しめやかに終了した。

遠路を往復する私の体調を慮り、姉が帰路中腹の温泉街に一泊しよう、と発案してくれた。

温泉✨入りた~い✨浸かりた~い✨

あの温泉街には、ちょっぴりアレな想い出も有るが姉が予約してくれた部屋は、和室で豪華に露天付き。

えっ!?良いの!?

大浴場も良いですが、広い旅館の屋内を杖ついて何度も往復する労力要らず。

「やった~✨行くいく~♪」

旅費も姉が持ってくれるって言うし、飛び付かない筈が無い。

親族や母らと別れ新幹線を途中下車。
駅前の足湯はスルー。

ふおお、旅館だ~✨

チェックイン時に部屋に用意されている浴衣がMのみ、ということで、色んな浴衣の中からLサイズの好きな柄を二人して選んだ。

ふおお、大部屋だ~✨

中居さんに案内された部屋は、大きな床の間の付いた、修学旅行でしか入った時の無い十畳程の和室。

ココに二人って贅沢じゃね?

大ガラスから覗くは、小ちゃな枯山水に、小ちゃく岩で囲われた掛け流しの温泉。

おおお✨✨✨

広縁に脱居間が付いていて、直接 掃き出し窓から出入り出来る。

ちょっぴり、エロい…

と 思っちゃったのは、内緒だ。

温泉水は熱いらしく、外に水を入れる水栓が有り温度調節出来る、と説明を受けた。

「喫煙所、どこですか?」

これ、禁煙ルームでは最重要確認事項。

旅館の入口を出たところに灰皿が用意されている、との事で一安心。

座卓に用意された お茶を煎れ、茶菓子を頬張りながら、まったりまったり。

「○○、ココ行こ!ココも行こ!」

始まるは姉の観光プラン。

え~…動きたくない。

完全に座椅子に根っこが生えちゃった。

「姉ちゃん、独りで行ってきなよ」

「え~(汗)」

いや だって ほら、私、完全に休憩するつもりでいたからさ。

折角 良い お部屋なのだし、まったり旅館で過ごすだけでも良いんじゃないかな、と思っちゃう。
こういう旅先の女の人って、元気ですよね(遠い目)

宿泊プランは素泊まりだったかな。
多分、姉の予定では観光して、晩御飯お外で食べるつもりだったんだと思う。

「ご飯、どうする?」

「適当にコンビニ弁当で良いや。ついでに買ってきて~」

いやホント、我ながら酷い回答だったと思う(遠い目)
いつもと変わんないじゃん。ねぇ。

出る前に、姉が押し入れから布団を出して敷いてくれたので、グダグダ~ゴロゴロ~ボケ~、と寝っ転がって過ごした。

先の二日間、母姉親族 誰かしら共に居て、気疲れしちゃってたのも、まぁ有る。

あ~…独りって、最高。

静かな部屋で目を つむれば、耳に優しく岩清水。

もんの凄~く、癒される。

数時間後──

もの凄い存在感を放ちながら、フロント前を往復 通り過ぎるのは、ちょっと恥ずかしい。

お部屋に戻って、バスタオルと手拭いと浴衣を持ち、広縁の脱居カゴに入れた。
ポイポイッと服を脱ぎ、メガネを外して、掃き出し窓を開ける。

おおお✨温泉の香り~✨

桶を拾って、岩風呂の前にしゃがんだ。
大浴場じゃないし、気兼ねなく掛け湯だけして、ちゃぽーん と入っちゃおうと思う。

ざばっ

──熱゙ーッッッ!!!

熱湯だった。

いや、無理無理!コレは無理!

確か、中居さんが水を足す弁が どうのこうの 仰ってたな。

岩風呂の周囲を見回すが、眼鏡 置いてきちゃったから、何にも見えない。
目を凝らして凝らして、ようやく、岩風呂の斜向かいに 小さな木板の立て看板が見えた。

あ、あの裏かな。

でも、どうやって行く???

私と看板の間には、湯気立つ熱湯風呂。
囲う岩場は湿っていて、私の足で歩いて伝うのは転落しそうで怖い。

ううん、どうにか腕で伝って、伸びれば、行けるかな…?
岩風呂は2人か3人 入れるくらい。

私は岩伝いに体を橋がけ、進んでみた。

──今、この瞬間、他に誰か居たら、絶対、

「押すなよ!押すなよ!」

て、言いたい──

そんなね、独り熱湯風呂を体験しましたよ。

意外と距離が有り、橋がけで対岸へ辿り着くのは、無理だった。

戻れもしない(遠い目)

えええ~…どうしよ…

しばらく そのままの姿勢で考えたけれど、腹筋の方が先に潰れた。

ボチャンッ!

熱゙ーーーッッッ!!!!!

熱湯風呂に、足が落ちました。

うええん、熱いよぉ(号泣)!

まあ、落ちちゃったのは致し方ないので、そのままジャバジャバと湯を切って歩む事にした。

ようやく対岸に たどり着き、看板裏の目立つ赤いバルブ をひねってみた。

掛け流れる温泉水が増えたので、水が出たのかな、と思い、落ちる温泉に手を かざしてみた。

──あっれー?いつまでも熱い気がすんなー?

もう少しバルブを ひねり、若干 熱湯に慣れつつあったので、腰まで湯に浸けてみた。

熱゙…

…………

無理ーッ!!!!!

熱かったです。

肩まで浸かるだなんて もってのほか。十秒も耐えられん。
慌ててジャバジャバ温泉から上がった。

ひいぃ~!タライに用意された氷が欲しい~(焦)!

部屋明かりに照らされ見た足は、浸かってた部分だけ くっきり濃いピンク。

…冷めるまで、待とう。

直ぐに温泉に入るのは諦めて、私は 部屋に戻って体を拭き、浴衣を羽織るだけして帯びしなかった。

熱~…

前全開のまま畳にゴロンして、自分が冷めるのを待った。

「失礼しま~す!お布団敷きに来ました~!」

──ぎゃあああッ!!?

運悪くと言いますか、すんげぇラフい格好の時に仲居さんご到着。

しまった~!帯 脱衣カゴだ~!

慌てた慌てた。

立ち上がって浴衣の前を合わせ、腕を組んで誤魔化し、注意を私から そらした。

「ごめんなさ~い!お布団 勝手に出しちゃったんですけど!」

「大丈夫ですよ~♪」

仲居さんがパッとお布団にしゃがんだ瞬間に、後ずさりして広縁の椅子に座った。
手ぎわ良くピシッパシッと巻かれるシーツを見ながら思う。

危っぶね~(汗)

あとちょっと間がズレてたら、独り熱湯風呂を背後から赤の他人に見られていたやもしれん。

「ありがとうございました~!」

「どうぞごゆっくり~」

仲居さんが はけるのと入れ違いで、独り観光を終えた姉が帰って来た。

「温泉、入った?」

「いや、それが熱くてさ~、まだなんだよね。今、水入れてるとこ。そろそろ良いんじゃないかな」

姉も入りたいとの事で、お先に譲り、私は空いてる畳に再びゴロン。

そして──

「○○!!! 熱湯なんだけど(汗)!!!」

素っ裸で姉ちゃんが出てきた。

「マジで?壊れてんのかな」

こういう時は、聞いた方が早い。
私は内線の受話器を上げ、フロントに電話した。

あ、やべ。私まだ帯してないじゃん(汗)

直ぐに駆けつけてくれた仲居さんが岩風呂を確認しに行ってくれた。

再び腕を組んで誤魔化しながら、大ガラスを覗き説明する。

「あの奥の赤い栓、ひねってみたんですけど…」

「あ!あれは!」

仲居さんは身軽に ひょひょい、と湿った岩場を小走り、赤い栓を回した。

「これはね~、お湯の栓なんですよ~(笑)」

「あ、だからか~!」

「水の栓は、こっちです」

仲居さんが教えてくれた止水弁は、掃き出し窓の横の隅。

でっかく青字で『水』て書いた板が提がっていたが、部屋からは死角。加えて夜間照明では暗がりになってしまっていた。

くぅぅ…眼鏡掛けてれば見つけられたかもなのに…!

めっちゃ恥ずかしかったです。

仲居さんが水栓を捻ると、掛け流れる温泉の中腹からドバドバっと柱状に吹き出す、冷水。

「おおお✨面白~い✨」

アトラクションみたいでした。

「…アンタこれ、LLって書いてあるよ」

マジか。

どうやら浴衣を選んだ時に、間違えてLの隣のLLサイズを持ってしまったようです。

もうね、面倒なので部屋に用意されてた旅館ロゴのMサイズを、つんつるてん だけど着ましたよ(遠い目)

温泉も ちょうど良くなり姉が入ってる間に、一服しに出掛ける。
つっぺたし、つっぺたし。

フロントは夜間体制が、つい先程 水栓を教えてくれた仲居さんが一人。

何で、浴衣 違うんだろう。とか、思われてたら嫌だな…

気恥ずかしかったです。

部屋に戻り、ようやく一風呂。

ふいぃ~✨

お肌、しっとり♪良いね、温泉!

…私に温泉レポを期待しては、ならぬ。

「姉ちゃん!冷蔵庫のビール呑んで良い!?」

「も~、今日だけ特別だぞ」

「やった~✨♪!」

湯上りにキンキンに冷えたビール、最高でした✨

カシュッとタブを上げて、ゴクゴクッと喉を鳴らしながら、私は座卓のリモコンに手を伸ばした。

ポチっとな。

パッと点灯した画面に表示されたのは──

『B-CASカードが刺さっていません』

何だと!!?

いや まさか、いつか見たばかりの文句を、出先で見る事になるとは思ってませんでしたよ。

「え~、接触でも悪いのかなぁ(汗)?」

大きなテレビをズラして傾け背面を覗き込んで見る。

差込口の上には、覆うようにされたプラスチックの網状カバー。
カード自体は刺さっていそうだったけど、カバーがしっかりネジ止めされてて、しばらく格闘したけど どうしようも出来ない。

「え~…」

そこまでテレビが観たいかと言えば、別にそうでもないんだが。

──不具合に気付いておきながら“知らぬ存ぜぬ”だなんて…出来ねぇ。

私は再び、内線の受話器を上げた。

勿論、説明書と工具 片手に駆けつけてくれたは、先程の仲居さん。

ひょっとして、夜間は お一人体制だったりするのかな(遠い目)

程なくして、映像の出たテレビのチャンネル確認までして下さる徹底ぶり。

「何度もすいませ~ん!」

「いえいえ、どうぞごゆっくり~(笑)」

仲居の鏡だな✨

あ~、気疲れが酷い…

一服してから、寝よ。

つっぺたし、つっぺたし。

複雑な笑顔の仲居さんに、一礼。
多分もうね、足音で私だって判別出来ちゃってたと思う(遠い目)

もの凄~く、バツが悪かったです。

…これだけ何度も長い廊下を往復するんなら、喫煙ルームで大風呂 行くのと、大差無いな。
と 思っちゃたのは、内緒だ。

折角なんで 翌朝、久々に姉ちゃんと並んで、きょうだい風呂。

──こういうの、どうせならカップルでやりたい。

と 思っちゃったよ、マジで。

荷物をまとめるのも、私は二泊だったし ほぼ手ぶらなんだが、姉の荷物量がハンパなくて、ボケ~ッと姉待ち。

「お待たせ」

「うん。お忘れ物は、ございませんか?」

私の台詞に、姉は荷物を指差し確認。

「うん、大丈夫!」

「じゃ、行こか」

チェックアウトして駅に向かう道すがら、名物のプリンでも食べようか~、なんて話をしてた。

その時だった。

「──あ!!!」

姉が道のど真ん中で立ち止まった。

「○○~!財布 忘れてきちゃった(汗)!!!」

「ええ~ッ!!?」

私ちゃんと確認したのに…

「いや でも 姉ちゃん、さっきチェックアウトの時 財布 出てたよ」

「そっちじゃなくて、大きい方!新幹線の券も入ってるやつ!」

ええ~…

それが無ければ流石に帰れんので、ぽてぽて旅館まで歩いて戻った。

どうにも部屋の貴重品金庫に入れて、そのまま出てきちゃったらしい。

フロントで説明すると、部屋は清掃が入ってしまい、お忘れ物は本館側のフロントに行かねばならんらしい。

「ごめんよ~、ごめんよ~」

「別に良いって良いって、気にしないで」

坂道多い観光街をグルっと回って歩って、本館へ。

おおお、本館側はホテルなんだ~!

事情を説明に行った姉と離れ、ロビーの椅子は混雑していたので 入口近くでシルバーカーに座り、無心でボケ~ッと天井の飾りを眺めてた。

「○○~、今 探しに行ってもらってる。ごめんよ、ごめんよ~」

「いや、良いって良いって」

始終 申し訳無さそうな、姉。

「待たせて、ごめんよ~」

いや、私「良い」って言ってんじゃん。
一度 良いって言ってんだから、もう 良いんだよ!謝んなよ!

ゆるしてるのに謝罪されるのは三度まで。

逆にイライラしちゃったのは、内緒だ。

小一時間 待機したかな。

「姉ちゃん、先歩いて」

坂道をゴロゴロとキャリーケースを転がす姉に追従して、シルバーカーを押し歩く。

だら~ん と伸ばされたキャリーの柄はMAXで、シルバーカーが引っかかりそうで引っかかりそうで、めっちゃ歩きにくい。

毎回 思うが このキャリー、何とかならんかなぁ…

どうしたら邪魔にならずに運べるかな、なんて考えながら足元ばかり見ていた時。
姉が突然立ち止まった。

「○○!道間違えたかもしれない!」

「…ええ~ッ!?」

姉がスマホで出してる地図を一緒になって覗き込む。
クルクルと道に合わせて回転されるスマホ。

あっ、あっ、姉ちゃん、止まってくれないと地図がよく分かんない(汗)

「多分、この道真っ直ぐなんだけど…」

姉が指さす先は、なかなかな傾斜の果てが見えない上り坂。

「○○!ここで待ってて!ちょっと上見てくる!カバンよろしく!」

あっ!? ちょっと、姉ちゃん!!?

呼び止める間も無く、坂道を走って行ってしまった、姉。

──姉ちゃん、よくあの体型で全力坂 出来るな。

なんて思い、姉の背を見送った。

「え~…ここで待てっ言われても…」

地図に夢中で気付いてなかったけど、取り残されたのは 裏車道の交差の ど真ん中。

ヤバヤバ、車 来ちゃう(汗)

シルバーカーと姉のキャリーを引きずり道の端に移動して、思う。

どこで待てと…

見渡す限り坂道。
シルバーカーを停めて座るには不向きな地形。
どうにか かたわらの駐車場の自動販売機にシルバーカーを支えてもらって、座り込んだ。

姉ちゃん、気遣ってくれるのは有り難いんだけど、時と場所を考えようよ。

しばらくボケ~ッと、帰って来ない姉を待った。

まあ こんなことがあっても、美味しいプリンを奢って貰えば、すっかり機嫌は戻る訳で。

あ~…タバコ吸いたい…

新幹線では大して時間無いし、喫煙ルームには行かずに座席に座って姉と談笑。

駅に着いたら、ご飯食べよう、て話になった。

終点駅に着いた頃には、すっかりヤニ切れ。

失敗した…新幹線のホームで喫煙所に寄れば良かった…

改札出ちゃってから、気付いたんだよね(遠い目)

「姉ちゃん、私 一服したい」

もうさ、ソワソワしちゃって、さっさと歩いて見かけた改札から外に出た。

──ここ、どこだ。

八重洲側だったら喫煙所の場所知ってたんだけど、ウッカリ出ちゃったは丸の内側。

え~…全然、分からん(汗)

「おまわりさ~ん!」

見かけた派出所に飛び込み道を聞く。

あんまり素っ気なかったかなぁ…

とは思いはせど、流石に連続3日間アレな人達と一緒だとか、正直シンドくてね。

私、本当に協調性が皆無やわ…

ぽてぽて喫煙所に向かい100m程 歩いた辺りだろうか。

「──○○ーッ!!!」

!!?

名前を呼ばれ振り返れば、全力ダッシュで追いついて来た、姉の姿。

「うえッ!!? 姉ちゃん、どうしたの!!?」

「はぁっはぁっ…これ…」

息を切らして姉が差し出してきたのは、姉のカバンに隙間が有るからって入れてもらってた、お洗濯物。

ええっ!!? コレだけの為に わざわざ走って来たの!!?

こんなの次に会う時とか ついでで良いのに…ついでに適当に洗濯してくれ。
思いはせど、走って追いかけてくれた想いは無下には出来ない。

めっちゃ不安そうな顔されてるし…

「姉ちゃん、折角ここまで来たから、ご飯 食べに行こうか」

ぱああっと笑顔になる、姉。

「うん!」

…こういうの、トレンディドラマでやるシュチュエーションなのでは。

と思ったのは、内緒だ。

「でも その前に、喫煙所 寄らせてくれ」

こうして、姉を待たせて一服して、駅ビルのレストランで肉とソーセージとワインを奢ってもらった。

めっちゃ美味かった。

──え?そうですよ。
ご飯に誘ったのは私だけれど、支払ってくれたのは勿論、姉です(笑)

姉ちゃん、何もかんもゴチでーす✨♪!

結構 歩いてしまったのも有り、駅のホーム ウロウロすんのも乗り換えすんのも面倒臭い。

そういえば本数少ないけど、家の前まで来る高速バスがあったっけ。
帰りは楽々、のんびり独り旅。

──こういう旅先の微妙なすれ違いの積み重ねが、ハネムーン離婚に繋がるんだろな。

悟りが、拓けましたよ。

いいなと思ったら応援しよう!