アイディアは、このように育てる
◇最初の書き出し
アイディアを育てるのは、挿し木のようなもの、あるいは苗木を育てていくようなだと思っています。
最初の書き出しは音声メモである場合が多いのですが、紙に書く方が簡単な場合もあります(例えば、食事の時、会議の最中、人と面談しているときなど)。
ただし、紙に書いただけでは、後から処理するのは大変です。また、すぐに紛失してしまいます。乱暴に書いたものは、後になって読めなくなる場合もあります。
そこで、紙に書いたメモは、できるだけ早く音声入力します。
最初は全くの星雲状態、混乱状態であることが多いので、自分だけのメモにせざるをえないでしょう。「超」メモ帳に、1月づつ程度で「アイディアメモ」のページを作るとよいでしょう。
以下に述べる「ビルディングブロック」ができて公表できる段階になれば、「アイディアメモ」のページからは削除します(削除するのが面倒なら、そのままであっても構いません。ただし、「処理済み」であることが分かるようにしておくのがよいでしょう)。
◇ビルディングブロックの大きさは?
論述の最小単位(ビルディングブロック)はどの程度の分量でしょうか?
明白に言えることは、140字では少なすぎることです。
独立した主張や指摘になるためには、最小限500字程度が必要です。また、1500字程度を越えたら、別のビルディングブロックにするのがよいでしょう。
これは、書籍で言えば、章、節の下のまとまり(通常、小見出しを付ける。これを「項」ということができる)。
140字程度のものだと、それを育成していくのが難しいのですが、500字程度以上のものであれば、それを下記のように公開することによって育成していくことが可能です。これは苗木が太陽にあたって生長していくようなものです。
◇途中過程を公開することの意味
見られることの意味。人は高い地位につくと、偉くなります。偉い人が高い地位に就くのではないのです。
なぜ偉くなるのか?それは、人に見られるからです。見られるから、偉くならねばならぬと、努力するのです。
ゲーテも読者を意識したと言われています。ましてや、我々が意識しないわけにはいきません。
noteに公開することによって、読者を意識します。
また、当該テーマがどの程度の関心を持たれているものかを知ることができます。
ただし、「いいね」の数などに振り回されるのは、考えものです。
◇公開してから変えることもある
アイディアは一定期間、「寝かせる」(熟成させる)必要があります。いままでは、これは非公開のままで行なっていたのですが、上記の過程では、公開してから熟成させることも可能です。つまり、公開しながら、それについて考えを巡らせ、内容を発展(あるいは変更)していくのです。
最低500字程度のビルディングブロックなら、考えがまとまって固定されているので、発展が可能なのです。
こうしたことは、印刷物では行ないにくいことでした。ウエブであっても、いったん公表したものを変更するのは必ずしも容易ではありません。
noteという柔軟なものであるために可能になった方法といえます。
◇書籍や報告書の構成
すべての書籍、または報告書は、次のような構成を取ります。これらのどれもが必要なものです。
・はじめに
・目次
・本文
・索引
「はじめに」に書くべきこと:
・なぜ書いたのか?何を目的として書いたのか?狙いは何か?
・想定読者
・これまでの書籍との違い。新しい点。
・本文の構成と概要