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「超」書く技術 : 全文公開 第1章の2

「超」書く技術 150字で人生を変える (プレジデント社)が4月20日に刊行されました。
これは、第1章の2全文公開です。

■02 メールの利用拡大で、文章を書く機会が激増した

●口頭から文書へ
 これまで、コミュニケーションの多くは、口頭で行われていました。日常生活でも、オフィスでの仕事でもそうです。遠くにいる人とは、電話で会話していました。
 文章を書く機会は、ごく限られていました。会社の仕事で報告書や企画書を書くのは、限られた数の人たちでした。日常生活で手紙を書くといっても、それほど頻繁に書くわけではありません。書くにしても、手紙より葉書のほうが多かったでしょう。
 ところが、この状態がこの20年ほどの間に大きく変わりました。インターネットの発達によって、メールやSNSなど、文章によるコミュニケーションが激増したからです。
 仕事の連絡は、電話よりは、メールで行う場合が圧倒的に多くなりました。
 また、最近では、在宅勤務の広がりによって、仕事の指示や結果報告を文書で行う場合が増えました。こうして、「口頭から文書へ」という大きな変化が起きたのです。

●「書く力」が誰にとっても必要に
 文章によるコミュニケーション能力は、これまでは、「誰にも必要」というものではありませんでした。ところが、いまや、それが誰にとっても必要なことになりました。どんな仕事をしていても、文章を書かざるをえなくなってきたのです。
 学校の科目でいえば、英語や数学や理科・社会は、誰にとっても仕事のうえで必要というわけではありません。いまでも、程度の差こそあれ、そうです。ところが、「書く力」、つまり文章によるコミュニケーション能力は、いまや誰にとっても必要な能力なのです。

●能力を示す指標としての文章の役割が、ますます増大
 それにもかかわらず、序章で述べたように、文章力が低下しています。
 したがって、正しく分かりやすい文章を書ける人と、そうでない人の格差は、これまでよりも拡大したと言うことができます。
 このため、能力を示す指標としての文章の役割が、ますます増大してきたことになります。
 もちろん、口頭でのコミュニケーションの場合でも、話し方によって、能力を評価されます。
 しかし、口頭の場合には、話したことはその場で消えてしまいます。ですから、のちのちまで参照されることはありません。これに対して、文章は残ってしまいます。このため、繰り返し見られることになりかねません。

書かないのはネガティブメッセージ
 文章を書くのを億劫と思っていると、メールを受け取っても、返事をするのが面倒になります。
 ところが、メールを出した側としては、何も返信が来ないと、仕事に支障が出る場合があります。それだけでなく、無視されたことに対して不愉快な感じを持ちます。
「なしのつぶて」は、相手を軽んじているという、負のメッセージになります。注意しましょう。
 電話の場合には、(録音メッセージでやりとりする場合を除けば)対話をするので、こうした問題は起こりません。これも、メールが使われるようになってから生じた問題の一つです。
 問われている内容について、できるだけ早く返答しましょう。それがすぐにできない場合でも、最低限、メールを受信したこと、そして、「できるだけ早く用件について答える」という返信をするよう、心がけましょう。


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