超整理日記(第796号)クッキーの威力
カナダ政府は、2018年12月ファーウェイの最高財務責任者(CFO) 孟晩舟氏をバンクーバーで逮捕しました。
保釈しましたがその条件として左足首にのGPS付きの機器が装着されました。外そうとしたり空港に近よったりすると、感知されて警察に通知が届くのです。
ゴーン被告の海外逃亡後、日本でもこのような装置を用いるるべきだという意見が出ました。
ところで、これと同じようなものを、私たち一人一人がインターネットを閲覧していると付けられてしまうのです。
◇ インターネット上の追跡装置:クッキー
われわれは毎日何度もスマートフォンを開いて、ニュースを見たり検索をしたりしています。このようなことをしているときに、われわれは知らない間に小型の発信装置のようなものを、知らない広告会社によって取り付けられています。
ニュースサイトを開くと、記事の横に広告が表示されています。その広告をクリックして開いたわけではないのですが、それにもかかわらず、その広告を出している広告会社から、小型の発信装置のようなものが私のブラウザに取りつけられてしまうのです。
その装置は、私が他のサトを開いても私を追跡することができます。
例えば、別のニュースサイトを開いたとき、そこにもその広告会社の広告枠があるとします。すると、私がそれを見ていることを感知して、私が関心を持っていそうな内容の広告が送ってきたりするのです。
これは「クッキー」と呼ばれるものによってなされます。これについての詳しい説明は、ここをご覧下さい。
◇ リクルート事件の本質もクッキーにあった
「クッキー」を使うとウエブ上の行動を追跡できるので、どのようなウェブサイトを見ているかの分析もできます。
そのような情報を総合すれば、私がどのような人間であるかも推定できます(正確には、「私が」ではなくて「このブラウザ使っている人間が」という意味ですが)。
2019年8月、リクルートナビから就職辞退情報が企業に渡っているとことが問題になりました。
辞退行動を予測できるのも、クッキーによります。
クッキーを発明したのは、ルー・モントゥリ。1994年に、ネットスケープ社のエンジニアであったに時に開発しました。
「クッキー」という名の由来は、フォーチュンクッキーと呼ばれる、中にメッセージが入ったクッキーです。
◇ 個人情報保護法の抜け穴
クッキーだけでは、ブラウザを使っている人の名前はわからないので、日本の個人情報保護法は、これを個人情報とはみなしていません。
しかし、知らない間にプライバシーが侵されているのは大きな問題であり、ヨーロッパのGDPRはこれを個人情報として規制しています。
またブラウザの側でも、クッキーを制限する動きが広まっています。
2020年には個人情報保護法が改正になりますが、ここでも、この問題が大きな焦点の1つになると考えられています。
しかしクッキーの利用が規制されることになると、広告業界に大きな影響が生じます。
それだけではなくニュースサイトのように広告収入に依存しているサイトにとっても大きな問題になります。
この問題がどのように進展するかは、多くの人に大きな影響を与えます。
◇ 井の頭公園の桜が咲きました。梅も見事です