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外国語の本も簡単に読める(Google Pixelを使う:その2)
Google Pixel 3は、書籍の文字をテキストに変換してくれる。
これを知ったとき、私は驚嘆した。
なぜなら、これこそ私が連日格闘していることに対する解答だからだ。
これを、これまで20人近い出版社の人に話してみた。誰もが驚嘆した。驚嘆しなかった人はいない。
多くの人が、「えっ本当ですか!信じられない!」と言った。なぜなら、その人たちも私と同じように格闘していたからだ。
これによって何ができるか?
まず検索が実に簡単にできる。本に書いてある言葉の意味を知りたいと思ったとき、これまでだと、PCあるいはスマートフォンを起動し、検索ウインドウを開き、その文字を入力するという作業が必要だった。
ところが、 Pixel 3を使うと、その文字を「レンズ」で映し、検索のボタンを押せば、すぐに意味を教えてくれる。つまり、シームレスで検索できるようになった。
病院で 血液検査の結果を渡される。沢山の項目が並んでいるが、いちいち調べるのが面倒なので、意味を理解しないでいたものもあった。こうしたものは、待ち時間のうちにすぐにわかる。例えば、下の写真のように、長年謎であった「ヘマトクリット」が何であるかを、簡単に知ることができた。
薬についての詳しい説明もそうだ。
これまでも、短い単語であれば、スマートフォンの音声検索を使えた。しかし人前で声を出すのは憚られた。Pixel 3の検索なら、どこでもできる。
外国語の場合には、特にロシア語や中国語や韓国語の場合には、発音が分からないので、音声入力はできない。キーボードや仮想キーボードから入力するのも簡単ではない。しかし、いまやどんな国の言葉も簡単に翻訳や検索できる。
例えば、下の写真は、拙著『「超」勉強法』の韓国語訳なのだが、表紙左上に書いてある紹介文(青丸で示されている部分)を日本語に翻訳したいとする。
結果は、下の写真のとおりだ。
私の名前を「野口幸雄」と誤記しているが、やむを得ないだろう(「金の運」も誤りだろうが、これは翻訳者の名だ)。「ビジネスマンや学生のための」という説明が読めるだけで多とすべきだろう。
ロシア語も訳せる。下の写真はDVDのケースだが、上にある映画の題名(青丸で囲まれた部分)を、「ストーカー」と正しく訳している(なお、
「ストーカー」は、「映画ほど素敵な世界はない」の第1回目に取り上げた作品)。
Pixel 3で扱えるのは、以上のような単語や短文だけではない。外国語の本をPixel 3で撮影して、シームレスで自動翻訳にかけられる。
自動翻訳の能力は、いまのところ完全とは言えないが、1ページ程度の分量なら、ほぼ何が書いてあるかの見当はつく。知りたい部分だけを取り出せば、かなり正確に分かる。このようにして、外国語の文献を簡単に読むことができる(自動翻訳の使い方については、別の機会に詳しく述べることとしたい)。
最近の自動翻訳能力の向上によって、外国語の文献を読むことが急速に楽になった。ただし、その対象はテキストに限られていた。
それが印刷した書物にまで拡大されたわけだ。
人類の遺産のすべてを、それがどんな書式であれ、どんな言葉であれ、読むことが可能になったのだ。まだラテン語は試していないが、これをやれば、私の教養も大分広がるだろう。
これは、驚愕以外のなにものでもない。
私は世界中の図書館に向かって、「ウェルカム・トゥー・ザ・ニューワールド」と挨拶したい気持ちだ。それが大げさなら(実際、挨拶をしているのは私ではなくGoogleなのだから)、私の家の書架にある本に向かって挨拶したい。
「新しい世界にようこそ。忘れられかけられようとしていたあなた方は、新しい世界に蘇りました」。
コンピュータは、テキストファイルになっていさえすれば、いかようにも処理できる。しかし、対象が印刷された文字になり、さらに手書きの文字になると、どんどん難しくなっていく。その距離が一気に縮まろうとしているのだ。
ただし、手書きの文字やPFDの文書については、いくつかの問題がある。これについては、別のnoteで書く。
Pixel 3の文字認識能力は、事務処理にも応用できる。そして、それによる影響も大きい。名刺の処理や伝票、領収書類の整理に使うことが可能だ。これについても、別のnoteで書く。