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GoogleやFacebookの企業価値のほとんどが「ビックデータの価値」

 「ビッグデータ」という言葉が、頻繁にニュースに登場します。
 これは、直訳すれば「大きなデータ」という意味ですが、従来のデータとは様々な点で異なる新しいタイプのデータであると言われます。
 ビッグデータは、われわれがインターネットやスマートフォンを使うことによって発信されるデータを集めたものです。

 ビックデータは、極めて大きな経済的価値を持つと言われます。
 いまアメリカ経済を牽引しているのは、GAFA(Google、Amazon.com、Facebook、Apple Inc.) と呼ばれる企業群ですが、これらの企業の利益は、ビックデータの活用から生み出されていると言われます。

 では、ビッグデータの価値は、具体的にどの程度のものなのでしょうか?
 『データ資本主義 21世紀ゴールドラッシュの勝者は誰か』(2019年9月、日本経済新聞出版社)は、これについて1つの試算を行っています(第4章、データ資本主義とプラットフォーム企業、3 データ資本主義が世界経済を変える)。
 それによると、アルファベット(Googleの持ち株会社)の場合、ビッグデータの価値は6822億ドルです(2018年度)。
 ところが、アルファベットの時価総額(市場が評価した企業価値)は、6800億ドルです(2019年6月)。
 したがって、アルファベットの時価総額のすべてがビッグデータの価値だということになります。
 Facebookの場合には、ビッグデータの価値は5486億ドル。そして、時価総額が4000億ドルです。したがって、この場合には、ビックデータの価値が時価総額を超えていることになります。

 この計算は、いくつかの前提を置いて行ったものであり、それらの前提の置き方を変えれば結果が変わることは事実です。
 しかし、ビックデータがきわめて大きな価値を持っていること、また、GAFAと呼ばれる企業の事業の根幹がビッグデータにあることは、間違いありません。

 では、ビッグデータは、なぜこのように大きな経済価値を持つのでしょうか?
 ビッグデータの元となっているのは、われわれが日常的に検索をしたり、ツイートしたり、地図を見たりしている記録です。これらひとつひとつをとってみれば、経済的価値はほとんどありません。それが上で見たような大きな価値を持つのは、考えてみれば不思議なことです。

 『データ資本主義』は、それについて、第2章(ビッグデータによるパタン認識)、第3章(ビッグデータによるプロファイリング)で説明しています。








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