![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/32842535/rectangle_large_type_2_f82217f22060a55f8dbf579eaba536d9.png?width=1200)
雇用調整助成金についての基本的議論が必要
いま日本では、売上と利益の急減にもかかわらず、企業が雇用を支えている。
それを可能にしているのが、雇用調整助成金だ。
元々は雇用保険の積立金を用いる仕組みだが、限度額引き上げなどのために、すでに国費が投入されている。
企業が雇用を支えているため、日本では失業者数は目立って増えていない。それだけでなく、勤労者世帯の収入はそれほど落ち込んでいない。
それが社会不安の高まりを防いでいるのは事実だ。
しかし、ここにまったく問題がないわけではない。
日本では、リーマンショック後に雇用調整助成金で雇用を支えたために、企業が過剰人員を抱える構造が続き、日本経済構造改革の足を引っ張ったという経緯がある。
今回も、コロナによって引き起こされるさまざまな変化が「ニューノーマル」をもたらすとされているが、雇用構造が固定化されると、こうした変化が生じないおそれがある。
一方、日本経済新聞は、積み立て金が急速に減少していると報じた(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62777820Y0A810C2EE8000/)。
特例措置を9月以後も継続するのは、容易ではない。
この機会に、「雇用調整助成金で雇用を支える」という政策の基本について検討することが必要だ。