利益見通しが株価を決めると考えると、現在の日経平均株価は1万円以下
8月18日の日経新聞によると、上場企業の2021年3月期決算における純利益は、対前年同期比33%減と予想されている。
他方、法人企業統計によると、全産業、資本金10億円以上企業の2019年4-6月期から2020年1-3月期までの営業利益は、30.1兆円だ。
この33%減は20.3兆円になる。
つまり、上場企業は、2021年3月期の営業利益は20.3兆円と予測しているわけだ。
では、過去において、営業利益がこの程度まで落ち込んだのはいつだったろうか?
それは、リーマンショック後だ。2010年4 - 6 月期から2011年1 - 3 月期までの営業利益が23.6兆円で、ほぼ同程度だった。
ところで、この当時の日経平均株価は、2010年初めから2012年暮れまで、ほぼ1万円だった。
「仮に営業利益の予想が株価を決める」と考えると、現時点の日経平均株価は1万円を下回る水準になる(注)。
しかし、現在の日経平均株価は、2万3千円程度だ。上で計算した値の倍以上になる。
市場は、2021年3月以降の経済の急回復を期待しているのだろうか?
しかし、民間エコノミストの予想では、日本経済が2019年夏頃の水準を回復するのは、2024年頃だ。
株式市場が何を期待しているのか、理解できない。
(注)「現在は当時ほど円高でないから比較にならない」との議論があるかもしれない。しかし、為替レートの影響は、すでに営業利益に反映されている)。