発想力トレーニング、番外編(その3):外出時の鞄を変える
『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書、2019年9月)で、「発想力トレーニング」というものを提案しています。
発想のためには、つねに発想を続ける「現役」であることが必要ですが、その実行は容易なことではありません。
そこで、「毎日できる簡単なトレーニングをしよう」というのが、「発想力トレーニング」の提案です。
運動選手が、毎日トレーニングするのと同じことです。
その具体的な内容は、『AI時代の「超」発想法』の各章の最後に提案してありますので、ご覧ください。
ここで述べるのは、「発想力トレーニング」の番外編です
発想力トレーニングとしては、本書に紹介したもの以外に、いくつかのものがあります。
その第3が、外出時の鞄を変えることです。
外出時の持ち物の物入れを変えるだけで、状況が変わることがあります。
例えば手下げ鞄をやめて、リュックにする。リュックをやめてショルダーバックにする、等々です。
これによって、歩いている時に、これまでにはできなかった動作ができるようになることもあります。それがきっかけになって、他のことが変わります。こうして、生活全体が大きく変わることさえあります。
きっかけは、物入れを変えたというだけの、ごく小さなことのです。
それが小さな変化の連鎖を引き起こし、結果として大きな変化が生じるのです。
その最初のきっかけは、「発想」によって生じました。
ですから、「発想が世界を変える」と言えるでしょう。
同じことが、さまざまことについて言えます。
日常生活で毎日決まりきってやっていることの時間を変えてみる。あるいは、順序を変えるだけでも、変化が生じるかもしれません。
日常生活のささいなことを改善しとうとすることは、発想力トレーニングになります。
そして、物事をほんの少しだけ変えることが大きな変化のきっかけになり得るのを体験するのは、仕事を進める上でも、大いに役立つでしょう。
実に多くのことが、単なる惰性で行なわれています。改善の可能性が考えられることもなく、ただ続いているのです。そのために、大きな非効率が発生しています。
上で持ち物いれについて述べたのと同じことが、会社や官庁等の組織においても、日常的に行われています。
「これまではそうだったと」いうだけの理由で、世の中の状況が大きく変わったにもかかわらず、同じことが繰り返されています。
ただし、組織の場合には、そうした仕事に携わっている人がいるので、それを変えるのは容易なことではないのです。変える必要性が分かっているにもかかわらず、変えるのが難しい場合があります。
それに対して個人の場合には、変えようと思えばすぐに変えることができます。
いますぐに、身の回りを見渡して、「小さな改革」を始めましょう。