日本経済最前線

年金財政が維持できないため、70歳支給開始が不可避になる

公的年金の財政検証が発表された。
多くの人は、所得代替率が今後低下していくことを問題視している。確かにそれは大問題だ。ただし、「保険料を引き上げず、所得代替率を引き下げることにより年金財政を維持する」という基本方針は、既に15年前に決めたことだ。

本当の問題は、その決めたことをさえ実現できないことである。
財政検証は、現実にはありえないほどの楽観的な経済前提に基づいている。現実的な前提をおけば、このとおりにはならない。
とくに問題なのは、
(1)物価上昇率が想定ほど高くはならないため、マクロスライドを実行できないこと、
(2)実質賃金が想定ほどは上昇しないため、保険料収入が想定ほどは伸びないこと、だ。
この結果年金財政を維持できなくなるので、支給開始年齢を70歳に引き上げることが必要になる。
これについての詳細な定量的試算は、明日(8月29日)、「ダイヤモンド・オンライン」に公表の予定。

<参考記事>
非現実的な想定で年金の問題を隠蔽する財政検証
https://note.mu/yukionoguchi/n/ne40e9751d9f4

年金支給開始年齢の70歳引き上げは不可避
https://note.mu/yukionoguchi/n/ndb2614ed2bef

財政検証 のチェックで最大のポイント
https://note.mu/yukionoguchi/n/nf92458534f94





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