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地域共通クーポン それぞれの立場で考えて、見えてきたこと

私自身が淡路島で夫婦で小さな宿屋を経営しながら、少しばかりの物販もしています。GoToトラベル事業と地域共通クーポンについて、調べることがたくさん。GoTo事務局への問い合わせ電話代だけもすでに2,000円くらいは払っているような。やや嫌になっている。

GoToトラベルの地域共通クーポンについて

地域共通クーポンは、GoToトラベル事業の中で、宿泊費の15%をチェックイン後にクーポンとして発行するという制度です。その発行される地域共通クーポンには、「紙クーポン」「電子クーポン」の2種類があります。

クーポンの発行については、何を利用して、どのサイト経由で予約をしたか、ということで発行方法が決まります。

クーポンの発行方法について、宿泊施設や旅行会社・OTA(Online Travel Agent)が「紙」にするか「電子」の方法を決めることができます。

基本的には、OTAを通じた場合、電子クーポンになることが多いみたいです。そして、地方では「紙クーポン」のみを取り扱う店が多くて、「電子クーポン」をもらった人たちは、結局クーポン使えないじゃんっていう問題が起こっているそうです。

さて、これについて、何が問題で、どこがどう問題なのかっていうことを、「宿関係事業者(宿泊施設・予約サイト)」「クーポン取扱店舗」「利用者」それぞれの立ち位置から細かく分解し、そこから見えてくること考えてみました。

宿泊関係事業者(宿泊施設・OTA会社)から見たとき

現実的に、多くの方が利用するOTA(宿泊予約サイト)を通じて、予約した場合、電子クーポンで地域共通クーポンが発行されることが多いです。
宿泊予約サイトを運営している会社としては、紙を配るのが大変だから、そりゃ電子クーポンにするだろうということが想像できます。

そして、お客さんは必要なコードなどを入力して電子クーポンを受け取ります。

では、紙クーポンはどこで配られるのか??

紙クーポンは、宿泊施設で直接予約した場合などは、紙クーポンがその場で発行されることが多いです。

GoToトラベル対象の宿泊施設には、有無を言わさず、GoTo事務局から、大量の紙クーポン券(と有効期限と対象エリアを押すための印鑑)が送られてきています。
(なくしたら、施設側の責任という、とても管理が大変な大量の金券…)

宿屋側からすると、わざわざわけのわからない電子クーポンの手続きをするなら、送られてきたクーポン券を押印してお客さんに渡すよっていうのが実情。

ここまでが宿泊関係者側の立場から考えた場合。

地域共通クーポン取扱店舗からみたとき

で、ここからは地域共通クーポンの取扱店舗側の立場から考えてみると。
(ちなみに、うちは宿屋として地域共通クーポンを配る立場であり、地域共通クーポンを使うことができる店舗でもあります)

(そもそも、何でもかんでもクーポン券みたいな昔ながらの考えはいかがなものかとは思いますが。今回はそれはちょっとおいておいて)


取り扱う店舗としては、「紙クーポンのみ」「電子クーポンのみ」「紙・電子クーポンの両方」を選択することができます。


お店側としては、当然のように「紙クーポンのみ」を選びたくなりますよ。

クーポン券は、金券とおなじ扱いなので、半券を送ったら後日振り込まれるということはわかっているので、クーポン券や商品券の扱いには慣れている。ということが一番だと思います。

入金は遅いけど、確実で簡単だから。


電子クーポンを取り扱う場合は、わざわざマニュアルを読んで勉強して、理解して、準備して、従業員にも説明してみたいなことが増える。
ある程度の規模のお店、レジ打ちのおばちゃんたちに説明しないといけない。仕事が増える、手間が増える、誰もがデジタルに強いわけではないので、愚痴が増える。嫌がられる。そういうことは容易に想像がつくことで。

あとは、入金されるのか、不安っていうのもあると思います。

ということで、やっぱり選ぶのは「紙クーポンのみ」にしたいのが現実。

と、そんなことを考えつつ、うちも電子クーポンのマニュアルを読むのがが面倒だったので、紙クーポンのみにしました。

島内のいくつかの産直は紙クーポンのみ。飲食店も紙クーポンのみ。

島内のコンビニ(ローソン、ファミリーマート)は紙クーポンのみ。

島内唯一のユニクロも紙クーポンのみ。

なんと、島内のイオン3店舗も紙クーポンのみ。
(それぞれ2020年10月9日現在)
(なぜ、ユニクロやイオンで使えるのっていうのは、もう深く考えないようにしていますww。)


ちなみにこのサイトで、取扱店舗のマップを見ることができます。

この両方の立場を考えた結果

その両方の立場から考えた結果、気が付きました。

うちに予約サイトを経由してくるお客さんは電子クーポンを発行される。
うちでは、使えない…。

このGoToトラベルの利用者はyahooトラベルやBooking.comなど、OTAを使う人がほとんど。

ということは、電子クーポンの発行がほとんど。

ということは、

そう

(各宿屋に大量のクーポン券がありますが)
紙クーポンはほとんど出回らない。

と。

ただ、紙クーポンしか使えないお店が多い。

ということはやっぱり宿泊サイトから「電子クーポン」をもらっても使えないやん。っていう、最初の問題はここに帰ってきます。


(うちは、この時点で、先週くらいにGoTo事務局に電話して、紙・電子クーポンの両方を使えるように変更したいということを伝えました。)


その影響もあり、10月8日GoTo事務局から

【お知らせ】「紙クーポン・電子クーポンの両方」へ変更とするシステム改修について

というタイトルのメールが来ました。

これは、「紙クーポンのみ」又は「電子クーポンのみ」の取扱をしている取扱店舗から、「紙クーポン・電子クーポンの両方」の取扱いへと変更を希望するご要望が多いから、マイページで簡単に変更できるようにするよっていいう内容のメールでした。

ということで、

店舗側の結論としては、

「紙クーポン・電子クーポンの両方」にしないと、「紙クーポンのみ」では利用者は少なく、この制度のうまみを得ることはできないということ。
で、結局、この複雑な制度を勉強して、乗っ取ってやるしかないということ。

あぁ、またもや事業者に負担が増える。制度が残念過ぎる。
(では、結果的に、紙クーポンならいいのかっていうのは別の話です。)

利用者の立場を想像してみる

私自身、まだ、GoToトラベルで旅行したことがなく、地域共通クーポンももらったことがないので、ここからはあくまで想像のお話。

(11月か12月に実際に利用して旅行してみようとは考え中)

利用者としては、何よりシンプルで使いやすい。
それが一番であると。

旅行サイトで予約したら、
スマホ上で金券をもらうこと、
ただ、紙しか使えないお店が多いこと、
どこでつかえるのかわかりにくいということ
使用期限がとても短いということ
(チェックイン後からチェックアウト日24時まで)

誰のための制度

誰のための制度なのか?

観光業者のためなのか?

でも、使うのは、利用者であり、

宿泊関係事業者や地域クーポン取扱店舗はよくわからない事務仕事や問い合わせがたくさん増える。小さなお店は本当に大変。

利用者も実際にクーポンが使えるのか。よくわからない。

誰得なのか?
この負担も少しずつ慣れて、適応してきたらそれでよいのか。

どういうかたちで、クーポンなどの発行するのが最適なのかっていうのは、私の頭ではわからない。けど、このやり方があまりよくないということはわかる。

このGoToでよくわかることだけど、どの目線で制度設計するのかっていうのは、制度を作る側がしっかりと現場のことを理解して作り上げていく必要があるものであると感じます。

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