2024年リバポ流行語大賞 結果発表
リバプールを愛する皆さん、ご機嫌いかがでしょうか?
2024年1月26日、我々のみならずフットボール業界全体へ衝撃を与えた発表がクラブから行われました。そう、ユルゲン・クロップ前監督の退任です。疲れ切った顔でカメラの前に座るクロップの顔、そして彼の口から漏れた「もうエネルギーは尽きてしまったんだ」という言葉。思えば、長い長い2024年はここから始まったのです。
2015年10月に監督へ就任し、愛と情熱と最先端の考え方とをリバプールへ持ち込んで、クラブを本来あるべき場所へと戻してくれたドイツ人。街に誇りを取り戻してくれた偉大な監督。その存在は、ビル・シャンクリーやボブ・ペイズリー、ケニー・ダルグリッシュといった、リバプールの歴史を形作ったレジェンドと比べても劣ることはないでしょう。
今回の投票はそういった1年を振り返るワードが多くエントリーされ、おかげさまで計1,555票もの投票をいただきました。ご協力くださったみなさま、年の瀬の御多忙のところ厚く御礼申し上げます。
さて、前置きはこれくらいにして、例年の如く順位を発表させていただきたいと思います!
10位 David Coote 46票
今年11月、衝撃的な映像が世界を駆け巡りました。審判員のデビッド・クートがプライベートな場でユルゲン・クロップを「傲慢なドイツ人のクソ野郎」、「リバプールファンはクソバカ」「リバプールは大嫌いだ」と発言しているものでした。それを受け、すぐにPGMOLは調査を開始。その間、クートを出場停止としました。
その後、クートがEURO 2024大会中に「白い粉」(16票) を吸っている別の動画も発覚。今度はUEFAから出場停止処分が出ました。最終的に、八百長関与の疑いも掘り起こされ、即時解雇となりました。
リバプールファンにとって記憶に新しいのはマージーサイド・ダービーでのピックフォードとファン・ダイクの接触でしょう。あの試合のVAR担当だった彼は、映像を確認しておきながら、危険なタックルを行ったピックフォードへの処罰を行いませんでした。あのプレーの後、重傷を負ったファン・ダイクは全盛期の輝きを失い、復活するまでに相当の時間を要しました。
個人の感想は胸に留めてもらって、プレミアリーグの審判員にはどうか公平で正確なジャッジをお願いしたいものですね。(まあ無理だと思うが)
9位 日本のロマーノ 48票
いつからこの呼び名が使われているのかわかりませんが、移籍情報に精通したスポニチの垣内記者は一部のフットボールラバーの間で「日本のロマーノ」と呼ばれています。リバプールがらみではレアル・ソシエダの久保選手移籍をお漏らししたりしているようですが、未だ移籍には至っていませんね。
8位 running out of energy 53票
冒頭でも触れましたが、ユルゲン・クロップ前監督が退任を発表した動画の中で語った言葉です。もちろん喜んだり怒ったり、ピッチの上では喜怒哀楽の激しい人ではありましたが。あれほど疲れた顔で、普通の中年男性のようにカメラの前に登場するのは初めてだったと思います。それだけでも、フットボールの監督が背負っている重圧、そしてそこに費やすエネルギーというものは凄まじいのだな、と感じました。
7位 スビメンディ 58票
リバプールが長年獲得を狙い続けているポジション、それは誰もが知るとおり、守備的ミッドフィールダーです。チュアメニ、ラヴィア、カイセド・・・何人もの獲得が噂されてきましたが、その都度別のクラブに掻っ攫われてきたのは苦い記憶です。
そして今年の夏、その「獲りたかったけど獲れなかった」長いリストに加わったのがレアル・ソシエダで活躍するマルティン・スビメンディ選手です。当初は本人がクラブを離れたいという希望があり、アルネ・スロット体制になったリバプールも獲得を画策しました。契約解除金は5200万ポンドと具体的な金額まで報じられ、移籍間近かと思われましたが・・・。
移籍期限間近になり、長く過ごしたクラブに残るという決断を下したスビメンディ。個人的には男気があって好感を持ちました。今後何かの形で道が交わることもあるのでしょうか。
6位 プレミアリーグ大戦術ハゲ時代 (プレミアリーグ大ハゲ時代) 74票
おわかりいただけただろうか・・・プレミアリーグの監督の中で、どんどんスキンヘッド率が上がっているのを・・・!その中でも絶対王者のペップ、ここまで新任監督として実力を発揮するスロット、マレスカ、ノッティンガム・フォレストを予想外の高順位に導くヌーノなど、何人かは戦術家としても高い評価を得ています。ショーン・ダイチもミドルクラブのマネジメントには定評がありますよね。突然始まった感のある大ハゲ時代、来年は何人に増えているか楽しみです。
5位 I'm so glad, that Jurgen is a red 79票
昨季限りでクラブを去ったクロップのチャントといえばこれです。地元出身のThe Beatles "I Feel Fine"を原曲として作られていて、実にリバプールらしく私も大好きです。ちなみにこの曲には監督としてのクロップを支えた奥様、ウラさんを称えたI'm so glad, that Ulla is a redというバージョンも存在しています。
クラブを去った人のチャントはなかなか歌われる機会が少なくなるものですが、いつか近い未来、満員のアンフィールドでこの曲が鳴り響く日が来れば良いなあと個人的には思います。
4位 世界最高のセカンドゴールキーパー (ケレハー神) 121票
クロップ時代を支えた絶対的守護神のアリソン・ベッカーも寄る年波のせいか怪我でフルシーズンを過ごせないことが増えてきました。ですが、リバプールにはこの人がいます。
まるでアリソン不在を感じさせない今シーズンのケレハー。元々PKストップには定評がありましたが、あらゆる面でアップデートされたパフォーマンスを披露しています。クロップをして「世界最高のセカンドゴールキーパー」と言わしめた実力者ですが、流石に20代後半を迎えるにあたり何処か正守護神として試合に出られるクラブを求めているとの報道もあります。
どこに行ったとしても、ずっと応援しましょう!
ここからはTop3の発表です!
3位 ハゲ詐欺師 148票
昨年も2位に食い込んだこのワード、あまりに強いインパクトがあったためか、今年も上位にランクインしています。細かい解説はこちらをお読みいただくとして、今季のマンチェスターシティの低パフォーマンスはとても気がかりです。
ピッチ内外がバタバタする中、グアルディオラ監督は契約延長を決めたようですが・・・今後どうなるのでしょうか。やはりこの人が元気でないと倒し甲斐がないというか、王者が君臨してこそ首位争いが盛り上がるというか。憎たらしいほど強いシティが残りシーズンでどこまで持ち直せるのでしょうか。(できれば優勝争いに絡まない程度に元気になってロンドンの2クラブは蹴散らしてほしい)
2位 Danke, Jürgen 210票
冒頭でも触れた通り、9年にわたってリバプールを率いたユルゲン・クロップが退任しました。輝かしい思い出と、数々のトロフィーを残して。こんなに寂しいのは、もちろん強いリバプールを作ってくれたこともそうですが、何より唯一無二のユルゲン・クロップという人そのものがいなくなったからなのだと思います。
選手にもみくちゃにされて眼鏡が破壊される、喜びすぎてハムストリングを負傷する、会見で記者を爆笑させる・・・エトセトラ、エトセトラ。今までこんな監督がいたでしょうか。この人を愛さずにいられない理由が多すぎるんですよ。
どうかしばらくの間はゆっくりと休んでもらって、いつかピッチの上で、笑顔が見れることを願っています。
そして1位に輝いたのは、この言葉!
1位 ARNE SLOT! LA LA LA LA LA! (スロット) 225票
クロップ退任のセレモニーで、なんとクロップ自身から次期監督として紹介を受けました。しかもチャントで。こんな監督交代あります?完璧すぎる・・・。
この後のアルネ・スロット新監督の活躍ぶりは皆様ご存知の通り。前任者が築いたチームを土台に、ピッチ上で素晴らしいパフォーマンスを披露しています。これからこの人と一緒に、どんな思い出を作れるのか。楽しみでなりません。
ここからは、惜しくも選外となったワードを一挙公開します!
フォレスト 42
⛰️ (山, 飯と山, 山と飯) 41
契約更新 41
サラー去就 40
I’ll Never Walk Alone Again 37
チアゴ・アルカンタラ、復帰5分で即離脱 35
リヴァプールのダイレクターはドイツ人 33
マティプ引退 21
ドイツ人ディレクター 18
移籍確率80% 18
(あのBernardo SilvaがLiverpoolを褒めてるのを見て…) 明日は雪やな 17
「これが最後の〜戦」 17
デュエルに勝てないなら戦術について話す必要はない 17
白い粉 16
Federico, Federico Chiesa (キエイザ) 16
金玉 16
クローザー (クローザー遠藤投入) 16
イタリア人補強 14
植毛サラサラモハメド・サラー 12
こりゃあ優勝アルネ・スロット 11
無条件の愛 5
元リヴァプールの◯◯来日 5
キラキラKOP 4
神ソン、神ハー 1
友達の話 0
25年間もここにいたような気がする 0
みなさま、いかがでしたでしょうか?私は個人的には⛰️がよくわかっていなかったので、誰か詳しい方がいらしたら教えてください!
結びの代わりに
・・・そしてこれは個人的な発表なのですが、リバポ流行語大賞は来年をもって打ち止めとさせていただきたいと考えています。
思えば2011年、ロイ・ホジソン監督が新年早々に解任され、ケニー・ダルグリッシュが戻ってきた年にこの企画が産声を上げました。当時は悪名高いH&GからFSGへのクラブ移行が行われたばかりとはいえ、今後のクラブの行末も不透明で、このあとどうなってしまうんだろうという不安に駆られていたファンも多かったように記憶しています。そんな中、悪いことや辛い思い出でも笑い飛ばせるような、そんな1年を振り返ることができればと思って、これをスタートしました。
その後、気鋭のブレンダン・ロジャースを迎えて一度はプレミアリーグの頂に指をかけたものの、夢は叶わず。満を持してのクロップ着任でした。その彼も欧州制覇、そして30年ぶりのリーグ制覇と輝かしい思い出と共にクラブを去り、アルネ・スロットへと襷が託されました。これからリバプールは新時代に突入しようとしています。
嬉しいことに日本でのリバプール人気も高まり、今では当たり前のようにリバプールのニュースを様々な場所で見かけるようになりました。南野拓実選手、長野風花選手、そして遠藤航選手といった日本人選手たちがクラブに入団するようにもなりましたね。一部のコアなリバプールファンだけではなく、ちょっとした時間とお金と少しの情報があれば、誰でもアンフィールドへ足を運べるようにもなりました。
当初願っていた、「日本でもリバプールファンがもっと増えますように」「みんなが明るく楽しく笑いながらクラブを応援できますように」という私の望みは、もう叶っています。これは私にとっては幸せ以外の何物でもありません。だってこんなに人生をかけて好きなクラブが、いろんな人に愛されるようになったのですから。であれば、この流行語大賞もその役割を終えつつあるのかな、と。そう考えています。
今まで、このような個人の運営する小さな企画にご協力いただいた皆様に、心よりの感謝を申し上げたいと思います。至らぬ点も多かったと思いますが、長くお付き合いいただき誠にありがとうございました。そして来年、実に15回を数える最後のリバポ流行語大賞も、ぜひ楽しみにお待ちいただければ幸いです。
みんな、いい夢見ろよ!
Merry X'mas & Happy New Year!!!