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チアゴ・サンタナについて調べてみた

パウリーニョ先輩がブラジルで1年をかけて探し出してきた選手、長身FWかなー、ドリブル突貫小僧みたいな選手かなー、とか攻撃的なポジションを予想していたらまさかのDF。

経歴を見ても全然よくわからないし、どんな選手なのかを少し深ぼってみることにした。


参考にしたサイト

Transfermarkt

ウクライナプレミアリーグ公式サイト

Vorskla公式YouTubeチャンネル(ハイライトがいっぱい載ってる)
ウクライナ語だから全然何書いてあるかわからんけど。


基本プロフィール

本名は、チアゴ デ サンタナ ダ シルバ(TIAGO De SANTANA Da Silva)。
ブラジル人によくありがちな名前が組み合わさったみたいな本名で、非常に馴染みやすい。
ブラジルのカサマリ(Camaçari)という土地の出身らしい。Googleによると人口30万人ほどの工業都市で、ブラジル北東部で最大の工業団地が存在するらしい。松本市よりもちょっと大きいくらいの規模感。
最近まで自動車メーカー「フォード」の工場があったらしい(だからなに)

ブラジル全体で見るとココ
拡大するとココらしい

身長188cm/82kgということでかなり大柄で重量級な部類に入るだろう。
1998年生まれの26歳ということで、これから最盛期に入る中堅の選手だ。


これまでどんな実績がある選手?

以前、ルーカスヒアンについて調べた時に思ったが、ブラジルリーグは非常に複雑で、1年間で独立した2つのリーグ戦を戦い、そのために期間限定の助っ人としてレンタル移籍が頻繁に行われるみたい。なので経歴が大変なことになることが多い。ちょっと複雑でわからない。笑
チアゴサンタナは2023年~2024年にかけてウクライナ一部リーグでプレーしている実績があるので、そこにフォーカスを当てて調べてみた。

2023年8月~2024年4月までのシーズン、ウクライナ一部リーグのFCヴォルスクラ・ポルタヴァ(Vorskla Poltava)に在籍していた。Transfermarktによると1年間のレンタル移籍だったらしい。
前年をリーグ9位で終えたチームで、背番号は74番。

基本システムは4-2-3-1で、チアゴサンタナは右CBとして定位置を確保。36歳のベテラン選手やクラブ期待の若手である21歳の選手であったり、センターバックコンビを組む選手は試合を重ねていくうえで変わったが、11試合連続でスタメン出場を果たしている。
ただ、11試合目となったMetalist1925戦でシーズン最短となる56分にベンチへ下がると、そこから先はほとんど出番を得られずにシーズンを終えることになった。直前の54分にイエローカードをもらっていたので、その影響が大きかったかも。

彼がスタメンを外された理由は正直わからないが、6試合未勝利と沼にハマり始めており、6試合で14失点と守備が崩壊していたので、その責任の一端として変えられてしまったのかもしれない。
現実として、彼がスタメンを外れてから7試合無敗と復調。ディナモ・キエフ戦で5失点をするという試合はあったものの、以降の11試合のうち10試合を1失点以下に抑えるという堅守を見せた。こうなってしまうと、再び出番を得るのは難しかっただろう。良いときは基本的にメンバーをいじらないものだし、ましてやCBはなかなか手を入れにくいポジションだ。
その後は右SBを務めていたチームキャプテンの選手が右CBへスライドし、19歳の若手選手が右SBに入っていた。
その後もチームには他にもCBの選手がいるにも関わらず右SBが本職の選手がCBをやっていたので、監督もスタメンを固定するタイプだったのかもしれない。


どんなプレースタイル?

VorsklaのYouTubeチャンネルで、彼が出ている試合のハイライトをすべて見て(彼が出てこなさそうなシーンは飛ばしたけどw)、その他にはプレー集も見た。そのうえで、感じた印象を書いていこうと思う。
あくまで過去の彼の姿であり、そこから成長を遂げている可能性はあるし、その時所属していたチームの戦術との相性もあるので、あくまで切り取られた一部分を見ての感想であることは予めご承知おきいただきたい。

まず目立つのは188cmの身長を活かした空中戦の強さだ。守備時はもちろんのこと、攻撃ではセットプレーのターゲットにもなっていたりした。

それから、プレーを見ていて感じたのは、かなり強気なメンタリティを持つ選手だということ。
ボールを持った時に積極的に楔のパスを刺す場面も見られたし、かなり長い距離のパスであってもコースが見えれば果敢にトライしていた。
そのメンタリティは守備でも発揮されていて、とにかく前に出て相手を潰そうとすることが多い。後ろからインターセプトを狙うこともそうだし、トラップした選手にバチコン当たることもあった。下がって守備ブロックを組んで跳ね返すと言うよりは、前から潰しに行くタイプのセンターバックだ。
メンタリティでいうと、ポジションは違うが安永玲央に近いものを持っている気がする。笑

ハイライトを見ている限りではそれほど足は速い印象は受けなかったが、足が長くてストライドが大きいので、なんか追いつけてしまうみたいな感じ。走り方がちょっとぎこちないというか、回転数ではなく歩幅勝負の走り方なので、ちょっと愛くるしさがある。

先ほど強気なメンタリティの持ち主だと言ったが、ハイライトを見ている限りだと結構奪いに行って入れ替わられてしまうシーンも目立った。ディナモ・キエフ戦では中盤に降りていったFWへ遅れて食いついたところを逆手に取られてフリックされてしまい、抜け出した別の選手がゴールを決める場面も。
見ている印象だと、一歩目の出足がめちゃ良いわけではないので、強気に出ていくのだけど結構ギャンブル性の高い守備になってしまっているようだった。体格があるので五分五分の競り合いに持ち込んでしまえば優位に立てるので、パスの出てくるタイミングの予測が身についてくると、恐怖のインターセプトマシーンに化けるかもしれない。

また、強気なメンタリティの裏返しとしてイエローカードの枚数が多い選手でもある。ウクライナ一部リーグでは11試合に出場して7枚のイエローカードを受けており、3試合で2枚をもらうペースだ。
インターセプトを狙う時に遅れてタックルにいってしまったり、ドリブルで突っかけられた時にスライディングで止めに行くシーンが多い印象も受けたので、そのあたりがカードの多さに影響していそうである。


期待することと懸念

パウリーニョが長く見たうえで獲得してきた選手ということで、前述したような懸念点は折り込み済みの上でのオファーだろう。

対人守備にかなり強みを持っているのは間違いないし、セットプレーでも脅威になりそうな選手。さらには、攻撃的なマインドを備えているという点もチームのスタイルを考えると好材料だ。

一方で、既に述べたように積極的なプレーが仇となってしまう場面が少なくないようにも見えたので、その点をどうカバーしながら彼の良さを引き出していくかは早川監督をはじめとしたコーチングスタッフの手腕が試されそうだ。ウクライナでは4バックのCBとしてプレーしていたので、彼が出ていった時にカバーする味方がおらず致命傷になってしまって印象が悪化していたところもある。来季3バックを採用するのであれば、その右CBとして起用することで補える期待はある。
野々村鷹人に近いプレースタイルの印象も受けたので、とにかく前からガンガン潰しに出ていってもらって、背後のスペースは3バックの中央の選手がカバーするという体制が良さを引き出せそうだ。

あとは、チアゴサンタナはかなり人に意識が向いているDFのようなので、日本特有のクイックネスや福島や沼津に代表されるようなフリックを多用する相手には苦労をするかもしれない。このあたりは相手との相性も考えながら起用してチームに組み込んでいってほしいところだ。
相手のプレーを予測する部分が向上してくると、彼の元来持つアグレッシブなメンタリティを活かした潰せる選手に進化できそうなので、そのあたりの指導にも期待したい。

スケールの大きな選手であることは間違いなく、味方がゴールした時に両手を上げて飛び跳ねたり、ガッツポーズをしたりする一面も見られた。
なんとなく顔からもナイスガイっぽい雰囲気を感じるので、温かく迎え入れてあげたい。

Vamos!! TIAGO!!!


俺達は常に挑戦者


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