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AIが創造する未来:ChatGPT-4で新たな発明は可能か?
先週、OpenAIが発表した最新の人工知能ツール「ChatGPT-4」は、2000億から1兆個ものパラメータを搭載するともいわれ、多様なタスクで驚くべき精度を実現しています。この画期的な進歩により、AIを用いた発明の可能性が再び注目を集めており、革新的なアプローチが期待されています。今回は、ChatGPT-4を駆使して新たな発明を生み出す手法について、詳しく解説していきます。
今回のポイント
Chat GPT4で新たな発明は可能か?
特許レベルの発明をさせるためには?
どのような指示を与えるべきか?
効率的にChat GPT4に発明させるには?
ChatGPT-4で新たな発明は可能か
りょう:ChatGPT-4ってすごいらしいね!実際に新しい発明もできるんじゃないの。
ゆう:その通りだよ。ちょっとしたコツが必要だけどね。
りょう:コツって?
ゆう:まず、どんな発明をしてほしいかをChatGPT-4に明確に伝えることだね。特許レベルの発明を狙う場合には、以下を伝える必要があるよ。
<Chat GPT 4に特許レベルの発明をさせるために伝えるべき情報>
・技術分野:特許法上の発明に該当する分野
・背景技術:発明に関連する既知の知識や技術
・発明が解決しようとする課題:背景技術の問題点や改善すべき点
・発明の効果:発明によって得られる効果や利点
・新規性と進歩性:発明が背景技術と異なり、その単なる組み合わせでもないこと
ゆう:まず、自然法則を利用したものじゃないと特許法上の発明って認められないんだ。だから、自然法則を利用するような技術分野をAIに伝える必要があるんだよ。
例えば、経済法則、ゲームのルール、ビジネスモデルとかの分野はNG。IT技術を使った投資アドバイスやゲームや電子商取引等の分野ならOKなんだけどね。
りょう:なるほどね。他には何か必要な条件があるの?
ゆう:背景技術と、その問題点や改善すべき点(発明が解決しようとする課題)をAIに伝えることが大切。発明って課題を解決する手段のことだからね。
さらに、発明によって得られる効果(発明の効果)も伝えると、目的がより伝わるよ。
りょう:それだけで大丈夫なの?
ゆう:いや、もう少し条件があって、発明が新しいこと(新規性)、そして単なる背景技術の組み合わせではないこと(進歩性)も伝える必要があるんだ。
具体的にどのような指示を与えるべきか
りょう:具体的に、AIにどんな指示を与えたらいいの?
ゆう:さっき話した内容をChat GPT 4に伝えて「発明をしてください」と依頼することになるんだ。テンプレートを準備しておくと便利だよ。
りょう:どんなテンプレート?
ゆう:大切なのは、①何をして欲しいか②背景や前提(文脈)③どのように回答して欲しいか、を明確に伝えることができるテンプレートであること。
例えば、以下のようなテンプレートだね。技術分野、背景技術、発明が解決しようとする課題、発明の効果を入力することで、目的に応じた発明を依頼することができるんだ。
[コンテンツの詳細]:このコンテンツは発明です。
[技術分野]:
[背景技術]:
[発明が解決しようとする課題]:
[発明の効果]:
[C1]:[技術分野]において、[背景技術]が知られています。しかし、[発明が解決しようとする課題]があります。[発明が解決しようとする課題]をすべて解決し、[発明の効果]を得ることができる発明を行ってください。この発明は[背景技術]と同一であってはいけません。この発明は[背景技術]の組み合わせから容易に創作できるものであってもいけません。発明の名称を示した後、発明の特徴を箇条書きで説明してください。
[C2]:なぜ、その[発明]によって、[発明が解決しようとする課題]が解決され、[発明の効果]が得られるのでしょうか。根拠を説明してください。
>Run commands [C1][C2]
ゆう:ここでは、発明だけでなく、それが課題を解決して効果が得られる根拠も求めてみた。
実際にChat GPT 4に発明させてみると
ゆう:じゃあ、実際にやってみようか。
最近注目されている「宅配物の再配達問題」を解決する発明を依頼してみよう。
この場合の指示は、例えば、以下のリンク先のようになる。これをChat GPT 4に入力するだけで発明してくれるよ。
りょう:早くやってみて!
ゆう:OK!ちょっと待ってね・・・出てきた!
Chat GPT 4が発明したのはこれ。
Chat GPT 4による発明「スマート受け取りアシスタント」
・荷物受け取り者のスマートフォンやウェアラブルデバイスにインストールされるアプリケーション。
・荷物受け取り者の行動パターンやスケジュールを学習するAI機能を搭載。
・荷物受け取り者の不在時に最適な受け取り場所を予測し、宅配業者に提案する機能。
・荷物受け取り者に通知を行い、受け取り場所の変更や受け取りの確認をリアルタイムで行える機能。
・配達ルート最適化機能を、荷物受け取り者の予測される受け取り場所に応じて動的に更新する機能。
ゆう:ちゃんと、さっきのChat GPT 4への指示で指定した課題を解決してるよ。
・AI機能により、荷物受け取り者の行動パターンやスケジュールを学習し、不在時に最適な受け取り場所を予測できるため、再配達の手続きや後日再配達する手間が削減される。
・荷物受け取り者が通知を無視する場合でも、AI機能による受け取り場所の予測が行われるため、確実に荷物を受け取ることができる。
・配達ルート最適化機能が動的に更新されるため、荷物受け取り者の予測される受け取り場所に応じて最適な宅配ルートで配達ができる。
・宅配ボックスやドローンを必要としないため、それらの設備が利用できない状況でも問題なく利用できる。
りょう:すごいね!ちゃんと発明ができるんだ。
ゆう:そうだね。以前のChat GPT 3.5は、ここまでは無理だったんだけどね。すごい進歩だよ。
りょう:作ってくれた発明に似た技術を見つけたら、別の発明をしてもらえる?
ゆう:その似た技術をさっきのテンプレートの[背景技術]に追加して、それを避けた発明を考えてもらえばいい。
技術調査も自動化すれば、特許をとれる発明を効率的にすることもできる。誰が発明者なのかって点は、これからのテーマだけどね。
りょう:なるほど。これで誰でも発明できる時代が来るかもね。
今回のまとめ
以下が今回のまとめになります。
Chat GPT4は発明をすることができる。
Chat GPT4に「どんな発明をしてほしいか」を明確に伝える。
特許をとれるレベルの発明を狙うなら、発明の技術分野、背景技術、発明が解決しようとする課題、および発明の効果を伝える。
さらに、新規性と進歩性が必要であることも伝える。
指示はテンプレートを使うと効率的。①何をして欲しいか②背景や前提(文脈)③どのように回答して欲しいか、を明確に伝えることができるテンプレートがよい。
以上ポイントをまとめました。本格的なAI時代の新たな可能性を探る上で、ご参考いただければ幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
弁理士 中村幸雄https://docs.google.com/forms/d/1oLtmon268KUTsEiMQF8Qoq6g877G9bjpxdCc5zWYZLc/edit