自分のものになっていく感じ
つい2、3日前
北海道は朝方気温が1桁になりストーブを使うお家がたくさんあったのをTwitterのトレンドで知った。どおりで足先が冷たかったわけだ。
今日はちょうど合間の良いお天気で青空が眩しかった。
私は一次預かりしてもらっていた実家を出て明日引っ貸しする。
今日は不動産屋さんに市営住宅の鍵をもらってから、新居に行ってきた。
もちろん一人では移動できなくて、両親に車を出してもらって、はては腕につかまらせてもらって歩く。
私が入居することにな市営住宅の部屋はエレベーターからとても遠い。
長い廊下の突き当りをさらに曲がって辿り着く。
廊下は広くて手すりがついている。
その手すりをなぞる様に寄りかかるようにしながらなんとか部屋にたどり着く。
親譲りの方向音痴で、一度逆の方向に途中まで行って戻ってきたので部屋にたどり着いてすぐに床に横にならなければいけなくなった。
しばらく水を使わず閉め切っていた部屋は、排水の独特の匂いで充満していて、たまらず親にすべての窓を開けてもらって換気扇のスイッチも押してもらった。
日当たりがよく風通しもいい。
私が床に横たわって休んでいる間に、持ってきた掃除機で部屋の掃除をしてもらった。
掃除機をかけ終わったあと、使い捨てのアルコール除菌シートでさっと床を拭いていく。
今まで他の人が使っていたような痕跡はさほどないのだけれど、ひと拭きすることで「自分の部屋になるんだな」という実感が湧いてくる。
よそよそしい、知らない部屋、という感覚をふき取っていく。
足元を固めて自分の陣地にする感じ。
明日の水の開栓を立ち会うまでは、どこに水落ししている元栓があるかわからないので、今日はこの1時間くらいの間でかんたんな掃除と大きな荷物の配置を確認してきた。
殆どは親に頼りきりで大したことはしていないのだけれど、「床を拭く」という私のものになっていく感覚を残して、また実家のお布団で転がっている。
ここ半年くらいは座っていることに前よりも耐えられない感じが強い。
車の後部座席にも靴を脱いで丸まるようにして乗っている。
起立不耐性が強いなと感じてもできることは身体を水平にすること以外はわからないから仕方がない。
明日の引っ越しでは、私が廊下を歩くことを最小限にするのが1つの目標。二往復しなければいけない予定なのでその後どんな体調の変化になるかとても怖いところではある。
不安もあるけれど、新しいことへわくわくする気持ちも大きい。今の自分で無理しすぎずにできることを少しずつしていこう。
実家に戻って玄関までの間にたくさんのお花とその香りに癒やされた。
大好きなすずらんの芳香は独特な甘さと爽やかさがある。
真っ赤なツツジがとても鮮やかで。
目の覚めるような赤とはこういうのなんだなと。
引っ越しする私はきっと見られないなと残念に思いながら蕾の花たちを写真に収めました。
赤い牡丹は去年も美しかったなぁ。
芍薬もたくさんの蕾をつけていました。
実家は病状が悪化した10年前からお世話になって。
今は緊急避難として市営住宅に入居できるのを待っていた状態。
花たちから離れるのはかなり寂しい。
実家のおいしいごはんを食べられなくなる、時間になると美味しいものが出てくる場所から離れるのは残念だけれど、自立して生きていけるように整えないと。
いつまでま親に頼っていられないから。