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猫のように
人間だけかもしれないね。
こんなにも幾つもの感情を
持っている生き物は……と、
膝の上毛繕いする猫を見て想った。
眠い目をこすり目覚めた朝も、
どんな時もマイペースで、
まるで猫の頭の中は2つの色が織り交ざりあう
マーブル色のよう。
人間の頭の中は、紺色ひとつとっても
その色の濃さは計り知れない程。
それはそれは複雑な感情の色が渦を巻き、
時折名前のない色を産む。
問いかけてみる。
私『どうやったら、そんな風になれる?』
猫『そうだにゃぁ…考えにゃい。』
私『考えない、かぁ…』
猫『そうそう!シンプルだよ。
寝て、食べて、遊んで、食べて、寝る…にゃ。』
私『そっかぁ。つまりは…生きることを楽しめば
いいのかな?』
猫『にゃ🐾』
…そんな答えが返って来そうな寝顔。
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人も犬も猫も皆んな、
食べて、寝て、好きなものに囲まれて
また歩き出すチカラが湧いてくる。
そう、
今を生きている…
ただそれだけの幸せ。
この広い空を見上げながら、
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複雑な感情の色が渦巻きそうになったら、
ふと立ち止まってみよう。
見上げた空に、
あなたが想い浮かべるもの。
それはきっと…
本当に本当に大切で、
ギューって抱きしめたい程のもの。
それだけで幸せな気持ちになれるでしょう?
疲れた体と心に必要なものは、
愛するものの温もりと、
変わらない日常の風景。
猫のように、
体を丸めては背伸びをする。
そう…
今日も生きているんだね、
私もあなたも。
そう思えれば、
優しさの芽が小さく顔を出す。
みんなひとりひとり、
人生とゆう名前の旅の途中…
なんだろう。
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膝の上、まどろむ猫に
学んだ瞬間だった。