髪を結う
娘の髪はまっすぐでサラサラ。
私の髪はくねくねでゴワゴワ。
今、2人して伸ばしている最中。
目標はヘアドネーションできる31センチ以上。
ヘアドネーションについて新聞記事を見て知り、一緒にやってみようか!と話してから1年半。
ようやくお互い背中の真ん中くらいに到達した。
ばっさり切った時、ボブくらいになるように計算すると、あと半年くらいはかかるだろう。
娘は当然、今のところ人生史上最長である。
私も実は、人生史上最長記録を更新し続けていることになる。
結婚式を挙げる時も伸ばしたが、ここまで長くはなかったし、式を終えるとためらいなくばっさり切ってしまった。
背中を髪がなでる。
経験したことのない、くすぐったい感覚を味わっている。
しかし、これだけ伸びてきても悲しいかな髪の毛を結うのはとても苦手だ。
私は元来毛量が多く、うまくまとまらないタイプだ。
小中高を通して常にショートカットかボブで、アレンジとは無縁の少女時代だった。
そんな私は1つ結びか、ひっつめ髪が関の山だ。
娘の髪にも、本当なら、編み込み、シニヨンなど可愛いアレンジを施してやりたい気持ちがあるにはあるが、不器用さと苦手意識が勝りいつも1つ結びかクルリンパになってしまう。
でも、最近覚えた【ボリューム編み】を娘が気に入ってくれたので、ここ三日ほど連続でボリューム編んでやっている。
するとやはり不思議なもので、日ごとに精度が増してきているように感じる。
今まで苦手だと思っていたのは間違いで【やらず苦手】だったようだ。
髪を梳かし、まとめ、結う。
小さな頭が私の手の動きに合わせて小刻みに揺れる。
こっち向いて、じっとしてよ。声をかける。
髪を手のひらに集めながら、今日の晩御飯なにがいーい?たずねる。
髪を結うことはスキンシップ。
あなたが大切、そう伝える行為。
だとしたら、明日も明後日も、伝えさせてほしい。
髪の毛をそろって寄付する頃までには、アレンジの技も増えているはず。
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