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お祓いの話

昨今のスピリチュアルブーム、御朱印ブームで
神社にお参りする人もずいぶん増えました
物事はすべて陰陽で表されますので
良いことばかりでもありません
それによる恩恵も弊害も色々あるので
いつかお話しする機会を設けたいと思っています

ただ、今はもっと気軽に神社へお参りしてほしい
そんな思いがベースにありますので
まずは皆さんのお困りごとに
ヒントになるような記事をご紹介していきたいと思います



お祓いの話

1.お祓いってなあに?


皆さんは神社に行かれる理由はなんですか?
夏休みですので観光目的の方も多いかもしれません
でもシーズンじゃない時に
神社にかかってくる問い合わせで多かったのが
「お祓いできますか?」
そんなお尋ねが多かったように思います
ユキノモリはすぐに
「やっています、やっていません」とは
お答えしませんでした
お答えできなかったというのが正解かもしれません
それは神社が言うところの『お祓い』と
皆さんがお尋ねになっている『お祓い』に
乖離があることが多かったから

神社が示す『祓い』とはどんなものでしょうか?
確かにユキノモリがいた神社でも『祓い』は
存在していました
『祓詞』や『大祓』
でもご祈祷の中に『祓』のつくご祈祷はなく
皆さんがよく口にされる「厄祓い」ですら
勘違い、言い間違い(聞き間違い)なんです
正しくは『厄除(やくよけ)』
除けることはしても祓いはしません
つまり神様は人についた何かを祓うということは
残念ながらされないんです
『祓詞』は修祓(しゅばつ)とも言われますが
祈祷を行う前に場の穢れを浄めるために
詞を奏することを言います
『大祓』は半年ごとに溜まった穢れを浄める行事です
浄めるには炎や水の力を使いますが
『大祓』は水によるお浄めです
実際に水を使う訳ではなく
大祓の詞の中に記されており
それも皆で一緒に奏することでお祓いになっています
また茅の輪をくぐるのも、葦を使っているからです
古くから葦は水を浄化すると言われてます
琵琶湖で大切に育てられているのは
滋賀県のみならず日本の大切な水を守るためです
また『大祓』では
人形に穢れを移したものを神社へ集めます
持ってきていただいたり、その場で移していただいたり
郵送していただいたり
人についたものを直接祓わず場に納めてもらうためです
集まった穢れを一緒に祓う神事、それが『大祓』です
昔は馬形などもありましたが、現在は車形などを
用意されているところがあるようです
この形に穢れを移していただければ
どこの誰かはわからなくてよいのです
人形に穢れを移された時点で
その方からは穢れが外れますので
その方のいらっしゃる所(土地)がクリーンになります
縁のある方々の多くは氏地(土地)に住まわれているので
必然的に氏地(土地)を清めているわけです

『大祓』は1年に2回
「夏越(なごし)」「年越(としこし)」の半年で
それぞれ晦日の夕方に行います
「年越」では茅の輪くぐりはありません
昔は夏の疫病が穢れのメインだったからでしょう
今ならインフルエンザやコロナも
季節変わらず流行していますので
冬も茅の輪くぐりが必要なのかもしれませんが
残念ながら葦が背高く伸びるのは夏だけなので
何か他にできることを
考えないといけないのかもしれませんね🙄

では観光に来られて
氏地ではないところに住んでいるのに
なぜ祓うのか?
一度でも神社にお越しになられた方は
そこでご縁が結ばれます
神様はご縁を大切になさいます
何らかの理由で行くはずだったのに行けなかった
それはご縁がなかったということです
よく「呼ばれた」「呼ばれていない」と
話をされる方がいらっしゃいますが
これもご縁の話です
あと神様ネットワークというのがありまして
神様って基本的に神様同士で喧嘩はしません
その話もおいおいしていきたいと思いますが
私のところに来た誰それさん
あなたのところの氏子さんだけど
こっちで祓っておいたよ
そういうやり取りはあるようです
住所を言うのもそのためだったりもします
神社周辺の氏子さんたちのための神事ですが
ご縁を結んだ方々の穢れも一緒に祓いますよ
遠くから来ていただかなくても
人形に穢れを移してくだされば祓いますよ
それが大祓の趣旨です
穢れを移されていない人形はただの紙切れなので
前記事で捨てても問題ないと説明したのは
そのような事情からです

いかがでしょう?
『お祓い』について少しイメージできましたでしょうか?

イメージできた方から先に進んでいきますね

2.神様ができること、神主さんができること


一般にお祓いを求めてこられる方の真意は
「自分についた何かをはがしてほしい」
ということが多いように感じました
threadsでお尋ねになられていた方に
お答えしたことはあるんですが
この種のご依頼は
引き受けできない神社がほとんどです
理由は先ほど述べたように、神様が祓うのは
往々にして「場(土地)」であるということと
いわゆる「除霊」や「浄霊」という案件は
神社で引き受けるべきものではないということです
言い換えれば、
そうした技術は神主の資格を得るための
学習の中には含まれていないからです


3.霊能力と霊媒師



「ほとんど」と申し上げたのは
当然ながらそれができる神社も存在しています
神主になった後にそのようなことに興味を持ったり
先祖代々の神社をお継ぎになった方が
神社を運営する資金のためや
ご近所様との関係性を守るため
技術を取得されることはあると思います
また、もともと霊能力の強い家系に生まれ
ご自身が何らかのお力を有されていた
その後にたまたまついた職業が神主だった
そんな方のいらっしゃる神社だと
皆様のおっしゃる『お祓い』=除霊・浄霊
ができる神社もあるとは思います
要するに霊媒としての力を持った方が必要で
全ての神主ができるわけではないと言うことです

それゆえにユキノモリはすぐに
できる、できないはお答えせず
『お祓い』のご希望する内容について
詳しくお尋ねさせていただいておりました
神主=霊媒者と勘違いされている方は
ここで話したことをお伝えし、お断りします
たいていの方は間違いに気が付かれ
他のところへお問い合わせされます
あるいは
「じゃあどこへ問い合わせすればよいか?」
と合わせて尋ねられることもありますが
それは神社が斡旋することではないので
ご自身でお調べいただくようにご案内していました

霊媒体質についても色々あるようです
見えるだけの人もいれば
感じて困ったことに巻き込まれる人
ちゃんと自分で防御までできる人
でも必要なのは「浄霊」ができる人です
職業として霊媒を名乗っておられる方です
(対価を支払うかどうかはその方次第と聞いています
お金をもらうと霊力がなくなるとおっしゃる方もいるらしい)
「視える」だけでは占いと同じ分類です
かならず「浄霊」ができる方をお探てください
聞く所によると
「除霊」は一時的にはがすということらしく
何度も戻ってくるケースもあるとか

もちろんユキノモリは
そのような技術を持った方に知り合いはいませんので
元神社職員として皆さんにお伝えしたいのは
人に憑いた幽霊をはがすことはできないんですよって話
あくまでこれがスタンダードのお話です

4.外祭とご祈祷


補足ですが
神社では「場(土地)」を祓うことができると
先に申し上げました
あなたのお家やや会社
これから何かを建てようとする場所を
浄めることはできます
『清祓』や『地鎮祭』などです
神社の外に出て(あなたのところへ出向いて)
執り行う神事を外祭(出張祭典)と申します
これもれっきとした神主さんのお仕事です

こちらも知りたい方のために別に記事をあげますので
少しお待ちください

長くなりましたが、最後にもう一つ
『お祓い』についての単純な勘違い
『ご祈祷』=『お祓い』と思っていらっしゃる方
これも良くあります
ご祈祷は読んで字の如く寿を祈ることです
例えば「家内安全」だとか「商売繁盛」とかです
最初にお話ししましたが「厄除け」もそうです
これを『お祓い』と間違えている方も
たくさんいらっしゃいます
ご祈祷は神主さんが常駐されている神社なら
どこでも受けられると思いますので
きちんと『ご祈祷』と覚えてくださると
スムーズだと思います



神社にもっと気軽にお参りしたい
でも色々わからなくて躊躇しちゃう
確かに今のようにお気軽にどわーっと行っちゃうと
神様怒ったりしませんか?
そうですね
ユキノモリ自身も実はちょっと思っています

でもね、神様ってみんなからお祈りされないと
いつかは消えちゃうんです
日本の神様だけじゃありません
どんな国のどんな神様もです
だから尚更もっと知ってほしい神社のこと
良いこと悪いこと
今までおじいちゃんおばあちゃん
近くの大人たちが教えてきてくれたこと
なかなか知ることができなくなってきました
このnoteが少しでもみなさんのお役に立てれば
そんな気持ちで綴ってみました

ご質問、リクエストあれば
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