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【衆議院選挙2024】注目選挙区10選!情勢解説 (北海道〜東京) 前編


総選挙始まる

いよいよ解散総選挙が始まります。まもなく公示を迎え、各候補者は真剣に選挙活動に集中するでしょう。勝っても負けても、選挙は2-4年に一度であり、落選すれば無職です。
また今回の選挙では10増10減に伴い、地方でも選挙区が大変広いところもあります。そのため秘書やスタッフもスケジュールを組むのも大変であり、執行部も大変なご苦労があることは確かです。

今回はその中で少しでも多くの方に選挙を楽しんでいただけるように、各注目選挙区を全5回に分けて解説いたしますので、よろしくお願いします。

北海道5区 

まずは北海道5区です。

札幌市白石区 (北東白石連合町内会管内)
札幌市厚別区
江別市
千歳市
恵庭市
北広島市
石狩振興局管内

和田義明(自民)
池田真紀(立憲)
鈴木龍次(共産)

候補者はご覧の3名ですが、注目すべきは自民党の和田前議員と元職の池田氏です。

当選挙区は過去1回のみ野党が小選挙区で勝った経緯がありますが、今回は裏金問題の震源地であり、元安倍派会長の町村元官房長官の地盤です。

その町村元官房長官の娘婿であり裏金議員の一人として報じられたのが和田前衆院議員なのです。そのため保守が強い5区ですが、当然逆風も強いと予想できます。

一方で池田真紀元衆院議員は過去3度に渡り和田氏に敗れ、今回は四度目の挑戦となります。2021年の落選中は一時、立憲からの要請で2023年北海道知事選挙に出馬するも479,678票にとどまり、現職の鈴木知事に1,692,436票にトリプルスコアで敗れ落選しました。

再び5区の支部長に戻り今回は4度目の戦いに挑みます。

裏金議員の選挙区なだけに今回は大型のゲストが北海道5区の選挙区に来ております。そのため政権交代または与党への圧力を実現するには5区の奪還が関ヶ原の戦いになるでしょう。

※和田前議員は比例復活できません。

【過去3回の選挙結果】
第47回衆議院議員補欠選挙 北海道第5区
和田(自民):135,842票
池田(無所属):123,517票
第48回衆議院議員選挙 北海道第5区
和田(自民):142,687票
池田(無所属):135,948票
ほか幸福実現党
第49回衆議院議員選挙 北海道第5区
和田(自民):139,950票
池田(無所属):111,366票
ほか共産と無所属

注目の選挙区です。

秋田1区

秋田1区は石破Gの自民の冨樫前議員、立憲の元総理補佐官の寺田前議員の4度目の対決となります。

秋田市

冨樫博之(自民)
寺田学(立憲)
松浦大悟(維新)
鈴木知(共産)

注目はやはり4度目の冨樫vs寺田であり、県議を5期務めあげ議長経験のある冨樫氏は2012年以降、4度に渡り議席を守り続けました。前回の総選挙でも野党統一候補の寺田にわずか5,000票ほどの差まで追い詰められるも、かろうじて逃げ切ることに成功しました。今回は前回以上の逆風ですが、再び逃げ切れるかが注目されます。

対するは寺田氏です。寺田氏は2003年から3期連続で小選挙区で当選し、今回は再びの小選挙区奪還を目指します。政倫審では安倍派座長の塩谷元文科大臣など安倍派幹部の相手をしたことで、一時はメディアで注目されていました。

今回は野党統一候補でもなく、かつて1区を巡り候補者調整にて外された経緯もある維新の松浦大悟氏もいるため、難しい部分があるものの、奪還できるかは注目されます。

第46回衆議院議員総選挙 秋田県第1区
冨樫博之(自民)73,356票
寺田学(民主)49,243票
他3名
第47回衆議院議員総選挙 秋田県第1区
冨樫博之(自民)66,388票
寺田学(民主)57,782票
他2名
第48回衆議院議員総選挙 秋田県第1区
冨樫博之(自民)79,442票
松浦大悟(希望)53,850票
他1名
第49回衆議院議員総選挙 秋田県第1区
冨樫博之(自民)77,960票
寺田学(立憲)72,366票

果たして選挙結果の行方に注目です。

栃木4区

続いて栃木4区です。

小山市
真岡市
下野市
芳賀郡
下都賀郡

4区は前回の総選挙ではわずか僅差まで追い詰められた選挙区であり、今回は自民も立憲も前職が相手となる構図です。

佐藤勉(自民)
藤岡隆雄(立憲)
川上均(共産)

やや大票田なのは小山市であり、お二人とも小山市と真岡市に事務所を持っています。

佐藤氏は元麻生派所属の前議員で、裏金議員ではないものの、前回の票数の差から見て今回はなかなか油断できないでしょう。自民党の元総務会長を務め、ご子息は栃木県議会の議長を務め上げるなど、保守と佐藤氏の地盤においては強いものの、今回の総選挙では油断なりません。

対するは藤岡氏ですが、こちらもまた立憲系の議員数は少なく、今回は野党統一候補でないため、なかなか勝ちにくい構図となります。
立憲にとっては追い風ではあるものの、勝ち切れるかは不透明です。

小山市長選では自民系の市長を破り現職が2期目の当選を果たしたものの、国政選挙にすぐ繋がるかは不透明です。

なお過去の選挙結果は以下のとおりです。

第46回衆議院議員総選挙 栃木県第4区
佐藤勉(自民)109,762票
藤岡隆雄(民主)49,021票
他3名
第47回衆議院議員総選挙 栃木県第4区
佐藤勉(自民)114,328票
藤岡隆雄(民主)62,251票
他3名
第48回衆議院議員総選挙 栃木県第4区
佐藤勉(自民)111,167票
藤岡隆雄(希望)76,294票
他3名
第49回衆議院議員総選挙 栃木県第4区
佐藤勉(自民)111,863票
藤岡隆雄(立憲)107,043票

前回は藤岡氏は比例復活しました。今回は5度目の挑戦で悲願の小選挙区で当選できるか?注目です。

茨城3区

結構、面白くなりそうなのは茨城3区でしょう。
ここはかつて法務大臣を更迭された葉梨氏が地盤の選挙区です。

龍ケ崎市
取手市
牛久市
守谷市
稲敷市
稲敷郡
北相馬郡

葉梨康弘(自民)
梶岡博樹(立憲)
橋口奈保(維新)
大内久美子(共産)
加川裕美(れいわ)

前職の葉梨氏と新人の梶岡氏が戦うことになる構図でしょう。

基本的に保守王国なため、実際自民が落とすことはなかなか想像しにくいところですが、法務大臣時代の発言のこともあり、こちらも油断ならない選挙選になるでしょう。

現に立憲の幹事長も来ることもあり、注目される選挙区です。

対する前職の葉梨氏に関しては法務大臣更迭以降は地元活動に集中していて、こちらも陣営が引き締めていることが感じられます。

総裁選では林芳正官房長官を支持していましたが、今回は有力議員からの応援があるかも注目されます。

過去4回の総選挙で葉梨氏は10万票以上を獲得していたものの、今回は逆風もあり10万票を下回る可能性もありそうです。

埼玉5区

一番、予想だにしていなかった面白い選挙区は埼玉5区でしょう。

前回の総選挙では立憲の代表を務めた枝野氏ですが、結果は自民の牧原氏に接戦まで追い込まれ、一万を切る差でなんとか逃げ切りました。

さいたま市西区
さいたま市北区
さいたま市大宮区
さいたま市中央区

枝野幸男(立憲)
牧原秀樹(自民)
山本悠子(共産)
辻村千尋(れいわ)

枝野氏自身が立憲内でも左に位置付けられる国会議員ですが、しかし今回の総選挙は共産とれいわが候補者を擁立したことで、左の票も一定程度の分散が見込まれます。加えて牧原氏が法務大臣に就任したことのご祝儀相場もあり、これが地元でも追い風になれば当然、枝野氏が小選挙区で落とされる可能性もあるのです。

もちろん立憲の創設者であることから、応援演説の弁士としての役割は外すことはできません。現在、日程を見ても埼玉5区と比較的近いところで日程が組まれていることが伺えます。

対するは自民党の牧原氏ですが、2009年と2017年を除くとかろうじて枝野氏と接戦に持ち込んでいます。ここがポイントです。

枝野元代表が地元に集中するか否かで情勢が見えると感じ、今回の選挙では牧原氏が制するかはまだ言いにくいのです。

特に埼玉5区は埼玉1区、埼玉15区、埼玉16区、全て革新系が強い地盤であり、枝野氏以外も候補者を擁立しています。

ここら辺も注目して見守らなければなりません。

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