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比例復活をなくすべき! 単純小選挙区制は本当にメリットか?




結論:小選挙区で外れた民意の活用次第

国民民主党内では、次期衆議院選挙において
比例復活当選を廃止する選挙制度改革案が浮上しています。

この国民民主党の提案は、
比例復活当選者が他党へ移籍することにより、
民意が正しく反映されなくなる
懸念が背景にあります。

なお2021年の衆院選で比例復活された
国民民主の議席と議員名は
以下の通りとなります。

比例獲得議席:5議席
(内容):
北関東ブロック:1議席(鈴木義弘)
南関東ブロック:1議席(鈴木敦)
東海ブロック:1議席(田中健)
近畿ブロック:1議席(斎藤アレックス)
九州ブロック:1議席 (長友慎治)

昨年末の党分裂時、
比例復活当選者の2名が新党に参加し、
結果として議席が「奪われた」
ことが問題視されています。

なおそれを言ったら、
自民党はもっと不満でしょうし、
立憲も同じ思いでしょう。

【自民党を離党された比例の衆議院議員】
・堀井学衆議院議員
・秋本真利元外務政務官
・池田佳隆元文科副大臣(自民党を除名)
・塩谷立元文科大臣
・吉川赳衆議院議員

国民民主党が2名の被害ならば、
自民党は5名もの被害が存在します。

本来は自民党の議席であるはずなのに、
自民党を抜けられた方々が
国会議員を続けるかは、
国民民主党の理論ですと、
疑問が持たれることでしょう。

なお私は吉川赳衆議院議員は2022年の夏に
未成年飲酒とパパ活疑惑が報じられ、
当初はボーナスを受け取ってから
辞職されると思われましたが、
今もなお国会議員を続けています。

秋本さんは2023年秋、
他の安倍派の3名は2024年に
入ってからです。

事件についてとやかくは言いませんが、
しかし2022年に疑惑が報じられ、
2年間も辞めずに国会議員を
続けていることは
大変悪夢のような出来事でしょう。

比例復活当選の問題点

比例復活当選者が他党に移籍することは、
国会法により制限されていますが、
新党への移籍には制限がありません

だから国会議員が数人集まって、
新党を結成するのです。

国民民主党内で、衆院選での比例復活当選を認めないようにする選挙制度改革案が浮上している。次期衆院選の公約に盛り込むことも検討する。背景にあるのは、政党の得票によって議席を得た比例復活当選者が他党へ移った場合、民意が正しく議席配分に反映されなくなるという懸念だ。昨年末の党分裂の際、復活当選者が新党結成に参加し、結果として議席が「奪われた」ことへの問題意識が底流にある。

出典:産経新聞 2024/7/4 国民民主で「比例復活廃止論」浮上 前原新党への〝移籍〟に懸念「ゾンビの制度なくそう」

国民民主党では、前原誠司氏や斎藤アレックス氏が新党を結成し、
これにより比例復活当選者が
議員辞職を勧告される事態となりました。

政党としてはマイナスです。
このような事例が比例復活制度の
問題点として浮き彫りになっています。

なお新党である教育無償化を実現する会は
維新と統一会派を組んでいるため、
合流の可能性は極めて高いでしょう。

【教育無償化を実現する会】
代表:前原誠司
副代表:嘉田由紀子
幹事長:徳永久志
政調会長:斎藤アレックス
国対委員長:鈴木敦

比例復活はゾンビではない

比例復活廃止の提案

国民民主党幹部の榛葉賀津也氏は、
比例復活当選者が「ゾンビ」と
揶揄されることに言及し、
この制度の廃止を提案しました。

ゾンビと言われることは、
例えば小選挙区での民意が落選と
出たのに、惨敗率によって党が獲得した議席で
復活し、同じ給料をいただき
国会議員を続けられること
です。

そうなんです。小選挙区でも比例区でも同じ
給与額なんですよ。待遇も基本同じです。

そのため比例で当選しながら他党へ移る議員を問題視し、
「就職活動のように国会議員を続けるべきではない」
と強いトーンで述べました。

そして新党結成の時期は11月末です。一体どうしてか?

答えはこちらの記事にあります。

政党交付金の算定基準日は1月1日で、同日までに新党を作ればその年の政党交付金を受け取ることができるため、新党結成は「年末の風物詩」となっている。

出典:毎日新聞 2023/12/5 前原誠司氏が表明 新党結成が「年末の風物詩」になっている理由

これは国民の民意か?それとも議員個人の信条か?
私は問い続けたい。いえ問い続けなければならない。

バラバラな野党に不満を持つ国民は
多いのではないか?と思います。

これは法の趣旨に反した「抜け道」とされ、
立法府の不作為の結果であると批判されています。

比例選出議員は有権者の票(支持政党)によって
当選しているため、一方的にその民意を無視した行動は
許されるべきではありません。

不満を持つから離党される

しかし私は国民民主党の責任は全くないとは
言いたくはありません。

なぜなら国民民主党の玉木代表に対する
一部の不満は代表選で確認できるからです。

確かに党員や議員では
ほとんどが玉木代表にいれ、
前原氏は敗れました。

ただ無視してはならなかったのは
次期衆議院選に出馬される支部長の民意です。

玉木氏:6票
前原氏:7票

公認予定者は前原氏の方を選んでいることは、
少なくともバラバラな野党である
現状に不満を抱き、出来れば候補者調整という
結果を出して欲しいものとも伺えます。

せめて立憲と国民が1本化出来ていない現状は
これは自民党に利することで
しかないものである

重複立候補と惜敗率

現行の選挙制度では、小選挙区と
比例代表の重複立候補が認められており、
これが比例復活当選の仕組みを支えています。

候補者が小選挙区で落選しても、
候補者が最後まで健闘すれば
比例代表で復活当選する
可能性を残すことで、
残りの期間、選挙運動を
熱心に行う仕組みとなっています

国民はどう思いますか?

候補者のモチベを保つ上では理解できます。

しかし、この制度は有権者から「失格」
言い渡された候補者が再び当選することを可能にし、
小選挙区の民意を無視することになります。

ある総裁候補も

比例復活当選制度の廃止は、
議員定数削減にもつながると主張されています。

かつての総裁選で自民党の野田聖子幹事長代行は、
比例復活当選を廃止することで
議員定数を削減
できると指摘し、
小選挙区制度の検証も
必要であると述べました。

野田聖子氏はかつて
郵政民営化の際の造反議員の
一人でもずっと岐阜1区で
当選されています。

 議員定数削減をめぐり、2012年に野党・自民党の安倍晋三総裁と民主党の野田佳彦首相が定数削減と選挙制度の見直しに合意して、同年に衆院解散が行われた。野田氏はこの点について、「(自民党が)与党に戻るために約束したことを忘れているのか、忘れたふりをしている」と指摘。「そういう傲慢(ごうまん)さが(内閣)支持率の低下の一つになっている」と述べた。

 そのうえで、小選挙区で落選しても復活当選する重複立候補の仕組みが複雑だとして、比例復活当選を廃止すれば議員定数を削減できると指摘した。17年衆院選での復活当選議員は176人で全体の4割弱にのぼるが、廃止するべきだと主張した。

出典:朝日新聞デジタル 2021年9月19日 野田氏、議員定数削減めぐり「比例復活当選の廃止」を主張 総裁選

1996年の導入当初の目的であった女性議員の増加や
二大政党制の実現が達成されていない現状を踏まえ、
野田氏は制度の再評価が求められています。


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