自民党裏金問題の処分内容とは? 合法か違法かは選挙次第
正式な処分決定
今回の裏金?あるいは不記載の問題について、正式に処分が決定しました。
処分はこのような形です。
【処分内容】
離党・・・塩谷元文科大臣[安倍派座長]、世耕前参議院幹事長[安倍派参議院トップ]
党員資格停止[1年間]・・・西村前経済産業大臣[安倍派前事務総長]、下村元政調会長[安倍派顧問]
党員資格停止[6ヶ月]・・・高木前国対委員長[安倍派事務総長]
役職停止[1年間]・・・武田元総務大臣[二階派事務総長]、林元経済産業大臣[二階派会長代行]、平沢元復興大臣[二階派元事務総長]、萩生田前政調会長[安倍派常任幹事会幹事]、松野前官房長官[安倍派元事務総長]、2000万以上の不記載があった議員3名
役職停止[6ヶ月]・・・1000-2000万円の不記載があった議員
戒告・・・500-1000万円の不記載があった議員
今回の処分内容は極めて難しい問題であったとは感じます。
もちろん国民感情からすれば、この結果はおかしいと思うことも多いでしょう。
納税は1円単位なのに、なぜ500万円の不記載は許されるのか?
確かにそういった言葉が挙げられるのは、ごもっともですが、
一方でこれまでの政治家における不記載や派閥から
記載しなくていいといった圧力もあったり、
真相もわからない以上、誰にどのくらいの責任があるかは
詳細は分かりません。
その中での結果的に処分となったことで、
役職や金額を鑑みるとこの結果にならざるを得ないと言えます。
除名と事実上の引退表明した議員
まず今回の処分で重い決断をされた方は4名います。
一人は逮捕された安倍派の池田議員です。
この方は不記載の金額がもっとも高額で、逮捕され除名されました。
党で一番重い処分を池田議員は受けたのです。
続いて大野参議院議員、谷川衆議院議員に関しては
自ら離党され、谷川議員は辞職しました。
3名は法的にも自民党の国会議員としても処分は下されたのです。
しかし今日まで刑事罰には問われず、たとえ刑事罰に問われなくても
6億以上の二つの派閥での不記載が起きた以上、
それ以上の道義的な責任があるのではないか?ということも
国民からの厳しい視線に反映されました。それが政倫審です。
この政治倫理審査会によって、不記載の経緯等の冒頭の弁明、
そして与野党議員からの質疑で、国民に対する真摯な説明がなされると
当初は思いました。
しかし結局は国民が納得する結論は出ず、
安倍派のキックバック復活の経緯は結局誰だったか?
については疑問のまま終わりました。
その後、処分となったのです。
二階派トップは事実上の引退宣言、安倍派トップは離党処分、岸田派処分はどうなる?
今回の問題で刑事罰を受けた派閥は安倍派、二階派、そして岸田派です。
岸田派もまた二つの派閥に比べ非常に軽いですが起訴されました。
そのため党内には総理も処分を受けるべき!との声もある一方で、
派閥を畳んだことで責任を取ったとも声もあります。
そして昨日の会見でこのような発言もありました。
とのことです。
安倍派のトップは離党、二階派のトップである二階元幹事長は
次期衆議院選挙に不出馬という形で責任を取りました。
また当時の安倍派幹部も二階派幹部もまた
1年間の役職停止以上の処分を受け、
責任を取られました。
もちろん反発の声も当事者からもあり、国民からもあり、
党規委員会および自民党幹部からも
さまざまな議論がなされたかと思います。
しかし結局、この処分はあくまで党としてのけじめであり、
ここからは議員本人が選挙でけじめを受けることが民主主義の理想なのです。
不記載議員と選挙
本年、衆議院の解散があると言われ、参議院でも2025年に改選があります。
安倍派トップの塩谷氏は静岡8区の立憲現職である源馬 謙太郎氏との
厳しい選挙戦を無所属で迎えなければなりません。
世耕氏もまた和歌山1区では維新に議席を取られたことで、
厳しい逆風と維新の会の躍進で、厳しい選挙戦となるでしょう。
西村氏も維新の会はすでに候補者を擁立していますが、
おそらく兵庫9区は元明石市長の泉房穂氏が
立憲の候補として立候補される可能性もあります。
全国的にも知名度があり、何よりも立憲や共産がこの
兵庫9区に候補者を擁立していない点を踏まえると
可能性は高いでしょう。
下村氏の東京11区も共産党との候補者一本化次第で
立憲元職の阿久津氏との厳しい選挙戦が予想されます。
阿久津氏は民主党政権で総理補佐官や政務官を務め、
東京24区で小選挙区の当選を果たした経験もあります。
その他にも千葉3区の松野氏にも立憲の元職、東京24区の萩生田氏にも
教育無償化の会(維新と統一会派)、立憲民主党の候補者が擁立されると、
今回の選挙戦は大変厳しいものとなるでしょう。
もちろん地盤が安定していない若手議員も野党系候補に
苦戦する可能性も大きく、
党の処分の数倍厳しい戦いが待っています。
果たして今後の日本はどうなるか?注目です。