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106万円の壁撤廃が若者を苦しめる。


106万円の壁

労働者が抱える「3つの壁」

現在、我が国の労働者は、収入面でいくつかの「壁」によって働き方の選択を制限されています。この「壁」は収入の増加にブレーキをかけ、パートタイム労働者やアルバイトが意図的に収入を抑える原因となっています。以下が労働者が直面する3つの主要な壁です。

  • 103万円の壁:この壁を超えると所得税がかかるため、多くのパート労働者が収入を103万円以内に抑える動機づけとなっています。たとえ働く意欲があっても、所得税の負担が発生することにより、手取り額の減少を避けるために働き方を調整する人が少なくありません。この制約が経済全体の労働力供給に影響を与えているとも言われています。(主に学生)

  • 106万円の壁:年収が106万円を超える場合、一定の条件(従業員51人以上の会社で週20時間以上勤務)を満たすと社会保険への加入義務が発生します。この加入により、手取り収入が減ることから、このラインも収入の上限として認識されています。特に家庭を持つ主婦が、意図的に働く時間を調整して106万円を超えないようにしている状況が見られます。この壁は、労働者だけでなく、企業側にも影響を与えており、人材の流動性や確保に関わる問題を引き起こしています。(主に主婦)

  • 130万円の壁:ここでは所得税に加え、社会保険料の負担が大きくなるため、130万円を超えた場合、収入の増加が実質的な手取り額に与える影響が限定的です。この壁により、働きたい意欲がありながらも、手取りの減少を避けるために収入を抑える選択をする労働者が多く存在します。特に、家計を助けるために働き始めたパートやアルバイトの主婦層が影響を受けやすく、収入の増加が家庭の経済的な安定につながりにくい状況を作り出しています。(主に主婦や学生)



前回のNoteにて103万円の壁を取り上げさせていただきました。

しかし本当に恐ろしいのは106万円の壁を撤廃させ、手取りを減らさせる行為のはずです。いわゆる社保増税と私は考えています。もちろん実質賃金が上がり、手取りが増えることが当たり前となればいいのですが、残念ながら我が国のデフレマインドは完全に脱してはいない。

分厚い中間層の構築と労働者を守るような行動をすべきなのが政治の役目なはずだ。しかしなされていない。いったいなぜだろうか?

社会保険対象拡大によるメリットとデメリット

厚生年金の対象を広げることで、労働者にとっては老後の年金受給額が増えるというメリットがある一方で、現役世代には新たな負担が増えるため、社会全体での賛否が分かれています。以下にそのメリットとデメリットについて詳しく説明します。


  • メリット

    • 厚生年金に加入することで、将来の年金受給額が増えるため、老後の生活の安定に貢献します。国民年金だけでは生活資金としては十分でないことが多いため、厚生年金が個人資産の形成において重要な役割を果たしています。

    • 将来の年金不安に対する備えが強化され、経済的な不安が軽減される可能性があります。年金受給額が増えれば、それに伴い消費活動も活発化し、経済の安定と成長に寄与することが期待されています。

  • デメリット

    • 社会保険に加入することで、現役世代の手取り収入が減少し、家計の負担が増えるリスクがあります。年金制度の持続可能性を考慮すると、若い世代や低所得者層が相対的に大きな負担を負うことになりかねません。

    • 高齢化社会が進む中で、社会保障費用の増大が避けられないため、厚生年金の対象拡大が将来的に更なる税負担や保険料引き上げを引き起こす可能性があります。これにより、現役世代にとって将来の経済的負担が増える懸念があり、結果的には若年層の消費や資産形成に悪影響を及ぼすことも考えられます。

現役世代の手取りを守ることを求めてまいりたい。


年金モデルの崩壊の可能性に不安

将来の年金受給額への不安と見直し

将来の年金制度に対する不安は、特に若年層の間で大きくなっています。現在の年金支給体制を維持しつつも、厚生年金の給付額が減少する可能性が指摘されています。以下に具体的な予想を示します。

  • 2020年時点:現在の年金モデルでは、個人資産、厚生年金、国民年金がバランスよく構成されていますが、将来的にはこのバランスが変わる可能性が示唆されています。

  • 2050年時点(予想):年金支給額が抑制されるシナリオが検討されており、特に厚生年金が減少することで、個人の老後資産形成がより重要となると考えられています。年金だけに頼るのではなく、個人での資産形成や民間の年金制度(例えばiDeCoなど)に加入する必要が強まるでしょう。


基礎年金を守る代わりに厚生年金を切り崩すことを仮定してみると恐ろしいかもしれません。
ただいずれにせよIdecoやNisaなど国が最後まで面倒を見る体制がなかなか難しく、豊かな老後を過ごすには一定の資産形成は不可欠でしょう。

この問題は少し考えてみたい。


税収増の概念を財務省に与えたい

社会保障制度の安定化と将来の課題

社会保障制度を安定化させるためには、ただ単に税金を投入するのではなく、消費や投資の促進が不可欠です。以下に、これまでとこれからの取り組みを説明します。


世界でも社保のあり方、財政支出には様々なモデルがあります。もちろん日本に比べアメリカや中国は10歳ほど平均年齢が若いです。しかし高齢化はいずれ突入します。我が国は少子高齢化の最先端ロールモデルを築く国ですが、いつまでも続く出生数の減少に不安を抱きます。将来本当に年金は維持されるか?私たちの老後は大丈夫か?老後より今を心配するしかない。

そういった悲痛の声こそまさしく国民の政治に対する怒りではないか?パンやケーキを食べさせるように配慮するのが政府の役目のはずなのに、結局はパンもケーキもどちらも食べられない人間がいる。不安を抱えて命を落とした若者もいる。罪を犯して、更生の機会を与えても再犯する人間もいるし、デジタル上での私刑もある。

まずは手取りを増やして欲しい。それだけです。

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