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米国民主党下院トップ ハキーム・ジェフリーズってなにもの? 米国史上初黒人の党トップとは?


ハキーム・ジェフリーズ院内総務とは?

ハキーム・ジェフリーズ氏は現在、民主党の下院トップを務めています。

下院議会では多数派が共和党であるため、民主党は少数与党となります。
その民主党の少数与党の下院トップがジェフリーズ氏なのです。

それだけでなく彼はアメリカ史上初の黒人の党トップなのです。

これまで民主党でも共和党でも黒人が党のトップにはいませんでした。

じゃあオバマはなんなのか?と思われるでしょうが、オバマ氏はあくまで
米国の大統領であって、民主党の実務を担うトップではありません。

副大統領のカラマハリス氏も上院議長の役割を担いますが、
党のトップではないのです。

しかし民主党の下院院内総務(日本でいう衆議院国対委員長と幹事長
を合わせたものがついに黒人となったことは喜ばしい記録でもあります。

そして民主党は現在、下院では少数派ですが、
もしトランプが大統領に返り咲き、
2026年の中間選挙で例年通り、下院の多数派を失えば、
ジェフリーズ氏は早期に下院議長となる可能性の高い人物なのです。

だからこそ、バイデンでもトランプでも民主党の下院院内総務を
私たちは知る必要があるのです。

ジェフリーズの生い立ち

1970年8月4日、ジェフリーズ氏はニューヨークブルックリンで誕生します。

 薬物乱用カウンセラーソーシャルワーカーの間に生まれます。

その後、高校を卒業しビンガムトン大学へ進学します。

大学では政治学を学び、優秀な学生として文学士号を取得して卒業しました。

それだけでなくジョージタウン大学マッコート公共政策大学院で修士号を取得し、
後にニューヨーク大学ロースクールに通い、卒業後はニューヨーク南部地区連邦地方裁判所のハロルド・ベア・ジュニア判事の法務書記官となりました。

個人的に思ったんですが、アメリカの政治家ってハリス副大統領やジョンソン下院議長、ジェフリーズさんも含め、法曹界の方々が多いですよね(笑)

1998年-2004年までの6年間は個人の弁護士開業し、
米国テレビ局と企業との民間訴訟にも担当されました。

その間にも全米マイノリティ請負業者協会のニューヨーク支部で
政府との間を繋ぐ事務方を務めたり、進歩の黒人弁護士会会長でもありました。

ニューヨーク州議会議員として

2007年から2012年までニューヨーク州議会議員を
2期務められました。

しかも生まれた街であるブルックリンの代議士としてです。

そしてこの間、彼は70以上の法案を提出したことも有名です。

また州の中の代議士にも、早期にヒラリーではなく、
オバマ氏を大統領候補として支持したこともまた有名ですね。

州内の多くはヒラリーでしたが、その中でいち早くオバマを
支持したことで、8年間続いたオバマ政権の誕生を
支えたこともまた事実でしょう。

ウィキペディア情報ですが、大変重要な一句がありましたので
ここで掲載させていただきます。

"When I first ran for office, some people suggested that someone with the name 'Hakeem Jeffries' could never get elected, and when I saw someone with the name 'Barack Obama' get elected to the U.S. Senate, it certainly inspired me."
あるインタビューで彼は、「私が初めて立候補したとき、『ハキーム・ジェフリーズ』という名前の人は決して当選できないのではないかと示唆する人もいたが、『バラク・オバマ』という名前の人が米国上院議員に選出されるのを見たとき、 、それは確かに私にインスピレーションを与えました。」

ウィキペディア

その後、州議会としては刑事司法改革を推し進め、
州知事のストップ・アンド・フリスク・データベース法案を
起案したりしました。

下院議員へ 国政に挑戦

2013年、ニューヨク8区にて初当選したジェフリーズ氏は
1期目に刑務所船殉教者の記念碑保存法 (H.R. 1501; 第 113 回議会) を
提出しました。

翌年は自身が弁護士時代に取り組んできた課題である
ロースクールクリニックの創設の導入したりしました。

その他にも「殺害警察官家族支援法」や超党派による「ファーストステップ法」
「音楽の近代化法」などさまざまな法案を支持してきました。

そのため超党派的な役割もできる下院議員でもあるのです。

その中では「サマー・アット・ザ・サブウェイ」があります。

これは6月から8月にかけて地下鉄の駅近くで屋外夜間オフィスアワーを設け、
有権者とつながり、懸念を聞くことができるようにした

あまり例えが思いつかないのですが、例えば渋谷区が選挙区の代議士の場合、
渋谷駅前に議員がいて、有権者の声に直接耳を傾けるなどの行動です。

よく駅頭での街頭演説やミニ集会は自民も立憲も含めた日本の政党は
やっていると思いますが、議員が演説ではなく直接耳を傾けて駅前にいる
ことはあまりやっている人はいないかと思います。

だからこそこの辺って日米の違いでしょうか?

政治家が国民に演説等で声を届けてはいるのですが、
逆に国民から政治家に声を発信する場は意外と少ないかもしれません。

下院議長への道

2019年、民主党の元下院議長であるナンシーペロシ氏が再び下院議長に就任し、
その前年には下院民主党議員団委員長として選挙に勝利したジェフリーズ氏が就任しました。

民主党のナンバー5となり、国会議員生活6年目として
順風満帆なキャリアです。

2020年、連邦議会襲撃事件に際し、
ドナルド・トランプ大統領の初の弾劾では下院管理官7人のうちの1人に選ばれ、
弾劾裁判のメンバーの1人として選ばれました。

その後、下院の多数派だった民主党はわずかながら共和党に多数派を奪われ、
再び少数派に転落したことでナンシーペロシ下院議長は辞任し、
民主党として後継者はジェフリーズ氏が選ばれました。

下院民主党のトップです。

しかし多数派は共和党であり、ジェフリーズ氏は下院議長には
なれず、今に至ります。

果たして混迷する米国政治の中でジェフリーズ氏の手腕に注目です。

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