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【茂木幹事長】田中角栄の道を辿るタフネゴシエーター
自民党の頂、全てを賭け挑む
自民党の茂木幹事長にとって
総裁への道は決して楽なものではありません。
これまで政調会長や幹事長、経産大臣、外務大臣など
安倍政権、菅政権、岸田政権のいずれも
欠かせない人間となりました。
そのため総裁選の頂が目の前にある中で、
茂木幹事長が挑むのは総裁というポストです。
今回は茂木敏充氏について語りたいと思います。
民間外資から政界への道
茂木氏は実は世襲議員ではなく、
もともと民間の外資出身です。
足利の町で生まれ、上京して入社して
政界の道に行きました、
茂木敏充の生い立ちと政治経歴
茂木敏充氏は、栃木県出身で、
地元の足利市立北郷小学校に通い、
その後栃木県立足利高等学校を経て、
東京大学経済学部を卒業しました。
卒業後は、丸紅や読売新聞社に勤務し、
その後ハーバード大学ケネディ行政大学院で公共政策を学びました。
この時に後にトランプ前大統領から言われる
タフネゴシエーターの
原点があります。
詳細は毎日新聞の記事に載っておりますので、
興味のある方はぜひご覧ください。
帰国後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、
1992年には平成維新の会事務局長に就任しました。
なお平成維新の会は現在の大阪維新の会の創設者である
橋下徹氏がここから名前を取ったという
組織であり、代表は実業家の大前研一氏でした。
しかも当時の幹部が以下のように豪華なラインナップです。
会長:大前研一
事務総長:茂木敏充
事務局長:長島昭久
事務局長代理:長妻昭
顧問:稲盛和夫(京セラ会長)
自民、立憲の幹部が揃い、
さらに経営の神様が顧問である
豪華すぎるチームでありました。
そして平成維新の会結成の翌年で
1993年には第40回衆議院議員総選挙で旧栃木2区から出馬し、
トップ当選を果たしました。
なお日本新党で出馬した37歳の茂木氏は
61,865票で2位の自民党の藤尾正行氏は
61,628票で接戦の中での当選です。
1994年には日本新党が解党し、
その後無所属を経て自由民主党に入党。
以降、栃木5区から出馬し当選し続けています。
1999年には、小渕第2次改造内閣で通商産業政務次官に任命され、
政界でのキャリアを一歩ずつ積み重ねていきました。
政界での躍進
政界での躍進
茂木氏は、2002年に外務副大臣に就任し、
その後も様々な大臣職を歴任しました。
2003年には内閣府特命担当大臣に任命され、
個人情報保護や科学技術政策に携わりました。
また、2007年には自民党朝鮮半島問題小委員会の幹事長に就任し、
日朝関係の改善にも取り組んでいます。
2008年には福田康夫改造内閣で金融担当大臣として入閣し、
行政改革や公務員制度改革も担当しました。
2009年の衆議院選挙では民主党に猛攻を受けながらも当選し、
政治家としての地位を確固たるものにしました。
下野と政権奪還の自民
茂木氏は、自民党内でもその影響力を増していきました。
2011年には自由民主党政務調査会長に就任し、
2012年には日本経済再生本部の
事務総長にも就任しました。
2012年の衆議院選挙では大差で勝利を収め、
第2次安倍内閣で経済産業大臣に任命されました。
この後に転機が訪れます。
トランプ大統領誕生
米国で民主党のヒラリーが敗れ、
トランプが大統領に就任します。
米国ファーストのトランプ氏はオバマ氏と正反対の人物であり、
自国主義が目立ちます。
そのため日本としても米国との貿易は
重要であるため、「FFR(自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議)」
を行い少しでも自国の国益に利する成果を上げなければなりません。
そこで安倍政権は茂木氏に救われた結果でもあったのです。
経済再生担当大臣の役職と対米貿易の交渉は
ロバート・エメット・ライトハイザー米国通商代表を相手に
した外交で有名となり、トランプ氏からタフネゴシエーターとして
呼ばれるようになります。
他にも自由民主党選挙対策委員長や政務調査会長として
党内外での影響力を強化していきました。
外務大臣としてもポンペオ国務長官と
ブリンケン国務長官の2人の国務長官を
相手にした交渉力で、結果的に
自民党の幹事長へと就任し、
3年もの安定政権を支えました。
幹事長として残した成果
幹事長として残した成果は主に2023年4月の補選で
4勝1敗の成果を上げたこと。さらに少子化対策では
一律10万円給付も茂木氏から出た言葉です。
幹事長として少なくとも3年もの間、岸田政権を
支えたことは非常に大きな成果であり、
今後のキャリアに注目です。