山形3区、不動の自民党を崩すのは誰? #8【選挙解説】
まず今回、なぜ山形3区を取り上げるかというと、結構悩みました。
このブログはあくまで最低1県に1つの衆院選挙を取り上げようと思っていたんですが、山形県の3人の衆議院議員は全員お強く野党議員が比例復活出来ないほどなんです。1区は自民党総務会長の遠藤氏、2区は鈴木氏、3区は加藤氏ですが、いずれも自民党が圧勝している保守地盤です。なお維新の会も東北全体で苦戦するほど、自民党の保守層が支えている地盤なんですよね。
ですので今回は3区の加藤氏と野党候補についてお伝えします。
①山形3区のエリア
鶴岡市
酒田市
新庄市
最上郡
東田川郡
飽海郡
②加藤紘一氏の娘の地盤
当然ながら山形3区は加藤紘一氏の娘である加藤鮎子氏の地盤です。加藤紘一氏とはかつて加藤の乱で政界に話題になった方であり、加藤氏は2012年に総選挙で敗れ政界を去りました。以後は3期に渡り加藤鮎子氏の地盤となりました。
その加藤鮎子氏は当選3回の前国土交通大臣の政務官です。
しかも43回〜49回のうち1回を除く選挙区で加藤親子が当選しています。
それほど強固な地盤であり、1区が谷垣グループの遠藤総務会長であると考えると、宏池会系の地盤だと言えます。
③候補者紹介(予想される顔ぶれ)
ここで候補者を紹介いたします。
なお選挙制度において公平性を記すために現職・新人・名前と年齢、所属政党を記します。
自民【現職】 加藤 鮎子候補(44歳)
共産【新人】 山田 守候補(60歳)
今の所確認できたのはこの二方ですが、今後も増える可能性もありますので十分動向を注視して参ります。
④岸田総理との関係
山形での勝利は宏池会政権を支える1区の遠藤総務会長と3区の加藤議員です。
特に岸田派、麻生派、茂木派に加え、谷垣グループといった党内の派閥で現政権の骨格でありますゆえ、岸田総理としても山形での自民勝利は必須です。
一方で山形は野党はダメとかって訳でもありません。
参議院議員だと国民民主党の舟山参議院議員や無所属の芳賀参議院議員など、非自民系が勝利しています。
ですので仮に自民の保守票を獲得できるような国民民主党の勢力拡大や、非自民での野党共闘が実現すれば当選する可能性はあります。
⑤岸田総理は解散が難しい?
ここで最新のニュースです。現在、公明党の石井幹事長が東京での自公の関係改善を含む発言がありました。
ここ1・2ヶ月あたりで北川副代表→山口代表→石井幹事長といった形で公明党が東京での関係改善に応じるような含みのある発言があり、自民党は東京29区での公明党の候補を推薦する形になり、選挙協力の改善の動きも見え始めています。
一方で石井幹事長が解散総選挙については岸田総理が「決断しにくい状況になっている」との発言もあり、今年度の国会での解散は難しい見方もあります。
野党については既に維新の会が公明党との全面対決で、公明候補の小選挙区に候補者を擁立しています。
また共産党は立憲の候補者(特に埼玉5区)に候補を送り、野党共闘を迫っている状況です。
いずれも目を離せない状況ですので注目です。