
なぜ小池百合子は強いのか? しかし綻びもあり
都知事選の総括
今回の都知事選では小池都知事の3選が
予想されましたが、予想通りの3選となりました。
過去最多の56人が立候補した東京都知事選挙は、現職の小池百合子氏(71)が3回目の当選を果たしました。7日が投票日の東京都知事選挙は、自民党、公明党、国民民主党都連、地域政党の都民ファーストの会が自主的に支援した現職の小池氏が、広島県安芸高田市の元市長石丸伸二氏、立憲民主党、共産党、社民党が支援した元参議院議員の蓮舫氏らを抑え、3回目の当選を果たしました。
都知事選で3選された小池百合子氏ですが、
結果は290万票と石丸氏が160万票、蓮舫氏が125万票台と
大きな差があった当選です。
本当に衝撃かつ圧倒的な勝率での当選であり、
当初は反自民・反小池都政を掲げた蓮舫氏に
期待感はあったものの、
無党派層を制することはできませんでした。
そして予想外だったのは当初、3番手と思われていた
石丸氏が無党派層では小池都知事の票数を上回るとの
報道もあり、結果的に2番手となったことが大きいです。
なお石丸氏は小池氏と蓮舫氏と違い、
政党からの支援も地域の市議や区議、都議の
ネットワークがございませんので、
異例の票数でしょう。
蓮舫氏はなぜ敗れたのか?
ではなぜ蓮舫氏が敗れたのか?
それは無党派層の獲得の失敗と自民支持層への
アプローチ不足が指摘されます。
今回の蓮舫氏は立憲支持層が6割、
共産支持層が7割固められていたものの、
自民支持層や公明支持層、無党派層の
獲得は圧倒的な不足でした。
共産党の支持以外が広がらず、
結局は石丸氏に次点を許す結果となったのである。
小池百合子氏が3選を決めた東京都知事選(7日投開票)は既成政党への有権者の不信を示す結果となった。前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏はSNS(交流サイト)を駆使して無党派層へ訴え、得票は蓮舫氏を上回り150万票を超えた。与野党に広がる「石丸ショック」は今後の国政選挙に影響を与える可能性がある。
立憲民主党の大串選挙対策委員長は8日朝、東京都内で記者団に対し「大変残念な結果になった。次に行われる大きな選挙は衆議院選挙になるので、今回の敗因や無党派層へのアピールが弱かった要因について、党本部でも分析や検証をしたい」と述べました。
また、合わせて行われた都議会議員の補欠選挙について「党として3人の新人候補を擁立し、そのうち1人が当選できた。自民党はもともとの5議席から2議席に減らし、『裏金問題』への有権者の不信や不満が大きい」と指摘しました。
立憲の大串選挙対策委員長は今回の敗因と無党派層のアピールに
言及し、次期衆議院選の改善につなげていきたいと申しております。
果たして立憲は反自民の受け皿になれるかが
注目です。
・無党派層や保守層へのアプローチ不足
・支持層の高齢化
・一部支持層の妨害等
この3点かと思います。
特に反自民というワードは強烈なものの、
次期衆院選に向けて共産党との
候補者調整や棲み分けが
失敗した点は大きいです。
東京8区や東京15区、東京27区では
共産党と候補者調整することで、
選挙戦を有利に戦えます。
しかし東京全体で見ますと、
例えば府中市や南多摩地域といった23区外
の地域では、共産に対するアレルギーも
決して無視できないものです。
もちろん共産党を決して否定しているわけでもなく、
むしろしんぶん赤旗をはじめとした
党の功績は大きいのは事実であり、
ここには私は肯定的です。
ただ無党派層をがっちり掴むかつ、
都連の幹部が無党派層への配慮が出来なかったことも
また今回の選挙戦では難しい結果でしょう。
野田元総理が蓮舫さんの応援演説をされましたが、
立憲の中で保守に近い方々が、
無党派や自民支持層へのアプローチを助け、
路線を変更できれば、本当に小池都政の
脅威になれたかもしれませんよね。
躍進の石丸市長
都知事選では石丸市長が躍進を遂げられていましたが、
結局は足りなかった部分としては、
組織力でしょう。
ここは乙武氏と重なる部分はあるかもしれない。
乙武氏は無所属で2022年の参院選で出馬されましたが、
9番手で32万票を獲得し落選されました。
しかし仮に組織票で20万ほどを獲得できれば、
もしかしたら最大の対抗馬となったかも知れません。
そこは維新の会や国民民主党、
参政党やれいわといった組織がバックに
つけるかが、もしかしたら唯一足りなかった
部分かも知れません。
日本維新の会の藤田文武幹事長は3日の記者会見で、東京都知事選(7日投開票)で前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏を支援する維新の世田谷区議が離党届を提出したことについて、「大変残念だ」と語った。
維新の会が石丸さんを自主支援していれば、
もっともっと石丸市長が恐ろしい
存在になっていたかも知れません。
ここは大きな反省かと伺えます。
小池都政は圧倒的な票数での当選で信任を得るか?
さて小池都知事について最後は語ります。
結論から言えば以下のような結果ですので、
信任は得たでしょう。
小池百合子:2,918,015票 当選
石丸伸二:1,658,363票
蓮舫:1,283,262票
・・・・・・そのほか53名
小池都知事は2期8年もの間、都知事を経験され、
その実績が評価されたでしょう。
反小池の総票として石丸氏と蓮舫氏の票を足すと
2,941,625票となるため、そこが小池氏にとって
ネックとなる評価でしょう。
政策では子育て支援やスタートアップといった
国よりも先に都が行えるものを
小池都政はやっています。
しかし都知事としては評価されたものの、
都民ファとしての評価は一定程度であり、
可もなく不可もない評価であったと感じます。
都議補選は誰も得せず
一方で都議補選について紹介いたします。
都議補選は今回、9つ行われていて、
都知事選と同時並行ですので票数が多くなる傾向です。
【9補選の結果】
都民:3名 (中野区、北区、南多摩)
自民:2名(板橋区、府中市)
立憲:1名(足立区)
無所属:3名(八王子市、品川区、江東区)
足立区は立憲が勝利するなど衝撃的です。
こんな形ですが、うち南多摩と府中市は弔い合戦における
順当な勝利です。
板橋でも都民ファは
候補者は擁立されていますが、
結局は都民ファの都議の無免許運転があり、
裏金問題の下村博文議員のお膝元でも、
反共産や維新不信の結果で自民の元職が制することになりました。
中野区では元職の荒木氏が制し、八王子市では
野党票が上回り野党系が当選。江東区では
無所属の三戸さんが当選されました。
府中では自民党が当初から有利と言われていたものの、
結局は意外と苦戦はしているように見え、
北区では区長選で出られていた駒崎さんが当選されました。
総括すると以下のような形です。
自民→全体的に苦戦し2勝6敗
都民→無免許運転の都議のお膝元以外で勝利も、候補者の強さが決め手に
立憲→3候補者を擁立するも、接戦だったが1勝のみ。受け皿になりきれず
共産→立憲と棲み分けしても、蓮舫氏の3位の影響は難易なものに
維新→反自民、反共産、無免許運転で低迷する都民でも勝利収めれず
この5点ですね。
いかがだったでしょうか?