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プーチン大統領・5期目 重鎮の降格で対ウクライナ長期化対応へ


※このNoteはあくまで中立的な目的として書かれたものであり、
決して政治に対しては中立的な表現をさせていただきます。

プーチン大統領5期目・組閣人事発表へ

プーチン大統領がロシア大統領選挙で圧勝し、
5期目に突入します。

基本的に首相や外相は留任し、
国防相や第一副首相は交代となりました。

ロシアは現在、ウクライナとの戦争が長期化を迎え、
西側諸国の制裁がますます強まっています。

戦況についても近年は攻勢を強めていますが、
キーウやハリコフだけでなく
ウクライナ東部の全域を収めることは
時間がかかり、戦争を続けるには
多額の人員と費用が求められます。

さらに日本経済新聞によると
ロシアの国防省の人事総局長が収賄の容疑で拘束され、
国防省の中がどうなっているか?

ロシアの連邦捜査委員会は14日、国防省人事総局長のユーリー・クズネツォフ中将を収賄容疑で拘束したと発表した。タス通信などが伝えた。家宅捜索で1億ルーブル(約1億7千万円)以上の現金や貴金属などが押収されたとしており、裁判所は勾留を認めた。

出典:2024/5/14 日本経済新聞 ロシア、国防省の人事総局長を拘束 収賄の疑い

その点についても、今回の人事でロシアはどうウクライナとの戦いに
向き合うかが課題でしょう。


ショイグ国防大臣、人事異動

今回の注目の人事は間違いなくショイグ氏でしょう。

ショイグ氏はロシア・ウクライナの戦争時の国防大臣であり、
重大な責任のあるポストを担いました。

結果的にはロシアによるウクライナ侵略・侵攻(ロシア側は特別軍事作戦)は
未だこう着状態が続いていますが、今回の国防大臣の交代は
戦争の長期化が予想されると見えます。

なおショイグ氏が就任したポストは
ロシア連邦安全保障会議書記です。

ロシア連邦安全保障会議とはその名のとおり
大統領府の下にある
国家安全保障問題を協議するための機関であり、
日本にも国家安全保障会議はあります。

ロシア連邦安全保障会議
【議長】
プーチン大統領
【副議長】
メドヴェージェフ党首(統一ロシア)
【書記】
ショイグ書記


前任者の側近は異例の人事に

さてショイグ氏が初期に就任するには、
前任者のニコライ・パトルシェフ氏を
動かさなければなりません。

そのためにプーチン大統領が行った人事は
以下のポイントです。

【パトルシェフ親子の処遇】
①パトルシェフ氏のご子息を副首相に抜擢させること
②パトルシェフ氏本人を大統領補佐官に登用

今回の人事の注目点は間違いなく国防ですね。

続投したのは首相と外相

今回の内閣で続投したのは首相と外相です。

特にラブロフ外相はついに20年を迎え、
仮に6年間続投すれば
在職年数は26年です。

これまで多くの外相をカウンターパートを迎え、
相手してきたロシアの顔でありますから、
日本にとってもラブロフ外相を再度相手にすることは
至難の業といえましょう。


安倍政権でも岸田外相、河野外相、
茂木外相
の3名もの外相がラブロフ外相のカウンターパートを
勤められました。

これからの外相もタフなラブロフ外相を
相手にすることが求められるため、
日露の距離は現在は極めて悪化していますが、
いずれ良好な関係を築く時代となったときに、
対露の専門家は不可欠でしょう。

経済学者出身の首相は続投

経済学者の首相のミシュスチン首相は続投です。

ミシュスチン首相は経済学者出身の首相で
2010年から約10年間は連邦税務局長官を務め、
2020年から首相を務めます。

今回は第二次ミシュスチン内閣であり、
内閣改造は小幅に終わりました。

しかし長年、部下を務められたパトルチェフ氏や
ショイグ氏が人事異動されたことは、
西側諸国にとってはどう影響するかが
注目です。

経済学者のペロウゾフ

後任の国防大臣はロシアの第一副首相を務められた
アンドレイ・ベロウソフ氏です。

ベロウソフ氏は第一副首相を務め、
一時は首相がコロナで療養中の際は首相代行に
就任しました。

今回の人事で注目なのは国防省に経済学者を送り込む
プーチン氏の狙いでしょう。

果たして真意は如何にあるのか?


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