上川陽子は総裁選に出られるのか? 推薦人集めが酷な実情
政治家人生をかける推薦人
総裁選や代表選における推薦人集めは、
候補者にとって避けられない重要なステップです。
推薦人がなければ立候補はできません。
特に、自民党総裁選や立憲代表選では
所属国会議員の推薦人20人を確保することが
立候補の条件とされています。
この20人を集める作業は決して容易ではなく、
各候補者は県連、派閥、年代、性別、衆参の
バランスを考慮しながら推薦人の確保に奔走します。
【現在の自民党総裁選の候補者の支持】
小林:二階派・派閥の中堅若手メイン
石破;旧石破グループ+石破支持者(鳥取島根県連議員も)
河野:麻生派メイン(神奈川県連も一部)
林:岸田派メイン
茂木;茂木派半分メイン
加藤;岡山県連+茂木派一部
小泉;菅グループ+若手中堅メイン
高市;安倍派一部+保守メイン+奈良県連議員
こういった感じであり、
結局は派閥に近い動きがそこそこメディアで
取り上げられる実情です。
つまり推薦人を集めることは、
党内でどれだけ幅広い支持を得ているかを
示すバロメーターにもなるため、
その重要性は非常に高いのです。
しかし、今回の総裁選はあ自民党では
過去最多の10人以上が出馬の意欲を示しており、
推薦人の囲い込みが激化しています。
そのため、推薦人を集める作業は
ますます難航しています。
たとえば、林氏は「派閥横断」を戦略の要とし、
推薦人を集めていますが、幅広い支持層を確保するためには、
派閥にとらわれない支援が必要となるため、
候補者にとっては戦略的な行動が求められます。
そして決選投票を見据えた動きになりそうです。
立憲代表選はかなりハードル高い
立憲民主党の推薦人のハードル問題
一方、立憲民主党の代表選においては、
推薦人集めに関して異なる問題が浮上しています。
所属国会議員の有志たちは、
立候補に必要な推薦人の数を「高すぎるハードル」として、
見直しを求める緊急提言を行いました。
現在、立憲民主党の代表選では、
立候補に必要な推薦人は20人ですが、
これは自民党の規定と比べて、
党内の人数比率において大きな差があることが指摘されています。
自民党では367人中20人、
つまり約5%の推薦人が必要である一方、
立憲民主党では所属議員の約15%にあたるため、
ハードルがかなり高いとされています。
さらに選挙人や一新会は推薦人に名を連ねない方針のため
推薦人集めは現職の代表が立候補できないことから、
かなり難航されています。
【既に立候補表明済み】
枝野前代表;創設者+党内最大グループの近藤G
野田元総理;野田G+直諫の会幹部+保守系の支持
そのため、立憲民主党内では、
推薦人の数を党所属国会議員の10%にする案や、
立候補予定者や地方議員も推薦人になれる案が
提案されています。
ただし結論としては今回は反映されません。
このように、候補者がより多様な支持を
得やすくするための制度改革が求められているのです。
推薦人集めの苦労
推薦人集めの現場での苦労
候補者たちは、推薦人を集めるために
1人1人の議員に会い、
自身のビジョンや思いを伝えることが必要です。
ただその候補者が落選した場合は、
出世も遅れることもまた実は事実です。
これを日本語で冷飯を食わされると言いますが、
自民党の場合は食わされ続けて入閣が遅れた方も
いるため、実は必死なのです。
前回出馬した岸田総理の推薦人を見てみましょう。
推薦人代表;鈴木俊一(麻生派)
→後に財務大臣に登用
選挙責任者:根本匠(岸田派)
→後に予算委員長に登用
石田真敏(無派閥)
→後に広報本部長として登用
大野敬太郎(無派閥)
加藤鮎子(無派閥)
→後に少子化担当大臣として登用
梶山弘志(無派閥)
→後に幹事長代行として登用
鈴木隼人(竹下派)
高木毅(細田派)
→後に国対委員長として登用
土屋品子(無派閥)
→後に復興大臣として登用
西銘恒三郎(竹下派)
→後に復興大臣として登用
堀内詔子(岸田派)
→後にワクチン担当大臣として登用
本田太郎 (無派閥)
山際大志郎(麻生派)
→後に経済再生大臣として登用
吉野正芳 (細田派)
渡辺博道(竹下派)
→後に復興大臣として最登用
猪口邦子 (麻生派)
今井絵理子(麻生派)
二之湯智 (竹下派)
→後に国家公安委員長として登用
宮本周司(細田派)
森まさこ (細田派)
→後に総理補佐官として登用
推薦人になるということは、
その議員が政治家としての
強い姿勢を示すことであり、
推薦人の決断は非常に重いものです。
しかし推薦人に名を連ねることで
出世が早まるといった面もあります。
このため、支持と推薦の間には大きなギャップが存在し、
候補者にとってはその差を埋めることが重要な課題となります。
なお例外として他の候補者の推薦人を
入閣させるケースもございます。
古川禎久(茂木派)氏は河野氏の推薦人だったものの、
法務大臣として入閣を果たします。
また山口壮(二階派)氏と小林鷹之 (二階派)は高市氏の推薦人
だったものの、しかし岸田内閣で入閣を果たしています。
一部例外があるのも事実です。
総裁選も代表選もギリギリに
おそらくですが立憲の吉田晴美さんは出馬されると思い、
上川さんや江田さん、泉さんはどうなるかは
分かりません。
吉田さんは立憲の一期生とリベラルに近いベテランの支持があり、
立憲の代表選にギリギリ間に合うかと思います。
ただ泉さんや江田さんの両者は支持が被るため
最後まで調整は必須でしょう。
いずれにせよ総裁選も代表選も要注目です。