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解散総選挙の大義と日付、自民党の金庫番はどう動くのか?
解散総選挙
衆議院解散が近いという噂は政治の世界では常に浮上しますが、現時点でそのタイミングはまだ不透明です。特に野党側は早期の解散に対して強い懸念を示しており、自民党新総裁の動向に注視しています。立憲民主党の4名の候補者は、自民党総裁選を経て新たな首相が早期に解散を決断することを警戒しています。たとえば、元首相の野田佳彦氏は「何を信じて問うのかが不明確だ」として、予算委員会での質疑が先決だと主張しています。
野田氏は「いきなり信を問うのは論戦力のない人の論理だ」と指摘した。枝野氏は早く解散してもらわないと野党の議席は増えないとする一方、「年内に補正予算を編成する必要があるので解散する余裕はない」と訴えた。
これは前回の総選挙では岸田総理は就任してすぐに委員会を飛ばし解散したことで、新総理のご祝儀相場での解散で自民が勝利した例を挙げています。総理を変えただけで政権を維持できるシステムこそ我が国の自民党が政権を維持してきたシステムであると言えるでしょう。
さらに枝野幸男氏は、物価高騰や自然災害への対応が優先されるべきだとし、解散よりも補正予算の編成が急務であると強調しています。他の候補者も同様に、解散よりも政策議論を重視している姿勢を見せており、解散が政治的な駆け引きとして使われることに対する懸念が高まっています。
公明党、総選挙に向けて本格化へ
公明党の見解:選挙のタイミングと準備
公明党の山口代表は、11月の中旬以降に外交日程が控えていることや、12月には税制改正や予算案の策定が迫っていることを指摘し、解散が早ければ10月末に実施される可能性もあると示唆しました。
公明党の山口代表は、14日午後、東京MXテレビの番組に出演し、衆議院の解散・総選挙の時期について「大きな選挙が重なると、選挙運動をする側としては負担になる。選挙協力を上手にやるためにはタイミングよくやる必要がある」と指摘しました
山口代表自身は任期で代表を退き、新たに石井幹事長が代表に就任すると見られます。そのため支持母体内で圧倒的な人気であった山口代表が参議院議員の任期を終えるまでの間に解散を行いたいことは確実です。公明党は他に都議会議員選挙や参議院選挙と重なる来年の夏には解散を行われることは避けたい狙いがあり、本年の解散を望んでいます。
新首相の就任タイミングであればご祝儀相場で小選挙区も勝つ可能性が高いでしょう。
解散はタイミングが全て
過去の衆院解散から学ぶタイミングの重要性
歴史的に見ると、衆院解散はしばしばタイミングがすべてと言われてきました。1996年の解散の際、野中広務氏は「解散の大義名分は後付けでも問題ない」と語り、政権が勝利を確信する時期に解散が行われると指摘しています。
「あんた、衆院解散は近いかもしれんよ。橋本首相が決断した」
「えっ?」と唾をのみ込む私。
「いま解散をやる大義名分は?」と問うと
野中広務氏
「後付けでなんともなる。政権党が勝ちたいとき、それが解散のタイミングだ」
一方で失敗もありました。それは2009年の総選挙です。
この時の総理は麻生太郎氏でしたが、実は就任時の2008年にすぐに解散すれば大敗は回避できたかもしれません。
なぜならば2008年の麻生太郎首相就任時のタイミングでは与党第1党の自民と野党第1党の民主では1割以上の政党支持率の差がありました。
【2008年9月の政党支持率】
自民:37.3
民主:21.0
しかし麻生太郎首相が解散を決めたタイミングでの政党支持率はこうです。
【2009年9月の政党支持率】
自民:18.9
民主:42.0
なんと2ヶ月前に民主党は自民党の政党支持率を上回り解散総選挙で勝利したことがあり、まさしくタイミングが全てであるとも言えます。
なお解散総選挙はタイミングが全てと言いましたが、この当時の衆院の任期は2009年までであり、基本は衆参同時はないため、参院選がない時期で解散を選ぶのが慣例です。
このように、解散のタイミングは政府の戦略に大きく左右されるのです。
3年前と同じ?
解散理由と通称:未来選択選挙か逃げ恥解散か?
解散には通称が付けられることが多く、今回は「未来選択選挙」という名称が提案されています。岸田文雄首相は「コロナ後の未来を切り開く選挙」として新たな未来を国民に選ばせる選挙と位置付けています。しかし、立憲民主党の枝野氏はこれに対し、「逃げ恥解散」と揶揄し、与党が臨時国会での予算委員会を回避したまま解散に踏み切ることを批判しています。このような対立が続く中、解散のタイミングとその意義が問われています。
政府・与党の動向:総裁選候補者の立場
現場の報道では、自民党総裁選候補者による討論会で早期の衆院解散を主張する声が上がっています。小泉進次郎元環境相は、総裁選終了後に早期の解散を目指す意向を示していますが、その具体的な時期には言及を避けました。これに対し、石破茂元幹事長は「解散が行われれば衆議院が一時的に機能しなくなる」とし、急いで解散することへの懸念を示しています。
鍵を握る自民党の金庫番
解散の鍵を握る人物は誰でしょうか?総裁?副総裁?幹事長?
いいえ、全て違います。答えは自民党の事務総長(職員)です。
元宿仁さんという方が現在の事務総長であり、安倍総理、菅総理、岸田総理の三人に対し信頼のある金庫番と言っても過言ではありません。
つまり解散総選挙が近いと自民党の事務総長と総理が接触した瞬間が選挙が近いと言えるタイミングなのです。
まとめ:解散は近いのか?
これらの意見を総合すると、早期解散の可能性は依然として高いものの、政策的な理由や選挙のタイミングに関する慎重な調整が必要であることが浮き彫りになります。特に公明党の立場や与党内での議論が解散のタイミングに影響を与えると考えられます。さらに、立憲民主党をはじめとする野党の反発も無視できない要素です。
最後に、解散の通称が何であれ、その結果が日本の政治に与える影響は大きいです。解散総選挙は単なる政治的イベントではなく、国民にとっても大きな選択を迫る機会です。果たして解散は近いのか?その答えはまだ明確ではありませんが、次の数週間が大きな鍵を握ることは間違いありません。