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【衆議院選挙2024】注目選挙区10選!情勢解説 (北海道〜東京) 後編


総選挙始まる

いよいよ解散総選挙が始まります。今日、公示を迎え、各候補者は真剣に選挙活動に集中するでしょう。勝っても負けても、選挙は2-4年に一度であり、落選すれば無職です。
また今回の選挙では10増10減に伴い、地方でも選挙区が大変広いところもあります。そのため秘書やスタッフもスケジュールを組むのも大変であり、執行部も大変なご苦労があることは確かです。

今回はその中で少しでも多くの方に選挙を楽しんでいただけるように、各注目選挙区を全5回に分けて解説いたしますので、よろしくお願いします。

前回


埼玉8区 

埼玉8区は所沢市です。

所沢市
ふじみ野市
入間郡三芳町

柴山昌彦(自民)
市來伴子(立憲)
市野一馬(維新)
平井明美(共産)

埼玉8区は約4分の3が所沢市の民意で決まる選挙区であり、今回の選挙では当然、柴山氏には裏金議員の一人としての逆風はあるでしょう。

市來氏は落下傘であるものの、民主党政権時代に埼玉8区を制した小野塚勝俊氏が市長に就任し、当然情勢的には地元市長を味方につけたことも大きいでしょう。

5区には枝野幸男最高顧問、そして明日は小川淳也幹事長がこの埼玉8区に来られるとのこと。

立憲にとって埼玉8区は狙い目である選挙区であることは確実です。

一方で現職の柴山昌彦氏ですが、過去4回の選挙では以下の形です。

2012年総選挙
柴山(自民)85,375票
2014年総選挙
柴山(自民)93,126票
2017年総選挙
柴山(自民)92,952票
2021年総選挙
柴山(自民)104,650票

今回は当然、裏金問題を巡る逆風もあり大変厳しい選挙ですが、幸いなのは共産党と維新が擁立していることで、市來氏へ集中するはずだった不満票が幾分か分散することへの期待です。
しかしそれでもなお今回はきつい戦いになるでしょう。

注目の選挙区です。

埼玉13区

こちらは次期衆院選で無所属での出馬となる三ツ林議員の選挙区です。

久喜市
蓮田市
幸手市
白岡市
北足立郡
南埼玉郡
北葛飾郡杉戸町

三ッ林裕巳(無所属)
中原由棟(維新)
沢口千枝子(共産)
橋本幹彦(国民)
高井崇志(れいわ)

埼玉13区は3分の1の票が久喜市であり、今回の衆院選で埼玉14区から挑戦する石井代表の選挙区であるところは、前任者の代議士は三ッ林さんなのです。八潮市、三郷市は元々、三ッ林さんの選挙区であり、今の13区も保守王国に近い地盤でしょう。

そのため公明の推薦も加わり、野党が分散している今、なかなか野党が勝ちやすいといえども難しい選曲となっているのです。

注目は国民の橋本幹彦氏でしょう。

橋本氏は20代の国民民主党の候補者であり自衛隊出身です。今回は連合の支持を中心に戦われるようですが、どう自民党支持層まで侵食できるかが問われます。

対する三ッ林氏は10増10減の影響もあり、さらに裏金問題で自民の公認を得られない逆風はありますが、左派票の分散が有利な点と働いて、今回は未だ強さを誇ります。親子で守ってきた地盤、逆風の中で守り切れるかは陣営次第でしょう。

果たして選挙結果の行方に注目です。

東京1区

東京1区は大乱戦です。自慢の女性議員と立憲のベテラン、維新の党幹部など三者共にパワーのある人物同士の乱戦となります。

新宿区
千代田区

山田美樹(自民)
海江田万里(立憲)
音喜多駿(維新)
中野顕(共産)
櫻井祥子(参政)
高木寛史(みん)
新藤伸夫(諸派)
新垣宏(無所属)

東京1区は港区が完全に外れ、新宿区と千代田区で決まる選挙戦となりました。


大乱立の東京1区ですが、注目はやはりお三方です。
大部分は約5分の4近くは新宿で決まり、新宿はややリベラルの方が強い傾向にあります。そして山田氏も今回は重複立候補なしであり、海江田氏は2012年以降は1勝3敗のため、悲願の議席奪還になるかが問われる選挙戦でしょう。

音喜多氏は維新の逆風もありますが、それでも参院選議員であったことは、お二人に不満の候補としての受け皿になるかもしれません。

東京18区

東京18区は菅直人元総理のお膝元であり、今回は後継者の松下玲子前武蔵野市長が立候補いたします。対するは自民党の福田かおる氏ですが、今回は現職の武蔵野市長が与党系になったため、福田氏への風は大きいと思えます。

武蔵野市
小金井市
西東京市

福田かおる(自民)
松下玲子(立憲)
樋口亮(共産)
徳永由紀子(参政)

18区の特徴は府中市が外れ、新たに19区の西東京市が含まれたことです。府中市は保守王国であり、菅直人元総理でさえ自民候補に府中市では敗れてしまいました。

つまりリベラル系は府中では弱いのです。しかし今回の選挙選では府中が外れ、新たに含まれた西東京市は都内の市部では立憲が自民に追いつきそうな比例票の差であり、当時の現職が立憲など、この18区は左系に強くなった地盤なのです。

しかし今回は大変なミスが続いています。

一つはクリスマスの時に市長選を行い、武蔵野市長選で18年ぶりに自民系の市長を誕生させてしまったこと。

二つ目は武蔵野市選出の立憲系都議が辞職し、補欠選挙が実施されること。

三つ目は共産候補も出馬し、松下氏本人は労働連合から推薦を受けていないこと

それでも元首相と松下氏本人が市長であったことは、大きな政治的なメリットであるため、おそらくはかなり強いかと思われます。

対するは自民の福田氏ですが、こちらは公示日前日に石破茂総裁と石井啓一代表、自公のトップが応援に駆けつけるなど、かなり動きを本格化させています。

あの時は私も現地に赴きましたが、地元選出の元国会議員や都議、さらに武蔵野市長まで駆けつけ、自民党は逆風だけど、武蔵野市には相殺する謎の風はあったと感じました。

さらに総裁選の候補と言われた斎藤健前経産大臣、総裁選の候補であった上川前外務大臣も応援に駆けつける予定など、自民もかなり力を入れている選挙区であると伺えます。

東京18区、裏金の逆風に苦しむ中で野党へ一矢報いられる選挙区になるか否かが問われます。

東京28区

最後に東京28区についてです。

28区は野党大乱立であり、9区は練馬西部、28区は練馬東部で構成されています。

練馬区東部

安藤高夫(自民)
髙松智之(立憲)
藤川隆史(維新)
高野直美(共産)
奥村祥大(国民)
江崎早苗(参政)

ここは大乱立ですが、やはり個人的には自民の安藤氏vs立憲の高松氏の戦いになるでしょう。

安藤氏は前回の衆院選で公民権停止された菅原一秀氏の後任として、9区の候補者として戦った元職の医者であり、今回は練馬区の東部の28区で挑戦します。

朝日健太郎議員や武見敬三前厚労大臣も応援に駆けつけるなど、医師出身の安藤氏が乱立の中、安定的に選挙区で勝てるかが注目されます。

練馬区自体は杉並や中野と比べリベラル系が強いわけではないものの、それでも油断できない選挙区です。

鍵となるのは公明党でしょう。公明党が当初、東京の小選挙区でもう一つを狙うとしたら、こちらの28区と言われていました。

つまり安藤氏が仮に比例もならず落選の結果となれば、次の衆院選でも公明が28区を狙う可能性はゼロではないのです。だからこそ安定的に自民は勝利しなければならない事情があるのです。

対するは立憲の高松智之氏です。こちらは野党共闘は不発だったものの、練馬区議会議員を2期務めた松下政経塾出身の方であり、育児・介護のダブルケア当事者と書かれています。

共産と国民との一本化もできないことから、連合は自主支援ですが、個人でどれだけ票を稼げるかが問われるでしょう。

高松氏は2017年、2021年の衆院選に敗れ、今回は三度目の挑戦ですが、悲願の衆議院議員になれるかが注目されます。

そして9区の山岸氏との連携は?選挙はこれだから面白い!

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