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この本がよい「遺体と火葬の本当の話」
先日、中居正広さんがジャニーズ事務所を退所するということで、記者会見を行っていましたが、その際、「これ、ジャニーさんの骨なんですよ」と小さなガラス瓶に入った遺骨を披露するシーンがありました。
「そういえば、私、親父のお骨拾ってないんだよなぁ。」
ユキノジの父親は3年前に亡くなっているのですが、私は火葬後にお骨を拾っていません。
理由は、父のきょうだい・親族が多かったから。同じ理由で、祖父のお骨も拾っていないです。
だから、葬儀に参列したことはあっても、火葬後はどうなっているのか見たことがないんですね。
母やおじ・おばからぼんやりと伝え聞いた情報しかなく、気に病むほどではないのですが、何となくもやっとした思いを持っていました。
まぁ、こんな思いは意識に上がることもなく、日々過ごしているわけですが、10日ほど前(中居さんの記者会見がある前)にぶらっと図書館に行ったときに目に留まり、そのことを思い出して借りてきたのがこの本です。
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遺体と火葬の本当の話
佐藤葬祭代表 佐藤信顕(さとう のぶあき)著 二見書房 1400円+税
この本は、現在葬儀社を営む佐藤信顕さんが、「遺体や火葬にまつわる都市伝説やデマにトドメを刺し」、
「ウソではない、本当の情報を届けたい」思いで始めた動画配信から生まれたものです。
この本を読んで、「火葬場の実態」を知ることができました。
佐藤さんの動画サイト YouTube「葬儀・葬式ch」
佐藤葬祭ホームページ http://satousousai.com/
いくら好物でも…。
こういった、お葬式関連の本はうっかりすると暗い話になりがちですが、ちょっと笑ってしまうエピソードが収録されています。
特別対談 葬儀屋×元火葬師 の中に、こんな話があります。
佐藤/ 副葬品と言えば、棺に入れられたもので困ったものってどんなものがあります?
ディーゼル/ (ユキノジ註/この方は元火葬師の方です)ん~……大玉スイカ。あれはタチが悪すぎます、ほんとに。骨付きのパルマハムの塊を入れられたこともありますね。故人様がシェフだった方で。収骨のときに「おい、骨が一本多いぞ!」ってなりましたよ。(後略)
P.130より
対談によれば、ご遺族がこっそり「これくらいいいだろう」と入れてしまうパターンが結構あるらしくて、このほかにも、某おじさんで有名なフライドチキン(骨付き)が入れられていたことがあったそうです。
まぁ、骨付きハムとかフライドチキンで「骨が多いぞ!!」と怒られるならまだ可愛げがあっていいのですが、一番困るのが「ペースメーカー」と「ガラス製品」だそう。
ペースメーカーは、焼いている最中に破裂して、危険という理由から。ガラス製品(アクセサリーやメガネのレンズ)は溶けてお骨や火葬の台車に張り付いてしまい、正常な収骨ができなくなることが。
そんなこともあるので、「黙って入れる」のは、ご法度です。
父の場合はカメラが趣味だったのですが、さすがにカメラともなると入れたらアカンやつというのは明白だったので、画用紙にカメラのイラストを描いて入れてあげました。
あと、一昔前は、「六文銭」と言って、10円玉や5円玉を入れたりしていたのですが、最近はそれも良くないらしくて、これまたユーモアグッズに良くある、子供銀行の1億円札みたいなものを画用紙に描いて入れた記憶があります。
ドライアイスの量に驚く。
父は、息を引き取って火葬されるまで、日取りの関係で3日間自宅に安置されていました。(いわゆる仏滅とか友引とかいうあれです)
さらに6月でもあったので、猛暑とはいかないまでも普通に30℃くらいの気温はあるわけで。
となると、遺体の状態を保つためにはドライアイスが必要不可欠になります。
父の時は確か半日おきくらいに葬儀社の方が来て、補充してくれていたように覚えています。(もちろん部屋はエアコンでカキカキに冷やしていましたが、実家は木造家屋なので、冷房効率はあまり良くなかったかも)
その時はどのくらいの量を使っているのか気に留めることはなかったのですが、(暑いから溶けるのが早いんだろう、くらいの認識)本の中にこんな記述があって、かなり驚きました。
ご遺体に使用する際のドライアイスの適正量は、その方の体重に対して20~25パーセントです。60キロの体重の方であれば、およそ12~15キロぐらいが理想的な量と言えます。(中略)
10キロのドライアイスの場合、24時間たてば6~7キロぐらいまで目減りしてしまいます。
第1章 遺体の話 ご遺体の管理ができなければ葬儀屋失格
P.21より
えええ~…。普通にそんな量使うし、目減りするんだ…。棺が結露するはずだわ…。(畳が濡れるので、ブルーシートも敷いていました)
猛暑が続いている昨今、葬儀屋さんの苦労がしのばれます。
あの都市伝説の真相は?
その他にも、世間でまことしやかに語られている、ホルマリンプールや口座凍結の噂、葬儀や火葬に関する一歩踏み込んだお話がたくさん盛り込まれています。
「死や葬式の話なんて…」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、人間の死亡率は100%です。「メメントモリ」ということで、読んでみてはいかがでしょうか。