「It will be your own」後述(雑感編)
昨年9月に始まった、「MY KAL 2022」
二度目のミステリーKALで、自分でも「大丈夫かな???」と思いつつ、不安を抱えての参加。
最初に参加したKALは、途中で自分が使うという大前提が崩れてしまい、残念ながら完成に至らず…
ミステリーKALなので、素直にミステリーを楽しめばいいものを…
このKALに大きく心が傾いたのには理由がある。
コンセプト、と言わせてもらうけど、それがとても素敵。
「ミステリーだけど、ミステリーじゃない」
さらにこのパターンをデザインしたEri Shimizuさんの仰るところの
「もうひとつ別の切り口でのミステリーを落とし込んでみました」
この泣かせる一文。
実は私奴、ミステリが大好きでして(海外モノに限る)最近も、泣きながら「ザリガニの鳴くところ」を購入しました。
泣きながら、というのはお値段が張るから…乱読派にはイタイ。
それは良いとして、ものすごく惹かれる…
なんなんだ?…だって、ミステリーKALでしょ?
「もうひとつ」ってなんなん?「別の切り口」???
これだけで、普通の(?)ミステリーKALとは違う、ちょっとしたワクワクを既に感じてしまい、ソッコーでRavelryでパターンを入手。
多分、多分だけど、このパターンを読んだ親愛なるKALのバディの皆さんは、「へ?」
って思ったはず。一瞬かもしれないけど思ったはず。
私は「へ?」って思ってさらに「え…」ってなった…
なので、出発を少し遅らせて(笑)バディのみんなに付いていくことにした。賢い。
Ravelryにスレッドが立っているので、それを見つつ追いかけることに。
とはいえ、Ravelryもちゃんと使ったことないのでちょっと怖気づきながらのスタートだった。
でもね、編み始めると、もう楽しくて楽しくて。
私は、初めてプールで泳いだ夏の日を思い出した。
水を満々と湛えた、大きくて深い、固いコンクリートの入れ物。
足を漬けるのもちょっと怖かったように思う。
それがどうだ。
一度入ってしまうと、上がれと言われるまで、あるいは唇が紫色だよ、と友達に指摘されるまで泳いだり、遊んだり。
そのときの感覚に似ていた。
毎日プールに行くんだ!!ゼッタイに!!!
そんなカンジ。
そうやって編み進めて行くのだけれど、仕事もあったり、家のことをしたりなんだりで、やがてスピードが落ちる。(いや、手も遅いし)
なんなら他のものも編まなければならず(自分で染めた糸のサンプル、みたいなものを)一層ゆっくりになる。
で、そうこうしているうちに、KALの期限が来てしまう。
とはいえ、ハナッから間に合うとは思っていなにので、大丈夫(笑)
ただ、あまりに遅すぎて最後の方のテクニックの動画が無くなっているっぽかった。
いえ、当方のせいです。
でも、ちょっと知ってる編み方だったので結果オーライ。
ちょっと話が前後するけれど、途中、早いうちに「もうひとつのミステリー」も判明する。
普通は、答えが分かっちゃうと、興がそがれるというか、面白み半減…みたいになるけれど、今回はそうじゃなかった。
これは、その答えの「本当の姿」は私たちが決めるから。
言い方は悪いけれど、「編み手に丸投げ」だ。
丸投げされる、ということは編み手のクリエイティビティに対する挑戦だ!
なんてことはないけれど。
もう、この時点で「本当にYOUR OWNでMY OWN」
でも、これってスゴクない?
最終的には自分でカタチヅクルるんだよ?
普通のM KAL(ミステリーKAL)は、旅に例えると目的地(完成形)や交通手段(編み方)は決まっていて、旅に必要なかばんや服・靴なんかのアイテム(素材や色)は編み手の自由なんだけれど、このMY KAL 2022は違うんだねぇ。
アイテムはもちろん、目的地も自由。
交通手段と寄り道先(個別のパターン)だけが決まっている。
寄り道先が決まっているといっても、アイテム自由だし。
ハイヒールに長靴の組み合わせでも、ドレスにねじり鉢巻きでもいいよ、ってこと。いや、例えはアレだけど。
さらには、その寄り道もどんな順番で行ってもいいヨ、なんなら2回通ってもいいヨって、そんなKALある?
ミステリ好きなら、ここで驚愕するところです。間違いなく。
そして、めでたく迎えた完成日。
なんだか、ビルをひとつ自力で建てました、くらいの達成感なので、落成日とでも呼ぼうか。
自分のチョイスした素材で、カタチで、自分だけの「SOMETHING NICE」を作る。
それは、「NICE」だったり、「CUTE」や「LOVELY」だったり。
こうして、9月に始まった「MY KAL 2022」は、スペシャルな達成感と、ほっくりと身体を包んでくれる暖かさをおみやげに、今日、その旅を終えた。
2023.01.14