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2話 灯火の中に、らしさがあるらしい


 日が暮れる少し前、しずくときらりは公園に来ていた。
 噴水の前の椅子に並んでたたずむ。
しずく:「この前、ななせに会ってきたよ」
きらり:「ななくん?」
 この前、しずくはきらりと、ななせに会いにいく約束をしていた。
しずく:「うん。そのうちここで演奏してくれるって」
きらり:「ほんと?それはよかった。」
 きらりが嬉しそうにしずくの方を見る。
きらり:「久しぶりじゃない?ここと家じゃないところに出かけたのは」
しずく:「そういえば…」
きらり:「どうだった?」
しずく:「うん。 いいもの、だね…」
きらり:「うんっ」
 あたりが暗くなって、街灯が明かりを灯す。わずかな点灯の音を伴って。


きらり:「明かり、ついたね」
しずく:「…僕、この点滅する瞬間、好き」
きらり:「ふふ。しずくらしいね」
しずく:「そう?」
きらり:「そうよ」
 またしばらく、噴水を眺める。
 噴水もほのかに明かりを灯していて、夜になっても、水の流れがよくわかる。
 暖かな光は、撮るの水の獰猛さを和らげて、なんだか優しい音にしてくれる。
きらり:「よし。帰るぞ」
しずく:「そうだね」
 そう言って、しずくは椅子から立ち上がる。
きらり:「しずくは今日、何食べるの?」
しずく:「うーん、何にしようかな」
きらり:「おいしいもの食べてね」
しずく:「うん。そうするよ」


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