ノート

【勝手にあとがき】ノート【短編小説】

自分で書いた小説を勝手に解説します!
もろネタバレありですが、その点を理解していただけるのであれば、本編をあとで読むかもしれないけど先に解説読んでみたいという方、とりあえずこれだけ読んでみようかなという方、大歓迎です!!
僕も作品制作の裏側とかメイキングとか好きで。あとがきから読んじゃう人、気持ちはわからなくもないです(笑)




この作品は僕が企画したお題小説企画の作品です。
お題はノートです。
僕の本編はこちらから


他2名の参加者の作品はこちらから
喜多 漠路@ちょんぱんきんたんさん


アセアンそよかぜさん




≪注意≫ ここから先はネタバレありです!




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

それでは僕の作品の解説です。

現実に転がってるストーリー

今回、企画を考えたのは僕で、都合により「ノート」というお題も僕が一人で考えさせていただきました。

お題の理由はそのまま、noteというサービスなので、「ノート」について書けば、他のユーザーの方、あるいはノートの運営サイドの方の目に留まりやすいかと思ったから、という安直なもの。

今まで、例えば2019年3月にコンテストに応募していた時は、小説を書くときにどうにかこうにか盛り上がりや非日常的な展開を加えることを意識していました。しかし、今回は競い合う訳ではありません。
あえて日常的な物語を書く。
それによって、他の人との差異を生み出すというのも、自分にとって新しい挑戦になるかもしれないと思いました。

普通の話、どこにでもある物語、展開しない、ヤマ場もない、そんな小説。

そして僕にとっての「ノート」とは何か考えました。

というわけで、
「自分の仕事や生き方に悩む青年が、少年時代にノートに書き溜めていた作品を実家で見つけて、自分を見つめ直す」
というそれだけのお話になりました。
自分探しの旅に出る訳でもなければ、尊敬する先輩の一言が胸に響く訳でも、人生を変える一冊に出会う訳でもありません(笑) ただ、ノートを読むお話です(笑)

誰もが経験したことがある、とまではいえませんが……
noteを利用している小説家、詩人、漫画家、イラストレーター……多くのクリエイターにとって、「あるある」なのではないかと思いました。
みなさん、実家に愛すべき「黒歴史」が眠ってませんか?(笑)
もしかすると他のクリエイターとの「コラボ企画」だからこそ書きたくなったストーリーなのかもしれません。

「ふるさとを訪ねて自分のルーツを探す」
と平たく言い換えれば多くの方に共感してもらえるかもしれませんね。





実体験をもとに

この作品は僕の実体験に近いものになっています。
(でもあくまでもフィクションです)

舞台は僕が生まれ育った旭川。
少年時代からものづくりが好きでした。
勢いで就職し、仕事で心が疲弊しました。
その時実家に帰りました。
実家には僕も過去の作品とも呼べない黒歴史を取っておいてあります。
そして作家の夢を思い出し、自分と向き合っています。
あと、愉快な母がいます(笑)



仕事を休んでいる間、同じように休職を経験した先輩と飲みに行って、とある作者の自己啓発本を薦められ、その本が性に合わなかった、というのも実体験なんです(笑)
当時は、読んでいるだけでイライラしてくるけど自分を変えるためには読破しなければ、と必死になっていました。今となってはバカだなぁと思います。

一概には言えないけど、基本的には心が休まるように、気の向くままに過ごした方がいいですよね。

でも「何もしない」というのも落ち着かない。「みんなに置いていかれる」と不安になり。「役に立たない」と自己嫌悪に陥る。というのも本音。

だから心が落ち着く趣味に没頭するのがいいですよね。

その趣味が、僕にとっても、この小説の主人公にとっても、作品を鑑賞することと、創作活動なんです。

という訳で「ついつい心が読みたがる実家にあった昔のノート」の対比として、「全然読み進められない『遠くに行こう』という自己啓発本」というものを出すことになりました。

ちなみに……
作中の先輩も結局は僕の分身なので。いろんな本を読むことや旅に出ることは僕は大好きです(笑)カンボジア行きたい(笑)
心が疲れているときに無理する必要はないですが、旅に出ることを否定している訳ではないんです(笑)
もっといえば、心が疲れているときに実家に帰るのがむしろしんどい方ももちろんいると思うので……ケースバイケースですね。






自分の現状に重なる

4月に企画をして、5月にさあ執筆するぞという時に、自分の生活に大きな変化が起きました。
妻が第一子を授かるという嬉しい出来事ではありましたが、妻のつわりが重く、生活が一変し、身体的にも精神的にも疲労が蓄積していきました。



実は、コラボ企画を中止してしまおうとすら思っていました。
今もメールの下書きフォルダに、他2名へ中止のお願いと謝罪を伝える文章が保存されています……。

少しでも心の重荷を捨てて軽くなりたい、所詮は趣味なんだから仕事や生活を優先するべきだ、と思いました……。
それはそれで正しい考えだと、今でも思います。



ただ、5月の終わりに、既にチケットを取ってしまっていたとある舞台を見に行った時、創作活動の面白さを再確認し、気持ちが切り替わりました。

泥臭くてもいいからどうにか粘ってみよう。

そこで、いつの間にか文章が長くなってきていた日常の投稿「北海道の写真」や「旅の写真」はストップ。
だらだら投稿したりしなかったりするのではなく、今は小説の執筆に専念しようと思いました。

そしてどうにかこうにか、小説を書き進めていきました。

物語のあらすじは4月の段階で考えていましたが、「仕事に悩んで昔の自分のノートを読んで創作活動の面白さを再確認した物語の主人公」と、自分が共鳴して、この作品が完成したんだと思います。
「やっぱり自分の好きなことをやろうよ」と、自分自身、この作品に勇気づけられる結果となりました。

2017年、仕事を休んでいる間、2つの10000字程度の短編を書き。
2018年、春から仕事に復帰し、逆に執筆はお休みしていましたが。
2019年、仕事を続けながらも再びしっかりとした短編を公開することができ、本当によかったです。




◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

気になった方はぜひ本編も読んでいただければと思います!


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幸野つみ

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幸野つみ
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