*あとがき*【短編小説】鶴の舞【 #noハン会小冊子企画2nd 】
12月8日に行われた非公式オフ会noハン会2ndの小冊子企画のために小説を書きました。
本編はこちら↓
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今回の小冊子企画のお題は……
こちらの絵。noハン会のロゴマーク。(noハン会アカウントのプロフィール画像からお借りしました)
このロゴマークは、第2回noハン会の開催にあたり、Kojiさんが作成したものです。
ロゴマーク制作についての話はこちらの記事に書かれています。
今回の僕の作品「鶴の舞」のあとがきを書くために、上の記事の文章から一部ではありますが引用させていただきます。
あなたは「ハンドメイド」と聞いてどんなイメージを浮かべるでしょうか。どんな「色」を浮かべるでしょうか。
ブックカバー店を運営する前の私は完全に「黄色」のイメージでした。手作りならではのぬくもり、優しさ、愛情。それらが贈った相手の心を包み込んでいく。そんなイメージを持っていました。
しかし、今の私が浮かべる色というのは「青」です。もちろん「黄色」のイメージも消えていませんが、ひとつの椅子に「黄色」と「青」が身を寄せ合って座っている、そんなイメージになっています。
というのも、「ハンドメイド」が単にあたたかく、優しいものではないということを知ったから。お客様にお渡しできるようなブックカバーを仕上げるために私は何枚もの失敗作を生み出してきました。
(中略)
あたたかいだけじゃない。たくさんの苦労があり、それでも冒険心を忘れずに立ち向かわなければならないもの。それが今の私が抱いている「ハンドメイド」のイメージです。
だからこそこの「ロゴ」を、ひとつの色にまとめることだけは避けようと思いました。
たくさんの感性で手を繋ぎ、みんなでひとつのイベントを作り上げていきたい。そんな願いを、たくさんの模様と「繋がろうとする手」で表現しています。
ハンドメイドという言葉が「優しさ」「愛情」を表す「黄色」だけではなく、「冒険心」を表す「青色」のイメージも併せ持っている……、
人それぞれの感性で手を繋いで協力して作り上げる……、
そういった想いが絵に込められているんですね。
このロゴマークをテーマに、どんな作品を書くか。
できるだけ既成概念をゼロにして改めてイラストを眺めてみたり、Kojiさんがイラストに込めた想いについて考えを巡らせたり、北海道を舞台にすることを意識してみたりしながらアイディアを出しました。
出したアイディアは例えば……
・やはりハンドメイドを題材にする
・オフ会を題材にする
・街作りを題材にして、北海道の市町村に重ねるのも面白いかも……
などなど。
そのいくつか浮かんだアイディアの中の一つが、今回書いた「鶴の舞」でした。
アイディアの中から、何故最終的に「鶴の舞」のアイディアを選んだのかというと、それは、簡単にいうと「魅力的だと思ったから」。
何故「魅力的だと思った」のかというと、きっと「自分の現状に重なる物語だったから」だと思います。
「今」「自分が」書きたい物語であり、「今」「自分が」書くべき物語だと思いました。
同じテーマでたくさんの人が作品を書くんだから、自分ならではのものを出したいですよね。
「鶴の舞」とロゴマークの繋がりは、いくつかあります。
・ロゴマークと、僕が書いた舞を踊る鶴の絵が同じ構図
(ロゴマークの手を、鶴の翼として、2つの手を、2羽の鶴としました)
・ロゴマークが「抱卵」を表しているように見える
(白い卵を抱えるような色の異なる2本の腕が、雌雄交代抱卵を表しているように思えました)
・「夫婦」や「子育て」もまた、「優しさ」や「愛情」といった明るいことだけではなく、「失敗」や「苦労」といったことも併せ持っている
・様々な模様が描かれた黄色と青色の手が協力し合うロゴマークの意味と、違う性格の男女2人が協力し合って子育てをするイメージの重なり
「鶴の舞」は僕と妻の経験から生まれた作品です。
僕達夫婦と重なる物語であり、僕の個人的な想いを込めた小説です。
妻が妊娠してから数ヶ月。
間もなくこどもが産まれる予定です。
「夫婦」や「子育て」は、「失敗」や「苦労」も併せ持っている。
こどもができる前に揉めたこともあったし、妊娠中も悪戦苦闘が続きました。こどもが産まれることに対して不安もあるし、きっと弱音を吐くこともあると思います。
でも、noハン会のロゴマークの意味と同じで、それをただネガティブに捉えている訳ではありません。
大変なこともあると思うけど、それもひっくるめて抱き締めたいと思っています。
僕と妻は違います。
違う二人だから擦れ違うこともあるけれど、違う二人だからこそ支え合っていけるはず。
以前、釧路の方を訪れた際、妻と二人で野生の鶴を見ました。
鶴は子育ても夫婦一緒に行います。
3匹の鶴が一緒にいる様子は、とても心癒される光景でした。
いつか子供も連れて見に行きたいと思います。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
幸野つみ
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