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劇団TOS 第二回公演『ブルーセピアの空』について


 朝見てる方はおはようございます。お昼頃見てる方はおこんにちは。それ以降の方はおこんばんは。

 今回は先日行われた劇団TOS第二回公演『ブルーセピアの空』について色々書いていきたいなぁと思うのですが、まず初めに、ご観劇いただきました皆様、誠にありがとうございました。
 そして劇場をお貸しいただき、色々なサポートをしてくださったメルシアーク神楽坂様、誠にありがとうございました。

 劇団TOSの第二回公演が無事千秋楽まで駆け抜けられたのもたくさんの皆様のお陰です。本当にありがとうございます。

 今回は全5公演という事で、前回よりも1公演増えた今回の作品。いかがだったでしょうか?
 ご覧になっていない方もいると思うので、あらすじをちょろっと私の言葉で書こうかなと思います。(もしかしたら多少ネタバレがあるかもしれません。ご注意を)

(公式のをご覧になりたい方はこちらをどうぞ)


【ブルーセピアの空】とは

 一ヶ月後に廃部となってしまう椚山高校漫画研究同好会、そこに所属している“元山水菜”という高校三年生の少女が、高校生活最後の夏休みという貴重な時間の全てを捧げて描き上げた『16時のサイレン』という一つの作品。
 そして部員たちも気付かぬうちに部室に存在していた「描くはココロ、描くはキモチ」と書き記された漫画。

 その二つの漫画が織り成す、不思議で切ない青春ラブストーリー。


 まあざっくり言うとこんな感じ。なるべくネタバレにならないように気を付けました。

※ここからはネタバレしかないと思うので円盤を何も知らないまま見たいよ~って方は閉じる事を推奨します。



 ってなわけで、ここからはきっと観劇してくださって内容を知っている方か、ネタバレ?そんなの問題ねーぜ!!! って方しかおらんと思うので、続けてどんな話だったかおさらいがてら。ここからは長くなると思うから覚悟して読むんだぜ☆

 この物語は、廃部が決まった椚山高漫研同好会部室にて、部員の縁川誠司(演:結城暢)が片付けをしているところに顧問の炭田翔太朗(演:久原大知)がやってきて話をするところから始まります。
 二人が感傷に浸っている間に今回のヒロイン、元山水菜(演:ウズキ璃子)が登場すると。まぁなんやかんやありまして、水菜が二人に自身の最高傑作である『16時のサイレン』を見せ、それが少年ジャンジャンという超有名誌のコンテストで佳作に入賞します。

 そこで水菜の描いた『16時のサイレン』の作品紹介がされるわけですよね。そこで登場するのが、この漫画の舞台になっている南ヶ丘高校の漫画研究部の部長、そしてこの漫画の主人公、素堂凛(演:小鳥遊萬伽里)、そして凛と同じ漫研部員でアフロというインパクトがすごい塩原淳吾(演:中藤充紀)、そして漫研の副部長でありこの漫画のヒロイン枠である伊緒田恵(演:白咲雪乃)、最後に漫研の顧問である村上慶子(演:香賀ゆう)。

 そして一人でいる時に水菜が見覚えない本を部室で発見し、それを開くと気を失ってしまします。目が覚めたら自分の描いた『16時のサイレン』の世界に入り込んでいってしまい、そこから漫画の世界と自分の生きる現実世界を行き来するようになる。というのが大まかなストーリーです。

 その水菜たちも実は、“堂山凛”(演:小鳥遊萬伽里)という漫画家が作り出した『ブルーセピアの空』という漫画の登場人物だったというのがこの物語のオチでした。そして最後に堂山の編集者、名取繁(演:望月フレディ)も出ておりました。

 ここからは私、白咲雪乃が演じさせていただいた、伊緒田恵ちゃんについて掘り下げていければなと思っております。


「伊緒田 恵」について。

 先程も記載しておりますが伊緒田恵ちゃんという女の子は『16時のサイレン』のヒロイン枠だった恵ちゃん。まずは彼女がどんなこであったかを簡単にお話していきましょう。

 彼女は南ヶ丘高校の高校三年生。学年トップクラスを維持をするほどの頭脳を持ち、生徒会長と漫画研究部副部長をこなしていて、恋愛漫画のスペシャリスト。文武両道なためかなりの人気で、アタックをしては撃沈をしていく人が多いというモテ子ちゃん。そして幼馴染の凛に片思いをしているという青春真っただ中の眼鏡っ子です。

 最初にこの設定を見た時「わ~漫画みたいに設定盛り盛りだ~」と思いました。でも漫画の登場人物だったわ。

 正直、初めて見た瞬間から役を貰う瞬間まで「自分には無理そう」と思ってました。だってあまりにも私とかけ離れてるんだも~ん笑
 とはいえ、水菜はたや(ウズキ璃子)だと思ってたし、慶子先生はゆっさん(香賀ゆう)だと思ってて、配役聞いた時もとてもしっくりきました。

 正式に伊緒田恵という役をいただいてから彼女と向き合ってみて思ったのが、「ちゃんと女の子らしい女の子だなぁ……」でした。自分にはない女の子らしい所がいっぱいあってどう演じようと。色々女の子らしい子を研究したり、なんとか頑張って自分の引き出しの奥底に眠っていた女の子らしい部分を引っ張ったりして頑張りました笑

 最初の最難関は「自分がいかに女の子らしくなれるか」だったのだけど、台本が更新されていくうちにどんどん難易度が上がっていった感じがしました。

 そう、思ってたより女の子らしい女の子というより、女子高生らしいなという印象に変わっていったし、なんなら雰囲気変わってね?と笑

 ここで『16時のサイレン』のストーリーについてサラッと触れたいと思うのだが、この漫画は三人の漫画バカな漫研部員が切磋琢磨をしつつ漫画を描いていくというのが主な軸。
 そしてある日、コンテストに応募する原稿を徹夜で描き上げた三人は一限に間に合わないため、放課後に出しに行こうと約束をし部室の机に原稿を入れて授業へ向かう。しかし、これから放課後、という時に事件は起こった。
 帰りのHR中、理科準備室で爆発が起こり、大規模な火災が発生。生徒職員が避難する中、三人が向かったのは部室だった。大事な原稿を手にした三人は避難しようとしたものの、出口が塞がれそのまま思い出が詰まった部室で三人は生涯を終えた。

 これがこの漫画のストーリーってかほぼ後半部分だけど。ここまでは普通に恋する女の子って感じのイメージでした。

 凛に幼少期から恋心を抱きつつも関係性を変えられなくて、それがもどかしくて。みたいな。ここら辺はまたあとで別途で触れたいなと思います。

 そして水菜がこの漫画の世界に入ってきたところに話は進むんだけども、恵ちゃん、登場直後にハリセンで淳吾ぶっ叩くのよね。しかも何回も。そして彼らの反応からするに日常的にそれが行われているらしい。

 ……ほう。

 その瞬間、私の中の恵ちゃんという子の印象がガラッと変わりました。あなたそんな子だったのね…………。

 そんな感じで女の子らしい女の子、と言うよりは女子高生らしい明るい女の子なのかなぁという印象に変わりました。

 そしてさらにびっくりしたのが、なんと恵ちゃん、記憶を失っちゃうシーンがあるんだよね!?

 もうびっくりしたさ! 台本を初見で読んでて「え~マジか~おもろい展開~」とテンション上がってたんだけども、いざ冷静になってみたら「え? これを私にやれと???」と。気付いてしまった~一瞬で記憶をなくして別人格を宿さなくてはならない事に気付いてしまった~~!!!

 その時確か夜中とかに呼んだんだけども、思わずどんな感じになるのかってサラッとやってみたら意味わからん過ぎて、結果一瞬ふて寝した。(おい)

 舞台経験マジははだしかないやつにコレをやらすか!!!と内心脚本の中藤充紀を恨みました(嘘です)。

 でも本当に自信がなくて、とっても頭を抱えました。でも水菜の作業進度によってじわじわと一個ずつ記憶がなくなっていく系ならまだワンチャンあるのでは? という考えに至りまして。そして演出の同じく中藤氏に聞いたら「いや、一瞬で全部書き換えられる感じ!」との回答をいただきました。

 うん。そっかぁ……。

 完全にその時の私は「おそら、あおい……」って感じになってました。

 まぁでも中藤さんが、雪乃なら出来るって思って書いたのか、やれるかどうかじゃないやれ!だったのか、マジで展開の事しか考えてなかったのかは知らないけども、まぁ少なくとも出来ないと思ってたらそもそも書かないとか相談とかあると思うのであの人は。(期待されてるかは分からんが)期待に応えてやらあ!!! って気持ちでした。

 そして、物語の全貌を知り、役作りを改めてし始めたわけなんだけども。

 今回私は、伊緒田恵という同じ名前のつけられた三人の役を演じるという気持ちで臨んでいたよって事をお話しようかなと思います。

 まあ三人の役というよりは、三人分の役作りをしたよって話かな?

 割り振りとしてはこんな感じ。

①『16時のサイレン』のヒロイン、伊緒田恵

 まぁ恵ちゃんのオリジナルというべきなのだろうか。ベースとなる人物。

②『ブルーセピアの空』の登場人物(負けヒロイン)、伊緒田恵

 水菜が漫画の世界に入り込んできた時の、ハリセンをぶん回していた恵ちゃん。

③書き換えられた『16時のサイレン』のヒロイン、伊緒田恵

 記憶を失ったあとの、水菜に書き換えられれ、淳吾と恋人になってる軸の恵ちゃん。

 この恵ちゃんたちの話を順番にしていこうかなと思います。


『16時のサイレン』のヒロイン、伊緒田恵

 先程も書いた通り、伊緒田恵という人物を形作る、ベースの子です。

 まず彼女がどんな子かと、どんな解釈でいたかを書きたいなと思うんだけども。

 伊緒田恵という女の子に関して一番分かり易くて重きを置いたのは“恋心”です。
 どれくらい彼を好きなのか。どういう好きという感情を持っているのか。

 この恵ちゃんは、幼い頃から素堂凛のことが好きで、最期には告白も出来ちゃう強い女の子です。

 最初は秘めるだけ、幼馴染で長い期間寄り添ってきた凛だからこそ、関係性を変えるのが怖くて一歩踏み出す事が出来ずにいた恵ちゃん。凛の目の病気の事もあって、普通の男女の幼馴染よりもより強い絆で結ばれていたのではないかなと個人的に解釈しています。

 だからこそ、余計にその一歩が重くつらい。このままではいけないと気持ちでは分かっていつつも、それが何処か心地いい。そんな状況だったのかなと。

 この子の役作りで一番考えたのは“思い出”です。

 凛とはどういう日々を過ごしてきたのかな、どういうやり取りをして今の関係になったのかな、男の子としての凛はどう見えていたのかな、人間として凛はどういう風に映っていたのかな、漫研部では三人でどんな三年間を過ごしたんだろう。とかそんな感じな事をいろいろと。

 この恵ちゃんでの一番の感情が溢れたところ、見せ場はやっぱり火事のシーンでした。一番感情が揺れたところでもあったなぁ。


 火事が起きて、思わず原稿を取りに淳吾と駆け込んだ部室。凛を見て「いないでほしかった」と言う気持ちと「やっぱり」という気持ちが混ざり合った。

 でもそんな事に思考を割いている時間はなくて、とにかく原稿を持って三人で脱出しなければ。部室を出ようとした瞬間、ドア近くの柱が崩れ落ち、出口が塞がれてしまった。一瞬頭が真っ白になったけれど、凛の言葉で我に返った。必死に他に脱出出来るところを探してみるも打つ手はなし、どんどんと吸ってしまった煙によって息も意識も薄くなっていく。

 もう駄目なんだと思った。でも不思議と怖くなくなっていた。これで私の人生が終わるのか、と思っても涙は出なかった。ただ、先に逝ってしまうのが両親には申し訳ないなって思った。けど、なんだかすっきりさえしてた。

 でも二人があんな事言うから、ここでの三年間とかいろいろ思い出してきちゃって、もう最後なんだって。もう、ここで三人で漫画を描くことも、バカみたいな二人のやりとりを見る事も、今までずっと一緒だった凛とももう――。

 何も言えずに終わるなんて嫌だ。

 そう思った瞬間勝手に身体は不格好にも動き出して、凛に駆け寄っていた。いつもの凛の笑顔にひどく安心して。

 気付いてたんだ、とかそんな事どうでもよくて、その時の私にはただひとつの気持ちしか浮かんでこなかった。

 差し出された手が嬉しくて、これから死ぬって時になんだかすごい幸せな気持ちになった。あぁ、最期がここで、二人と一緒で、この形で終われて、よかったなあって。

 また会える時はきっと笑顔で会えるよね。またね、ふたりとも。

 学校が崩れ落ちる音を聞きながら、私はそっと目を閉じた。


 まぁえっと、火事のシーンはこんな感じの感情を抱いていたわけなんですけども。…………地の文がない小説かな??? なんか気付いたらここだけテイスト違くね??? 温度差すごくて草ァ。

 そんなこんなで演じておりましたよっと。二人が物思いにふけっている間は架空の思い出をいろいろ思い浮かべてましたね。まぁ恵ちゃんにとっては架空ではなくそれが大切な思い出って事で。

 えーここで既に五千字を越えたわけなんですけども、まだまだ書きます笑

 次はブルセピの恵ちゃん。


『ブルーセピアの空』の登場人物(負けヒロイン)、伊緒田恵

 まぁ、基本ベースはベースの子と変わらないです。

 ただこの子は負けヒロインになってしまうところ。水菜というライバルが出来てしまうところ。そして思いが伝えられなくなってしまう弱い部分があるところ。そこが大きく違うのかなあと。

 そしてハリセンぶん回すところかな……笑

 因みにベースの方であえて話さなかったけど、生徒会長をやっている恵の解釈を確定させたのはこの恵ちゃんが出てきてからです。

 最初は生徒会長なくらいだし本当に真面目な仕事人間。みたいなのをイメージしてたんだけども、ハリセンとか淳吾への扱いを見て、おや……? となりました。

 で、結局最終的な解釈は「真面目なところもあるけれど、フレンドリーでみんなに慕われる生徒会長」に落ち着きました。(イメージ的に想像してたのは、某アイドル育成ゲームの新しい方の生徒会長になった、困った時は彼にマカセナサイの人です。)

 この恵ちゃんは途中で失恋、記憶改変となんかいろいろ起こってるんだけども、まぁまずは失恋までの話ですね。

 だんだん近くなる凛と元山さんに恵は日々言葉では言い表せないような暗い感情を抱いていたのではないかなと。今まで凛の一番近くにいた女の子は自分だった。きっとこれからもそうなんだろうと勝手に思い込んでいた。

 けれど、ある日を境にだんだんと近付く凛と元山さんの距離。そしてそのきっかけを作った、彼女を入部させたのは紛れもない自分で。
 そんなモヤモヤが彼女の中ではずっと渦巻いていたんだろうなと。

 もうダメかもって思っていたところにあの海のシーン。きっとあんまり近付けなかっただろうから遠目だったろうし何を話していたかは分からなかったと思う。でも、遠目だからこそ、二人の影が重なってもうその場に経っていられなくて、もうその光景を見てられなくて駆け出したんだと思う。

 きっと、帰ったあともずっとその光景が目の裏側に焼き付いて離れなかったんだろうな……。

 そしてブルセピ恵ちゃんの一番の感情の動くところ、そう、淳吾に失恋した事を話すシーンです。あとは記憶改善もあったのでそれも含めて見せ場だったわけですけども。


 二人の事を考えないようにしようと思ってもどうしてもその事が頭の中を支配してしまい、ボーッとしているところに淳吾が話しかけてきて、誤魔化そうとしても誤魔化されてくれないから二人の事以外の事を話した。それでも凛の話題にしてしまうところが、自分でもなんとも言えない気持ちになる。
 凛の目が治ったのは本当に嬉しい。目の病気でつらそうなのも大変な思いをしているのもたくさん見てきた。
 治って嬉しいなのは本当。でも同時に喪失感を覚えてしまう私は最低なのだろうか。もう私が凛に出来る事は何もなくなるのかな。

 そうやって凛は、どんどん私から離れていくのかな。

 やっぱり、凛は元山さんみたいな子がいいのかな。

 元山さんが、好きなんだろうな。

 どうせ誤魔化し切れないのなら、凛への気持ちを知ってる淳吾に愚痴でも吐いて、楽になろう。そう思って口にした「失恋」という言葉が痛く胸に刺さった。
 淳吾の手前だし、明るく笑顔で笑い話にしてやろうと思った。だけど、話すうちにどんどん鮮明に思い出しちゃって泣きそうになった。零れ落ちそうな涙をなんとか食い止めて、でも震える声はどうにも出来なくて。
 本当に涙が溢れそうな時、淳吾が言ってくれた言葉で、少し気持ちが軽くなった。その冗談のお陰で涙が引っ込んじゃった。

 凛には一回も告白出来なかったし、もう告白する勇気もない。諦めるにはまだ早いと言われても、あんな凛の表情、私は見たことなかったもの。

 凛に電話してみようと言い出した淳吾に、やめてと叫んだ途端、何故か意識が遠のいた。


 はい。また温度差〜〜〜〜笑
 書き始めると何故かこうなる。なんでだろうね?

 このシーンの恵はとにかく淳吾が救いだったのかなと。冗談めかして色々言ってくれるのが、恵としては助かってたなと。

 このシーン、当初は泣いてしまえそうだったら泣こうかなと思ってました。でも、やっていくうちに「泣くのは違う」と気付いて。きっと淳吾の前ではあまり弱いところを見せたくないんじゃないかなと普段の振る舞い等々から思い至って。だから泣きそうだけど絶対に泣かない、を軸にして演じました。
 それでもきっと我慢し切れないものは出てくるから声は弱々しくみたいな。
 ここが負けヒロインとしての一番の見せ場だと思ってたので、海のシーンから休憩挟んでる事もあって、めちゃくちゃ袖の時点から感情作ってました。感情作るのに必死になりすぎて内心「出のタイミングミスったらどうしよう」とも思ってたんだけど、淳吾(中藤さん)が出待ちの時前にいて出るちょい前に、毎回そろそろ行くよって感じでチラッとこっち見てくれたのが感情作りつつ出への意識きちんと持てたので、そこも個人的に助けられました。(多分これは彼の癖?なんかな。マジはだの時からよくやってるの見る)

 因みにここ、早い段階から感情作ろうかなと思ってたんだけど、その間に椚山の笑えるシーンあるのよね。悲しい気持ちになってたのに翔太郎先生とかのおもろいの聞こえてきてもう誠司退場後まで感情作るのは諦めました🤦‍♀️笑

 とりあえず海のシーン思い出して、水菜と凛の仲の良さ思い出して〜〜うえ〜〜ってなろうとしてた(?)

 あとは最後のシーンだねぇ。この時の恵はだいぶスッキリしていて、多分その登場前に色々状況聞いたりしたんだろうけど、本当に水菜の事を恨んでいるとかそういうのは一切なく、本当に敵わないなって心から思ってるけど、モヤモヤが晴れたような感じでした。
 

 そして書き換えられた『16時のサイレン』での恵ちゃんのお話です。


書き換えられた『16時のサイレン』のヒロイン、伊緒田恵

 今までとガラッと変わった恵ちゃんになりますね。

 この子はベースの伊緒田恵からも離れた子だなって思ってます。姿形は一緒の別人、みたいな捉え方をしてました。

 まず、この子は素堂凛という幼馴染はおらず、淳吾という恋人がいる女の子。

 そう、素堂凛を知らないんです。

 今までの伊緒田恵は、素堂凛と幼少期から接してきた事によって生まれた存在というか、凛と過ごしてきたからこそ今の恵みになった、という感覚があります。
 だから素堂凛がいなければ今の伊緒田恵がなかった、と言っても過言ではないくらい、彼女の人生には凛が深く関わっていたんだろうなと。

 きっと、凛が天然だったり、目の病気の事もあって、自分がしっかりしなきゃという気持ちが幼い頃からあったのかなと思っています。だからこそ、真面目でしっかり者な恵がいて、それで周りから信頼もされ、生徒会長もやっている。
 なので、この恵( )ちゃんは生徒会にすら入ってないんじゃないかなと思っています。(以下、凛を好きな軸の恵は恵、この軸の恵は恵( )で記載します。淳吾も同じ世界線の場合は( )で)

 しっかり者な凛としたイメージより少し女子高生らしい感じをプラスしたのをイメージして演じていました。実は演じ方とか声とか恵崩しすぎないように変えてたんです。ご観劇いただいた方気付きました?笑

 恵より少し砕けた喋り方で、尚且つ目の前にいるのは恋人なわけなので、ちょっと恵( )なりの甘えも入っているイメージです。

 恵( )の役作りの際に考えた事は、凛を知らない伊緒田恵( )という人物はどんな人間になるのか。淳吾( )とはどういう馴れ初めでどれくらい好きなのか。

 まぁ凛を知らない恵( )という人間の解釈については前述の通りなので、置いといて。
 あとは淳吾( )との関係性とか色々ですね。

 まず、告白は淳吾( )からだったと思います。でもその時恵( )には同じ気持ちがなくて、淳吾( )のアピール期間があったのかなと。次第に絆されたというか、好きになっちゃった恵( )ちゃんは、淳吾( )と付き合う事を決めてお付き合いを開始。たぶん所謂ケンカップルというやつだったのでしょう。  
 言い合いはするけど、喧嘩してもきっと恵( )を一人にはしないし、ちゃんと謝れる関係で。(多分謝るのはいつも淳吾( )が先なんだろうけど笑)
 淳吾( )はめいいっぱい恵( )の事を大事にしてたと思うし、恵( )も大事にされているのは分かった上でそれも含めて大好きだったと思います。素直にはなれてないんだろうけど笑

 それを前提として例の恵の記憶がなくなり恵( )になったシーンのお話を。
 恵( )にはそれまで淳吾( )と過ごしてきた記憶があるので、パラレルワールドから恵( )だけ引っ張ってこられた、みたいな解釈だと少し分かりやすいかな?

 部室で恋人と話していたと思ったら幼馴染とかよく分かんない話されるし、自分が凛とかいう誰か分かんない人人の事を好きとか言われるし。
 まぁいつもの言い合いに発展するわけですわ。売り言葉に買い言葉みたいなノリで「私と別れたいの?」と言って、いつもみたいに「そんなわけないだろ!」とか“別れたくない”って言う言葉が聞きたかっただけなのに、淳吾が黙り込んでしまって恵( )は不安になります。
 そりゃそうよね、その淳吾は貴女の彼氏の淳吾( )ではないのだから。

 そしたら淳吾の口から「俺達って付き合ってるの?」って言葉が出て、信じられない気持ちで頭が真っ白になりかけて我に返る。ああ、遠回しに別れてほしいって言っているんだ、これ。そう理解して、直接言ってくれない事による怒りと同時に悲しみが込み上げてきて、淳吾に顔を見られないようにその場を去ろうとします。
 最後に文句言うくらい許されるだろうと足を止め、淳吾の顔を見た途端、大好きだったからこそ悲しさしか溢れてこず、涙混じりの「あんたなんて大っ嫌い」が吐き捨てられて、勢いよく部室を離れる。

 きっと、あの後の恵( )は人気のないところに行って泣くんだろうな。もっと素直になればよかった、喧嘩なんてしなきゃよかった、もっと可愛い彼女でいたかった、とか色々と後悔しながらしばらく泣くんだろうなって。
 是非、元の世界に戻れたら淳吾( )に見つけてもらって、慰めてもらって、仲直り?をしてほしいなって思います。

 この恵( )ちゃんは、恵とは少し違った形だけど、確かに恋する乙女で、素直になれないだけで彼氏が大好きだったんだと思います。だから演じててめっちゃしんどかった。

 ぶっちゃけ、(特に千秋楽とか)あと数秒あの場にいたら涙溢れてたなってくらい悲しい気持ちになってました。ぴえ。
(てかかっこばっかりで読みにくいねごめんね笑)

 ここのシーンはマジで最難関で、いかんせん一瞬で「凛が大好きで失恋して悲しい気持ち」から「淳吾が大好きで何気ない放課後のひとときを過ごしてる嬉しい?気持ち」に気持ちをシフトチェンジしなきゃいけないのがまあ〜〜大変だった。
 でもまぁ淳吾が流れで何度も練習一緒にやってくれた事もあってか、段々と切り替え上手くなっていきましためでたし。

 最初は記憶失う際のSEが入るって話だったんだけど、入れない事になって、演技だけで分かってもらわなきゃいけない……とさらに難易度爆上がりしてマジパネエでした(?)

 あとな、おもろいんだがな、毎回大っ嫌いって言って勢いよく捌ける時に、袖が狭めだったんだけど、大体いつも勢い良すぎてゴンッてどっかしらにぶつけてて笑
 「勢いよすぎたねえ」「ぶつけたねえ」って上手袖で待機のどぅる(結城暢)と毎回静かに笑っておりましたwww

 あ、もしかして原因不明の痣の正体これか!?
 腕にな、知らないうちに痣が出現してたのよな。心当たりなかったんだけどもしかしたらそれかもしれん……。

 痣といえば火事のシーンで膝ついたりして膝が痣まみれでグロくなった事あったんだけども(本番はちゃんとコンシーラーで隠してたよ)、それは恵をしっかり本気でやった証拠だ! これはもう勲章!!! って自分の中で誇らしく思ってたのに、もう大量にあった痣は一つ残らず消えてしまいました。勲章が……🥺(そりゃ二週間経ったら消える)


 まぁそんな話置いといて。一万字越えましたやったー(そんな話してるから簡単に一万字越えるんだよ……)

イメソンについて

 あとはね、イメソンとかの話をちょろっとして締めに入ろうかなぁって感じなんだけど、私、演技とかに限らず恋愛系の感情を考える時にイメソン決めて聞きながら色々考えるって癖? があって、それをちょっと載せてこうかなぁ〜って感じです。

恋/奥華子

秘密の宝物/奥華子

シンデレラ/奥華子

LOST SEASON/sphere

私じゃなかったんだね。/りりあ。

アディショナルメモリー/じん(自然の敵P)

生意気ハニー -another story-/HoneyWorks

 ここら辺をよく聞いていました。秘密の宝物は凛への秘めている恋心のイメージ。
 恋とか私じゃなかったんだね。は、水菜に凛の隣という場所を取られてしまってからのイメージ。
 アディショナルメモリーは火事のシーンでの気持ちの揺れのイメージ。

 生意気ハニーは淳吾( )との馴れ初めこんなかなぁって。シンデレラは
「別れよう」って言ったのは
「別れたくない」って言葉が聞きたかっただけなのに
って歌詞が恵( )の心情とリンクするな〜ぴったりやん! って感じの選曲。

 LOST SEASONは今思うと恵よりは水菜のイメソンかなぁと思ったりもします。
 気になった方は是非聞いてみてね。下三つはYouTubeで公式のMV出てるよ。



最後に

 まぁそんなこんなでめちゃくちゃ話して参りましたが、そろそろ終わろうねって事で笑
 正直まだまだ色々書きたいし書けるんだけどね笑

 今回、伊緒田恵という役をいただいて演じる過程で、とてもたくさんの学びと成長があったなと個人的には思っています。また、本番も含め一回一回やっていく中で、どんどん自分の中で“伊緒田恵”という女の子の理解度や再現度が上がっていっていたなぁと。千秋楽では今の自分が出せる一番の伊緒田恵を演じる事が出来たなぁと個人的には思っております。
 まだまだ役者としては至らぬ点ばっかりだけど、それでもこの役を通して役者としてまた大きく一歩、成長出来たと思ってます。

 最初は出来るか分からないという不安の方が大きかったけど、今ではめぐみんを出来て本当に良かったと心から思っています。
 一番恵ちゃんを表現出来るのは自分だ! とは流石に言えないけど、でも恵ちゃんを誰よりもやりたいと思っていたのは私だと思います。万が一、億が一、ブルセピもう一回やるよ! ってなっても、伊緒田恵役を誰よりもやりたいのは私だってくらい恵ちゃんが大好きだし、いっぱい寄り添ってきました。

 公演期間が終わっても、恵ちゃんの事を色々考えて、公演期間では気付かなかった彼女の事を色々気付けたりして楽しかったです。
 もう彼女を演じる事がないんだなと思うと、本当に涙が出るくらい(というか実際泣いたし)寂しいけど、彼女は彼女らしく生きてくれると思います。

 水菜たちとはもう会えなくなったけど、きっと凛の中から水菜の存在が消える事はないだろうし、恵の心にも凛とは違う意味で残り続けるんだと思う。
 そして、恵はきっと凛には思いを伝える事はないだろうし、伝えたとしても過去形で伝えるくらいなんじゃないかなって。恵の中の凛は、今までもこれからもずっと大切な人で、そして大好きだった人。
 一時は弱気になっちゃったけど、強い子だから、きっとすぐ前を向いて歩き出せると思います。

 凛の事を乗り越えて、素敵な人と素敵な恋をして、素敵な漫画をいっぱい描いて、幸せな人生を歩んでいってほしいです。

 たくさんつらい思いをした貴女だからこそ、幸せになってほしい。その気持ちをほんの少し共有させてもらった人からの願いです。

 恵ちゃんも恵( )ちゃんも、どっちも幸せになってね。

 たくさん、たくさんありがとう。
 ばいばい。


2022.6.10

伊緒田恵 役  白咲雪乃

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