フォーヒア?トゥゴー?英語で接客をがんばるよりも、目の前にいる人を大切にする。
先日、オープンしたばかりの素敵なベーカリーで、イートイン用にパンふたつと持ち帰り用にベーグルひとつを買うことに。
レジでトレイを渡しながら、ベーグルを指さして「これだけ持ち帰りで、あと二つは店内で…」と言ったのですが、アクリル板で聞こえなかったのか「お持ち帰りですか?」と聞かれたんですね。
もう一度ベーグルを指さしながら「ベーグルは持ち帰りであと二つは店内で…」と言った時、隣のレジの店員さんが外国人のお客さんに「お召し上がりですか?」と声をかけ、"Excuse me?"と聞き返されていたんです。
すると、私のレジを担当してた方が、隣のレジに身を乗り出して「フォーヒア、オア、トゥゴー?」と大声で言ったんですね。
そして、私の方に戻ると、満面の笑みで「お持ち帰りでですか?」って。
私は
「えっ、だから…ベーグルは持ち帰りで、こっちのふたつは店内で…」
疲れていたこともあり、イラつきが声にちょっと出てしまっていたと思います。笑
その方は"For here or to go?"を言えて大満足かもしれないですが、それって、目の前のお客をないがしろにしてまですることなのかな?と思ってしまったのですね。
せめて、私のオーダーを最後まで聞いてからにするとか、「ちょっとすみません」と断ってお隣の方に対応することはできなかったのかな、と。
大した出来事ではないのになんだかモヤモヤしてしまい、少し前に起きたことを思い出しました…。
イギリス人の友人と某ミュージアムに行ったのですが、そこはいつも外国語ボランティアガイドの方が待ち構えていて、入った瞬間に
ウェア―ユーフロム?
ドゥユーニードガイド?
と声をかけてくるのです。
通訳ガイドをしていた頃、海外からのお客様をお連れしていてもそうでしたし、私ひとりで下見に行った時も、なぜか毎回同じように英語で話しかけられました。
今回は友人が「ありがとう。でも結構です」と日本語で断ったのですが、なんだかんだ私たちについてきて、「ドゥユーノウディス?」なんて、勝手にガイドを始めてしまいました。笑
ゆっくり見たかったのですが、次の場所にもついてくる勢いだったので、
少しお付き合いした後、「後は私たちで回りますので」とその場を離れました。
「おもてなし」と言うと聞こえがいいですけど、こちらのボランティアガイドさんはおそらく
・人と話したい
・英語を話したい
・教えてあげたい
という気持ちが強かったのかなと感じます。
「結構です」と言っても、来た国を答えるまで「ウェア―ユーフロム?」を繰り返され、正直、毎回身構えてしまう。
先日は、英語の接客やガイディングに気を取られてか、入場料の会計まで間違えられました。笑
どうして、落ち着いて、目の前の人に集中しないのだろう?
と思ってしまったのですね。
この時もそう…
そんなことを思い出し、先日のベーカリーでの経験を苦々しく感じたのでした。
…とはいえ、
「英語でコミュニケーションを取ってみたい」という気持ち、海外の方が来られた時に「接客したい」という気持ちもよく分かるのですよね。
高校生の頃、初めてのバイト先で、常連のアメリカ人のお客様がいらっしゃいました。周りで英語を話せる人がいないから、と私と話すのを楽しみにしてくれて、私も海外の方とコミュニケーションを取るのは楽しくて…。
つい話し込んでしまい、勤務の交代時間を数分過ぎてしまったことがありました。当然ですが、後で主任に注意され、情けない思いをしましたが、それよりも、交代に来るはずの私を待っていた、バイト仲間の不安そうな顔を
今でも忘れられないんですよね。
なので、ベーカリーでの一件やミュージアムでの出来事に対しても、なんだか過剰に反応してしまったのかな、なーんて思いました。
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