レミゼの感想延長戦

 こんにちは、雪乃です。レミゼから一夜明けたのですがひとつの記事ではまったく書き足りなかったので、今日は感想文の延長戦です。

 ジャベールに対する激重感情を引きずりすぎて、今日は一日しんどかったです。

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 昨日に引き続き、キャスボの写真を貼っておきます。はあ……ジャベール……。

 あれから色々と考えたのですが、バルジャンとジャベールの対称性はちゃんと歪めたか否かにあると思いました。ちゃんと歪めた、という言い方もおかしいかもしれませんが、バルジャンは一度歪んだからこそミリエル司教によって正しい人間に変えてもらえたんだと思っています。
 それに対して、ジャベール。彼はまっすぐ生きるしか生きようがなくて、歪むことも曲がることもできない人生を送ってきた結果、いざ揺さぶりをかけられたときにはポキッと折れるしかなかったんだな、と思うと辛いです。

 実は昨日のジャベールの方を、スカーレットピンパーネルのロベスピエールで拝見しておりまして。スカピンでは革命後に独裁者になってしまったロベスピエールの姿が描かれています。あのときのロベスピエールも、革命の理想、来るべき未来に燃えた時代の思いを潜ませつつ、でも自分の信じる正義や正しさに縛られてずっと苦しそうだったのが忘れられなくて。昨日のジャベールは、すごくそのロベスピエールを思い出してしまいました。まっすぐなお役が似合う演者さんだからこそ、まっすぐすぎた人間の、もうそうとしか生きられない苦しみが痛いほどに伝わってきて、本当に大好きな大好きなジャベールでした。あと五億回は拝見したい所存です。

 今回ジャベールを見ていてこんなに苦しくなったのは、バルジャンとのバランスがめちゃくちゃ良かったからですね。バルジャンとジャベールは光と影、表裏一体の二人。「バイト」と呼ばれる、本役以外で演じるお役を持たないのはバルジャン役とジャベール役だけ。バルジャンという光が強くなっていく過程は本当に素晴らしかったです。それに呼応するようにジャベールの影が濃くなる……というよりは、ジャベールが光からどんどん拒絶されていくような感覚に陥りました。セーヌ川に身を投げるシーンは本当に辛くて、でもジャベール生存ルートはそれはそれでなんか違うよなと思わなくもなかったり。ラストシーンにジャベールがいない事実を目の当たりにしたあの瞬間、ジャベールが作中の価値観においては最後の救済の砦とも言える「神」にすら拒絶されてしまったようで辛かったです。まさかレミゼを観て落ち込んで帰ってくる日が来るとは思いませんでした。

 以上、ジャベールに感情移入しすぎた人間のレミゼ観劇レポート(?)でした。もうジャベールの話しかしてませんね。

 本日もお付き合いいただきありがとうございました。