王城正人というカバディ選手に人生を狂わされたオタクの話パート2
こんにちは、雪乃です。前回からあまり時間が空いていない気がしますが、今日も今日とて灼熱カバディのことで騒ぐ時間がやって参りました。今回は、以前にアップした「王城正人というカバディ選手に人生を狂わされたオタクの話」の続きです。前回の記事では収まりきらなかった話や、あの後改めて考えたことなどを書いていきます。
前回の記事はこちらからどうぞ。↓
好きなところは前回の記事で書いたので、今回は「見て欲しいシーン」、言い換えれば「アニメで見たら間違いなく私が気絶するシーン」を中心に挙げ、その上で「どんなふうに人生が狂ったか」を述べていこうと思います。内容的なネタバレがあるのは1巻~15巻ですが、2020年11月現在で単行本化されていない話にも少しだけ触れています。ご注意ください。
ここを見て①単行本2巻
記念すべき王城さんの本格登場シーンがある2巻。1巻は入院中につき台詞のみだったので、ビジュアルが出た時点で必見なんですけど、ストーリー面でもバリバリに活躍してくださいます。
①80ページ(11話)
見て。とにかくマンガワンでも電子書籍でも紙書籍でも何でもいいので見て。丸ごと1ページ王城正人だからとにかく見て。推しの顔がとても良い。もはや後光が差してるレベル。「日本一になる」という目標を語るシーンなのですが、余計なものを一切入れない、構図もシンプル。だからこそ際立つカッコよさ。見て。
②103ページ(13話)
練習試合に臨むシーンなんですけど、ここの王城さんの「気合い入れてくぞォ!」が本っっっ当に好きなんですよ。いつもの穏やかな口調や様子からは想像できない、運動部感溢れる鼓舞の仕方、マジで推せる。アニメのお声もすごく穏やかで落ち着いているので、このシーンに声がついたとき、どんな表現になるのかが楽しみです。
③178~179ページ(16話)
見開きの大ゴマです。他校のライバル・六弦さんに、彼と自分との違いについて「カバディへの愛」と語るシーンです。このシーンを踏まえたうえで172話を読むとさらに泣ける。あと、このシーンの髪の流れ方というか描き方がすごく好きです。
ここを見て②単行本3巻
138ページ(23話)の回想シーンですね。昨年の冬大会、試合に負けてイラついていた水澄くんと伊達くんの喧嘩を二人同時に倒すことで止めた、ある意味伝説のシーン。よく見ると副部長の井浦さんが二人が頭をぶつけないように鞄をクッション代わりにしてる所も好きです。からの「悔しいのみんな一緒だから…」のコマの表情がただただ尊い。水澄くんが、そのときの部長の手首と自分の手首の太さの違いを確かめるシーンには台詞がないのですが、とても繊細でエモい演出でたまらない。
ここを見て③単行本4巻
単行本4巻の終盤で合宿編に入るんですけど、合宿編は本当に良いんですよ。マジで劇場版としてやってほしいレベル。そんな合宿編、まず単行本4巻で見て欲しいのが、182ページ(34話)です。主人公の宵越について、他校の後輩に「なんかすげー調子悪かったっすね」と言われた後のコマ。ここでの「いや、うちの後輩はそんなもんじゃないですけど?」感のある表情が好きなんですよね。「この子はきっと何かをやってくれる」、そんな後輩への信頼感が垣間見えるシーンです。
ここを見て④単行本6巻
95~102ページ(50話)ですね。ここ、本当に好きなんです。宵越くんが初めて試した新技・バックが英峰高校によって止められてしまいました。そこで、彼は「自分の努力の方向は間違っていたんじゃないか」と悩みます。そこで王城さんは、「あれは僕も目指した技だ。」と打ち明けます。「僕の目指した技術は、間違ってたのかな?」と訊くことで、「君の努力の方向は間違ってないんだよ」って伝えるの、先輩としても師匠としても完璧じゃないですか。「あれは僕も目指した技だ。」のコマ、光の入り方がすごく美しくて、額縁に入れて飾りたいレベル。
あと、102ページの王城さんの17歳らしい笑顔も好きです。天使。
ここを見て⑤単行本10巻
54ページ(88話)です。公式で初めて王城さんが「魔王」と呼ばれるシーン。「あれ、この人主人公側の人だよね?」と不安になるほどの魔王力。ここだけ見たら完全に敵キャラですよ。白目と黒目は反転してるし闇出してるし、何より口角の上がり方がもはや人間をやめているレベル。
ここを見て⑥単行本11巻
66~67(100話)ページです。サブタイトルは「あなただけを見つめて」。もうこの時点ですでに尊いのですが、輪をかけて尊いのがこの見開き。体格に恵まれなかった王城さんが、自分よりも体格の良い選手を倒すために磨き続けた技が発揮されるシーンは、まさしく王城さんの真骨頂。「そう簡単に枯れてたまるか。」というモノローグ、攻撃手としての意地と誇りが現れていて好きです。あと88ページ(101話)のイラついてる顔すら美しいの、本当に推せる。
ここを見て⑦単行本12巻
54ページ(109話)です。公式戦2回戦。2人の攻撃手。さて、どちらが攻撃に出る?という局面で、攻撃に出たのは王城さんでなく宵越くんの方で。攻撃が始める直前、王城さんが宵越くんに言うんですよ。
どうせ諦めてないんでしょ?最強の攻撃手。少しは近づけるかもね。
ここで、「なれる」ではなく「少しは近づける」なのが良いんですよ。宵越くんの目標は最強の攻撃手ですが、より深く突っ込むなら「王城さんを越えること」になります。しかしそこで師匠として、「簡単には越せない壁(これはもう一人の弟子・佐倉くんにも提示されるテーマですが)」として存在している王城さん。その上でちゃんと一人にライバルとしても宵越くんを見ている所、とても尊い。さらにその上で、攻撃に出る宵越くんを見送る横顔が美しい。
実は146話についても書こうと思ったんですけど、語彙力が足りなくて断念しました。もしかしたら後で書き足すかもですけど(;´∀`)
15巻もヤバいので、とにかく「読んで」しか言えないです。
以下、「どんなふうに人生が狂ったか」です。狂ったというより「変わった」かもしれません。もうしばしお付き合いいただけると嬉しいです。
タイムリミットのあるスターを応援するということ
少し話が逸れるのですが、私は「いつかご贔屓様が退団ないし卒業してしまう」という緊迫感を味わったことがありませんでした。しかし、王城さんを応援し始めてから、その気持ちが少しだけ分かったような気がします。
3年生は、後がない学年。負けたらそこで最後の大会が終わってしまう。そして今、作中では最後の大会の真っただ中。まだ奏和戦の勝敗はわからないので、いわば「いつ退団が発表されてもおかしくないトップスターを応援している」のと一緒の状態なんですよ。たぶん。今でなくともいつかきっと来てしまう、引退と卒業。これで王城さんの競技人生が終わることはないと思ってはいるのですが、やはり高校生というタイムリミットはいつか来てしまいます。いや、しんど。
いつかは絶対に読むことになる引退回。私は果たして耐えられるのでしょうか。引退回は宝塚のトップさんの退団公演千秋楽方式で、全身白い服で固めて読みたい。読んだらおそらく1か月は立ち直れない気がする。
引退後、既刊を読み返せばそこに現役で能京の選手である王城さんはいます。でも、新刊で能京の人としての王城さんは更新されない。続いていくのは、あくまでOBとしての日々。もう想像するだけで辛い。
スターにとってのタイムリミットは、ある種ファンにとってもタイムリミットでもありますが、王城さんがOBになってもずっと応援します。
タイムリミットの重みを学ばせてくれた灼熱カバディ、これからも応援していきます。
推し方がようやく分かった件について
以前の記事で、「推し方がわからなくなる」と書いたのですが、今のところは割と「ご贔屓様」みたいな感じで推してます。
勝ってほしい。勝ち続けて欲しい。1点でも多く取ってほしい。1秒でも長く競技を続けていて欲しい。幸せでいて欲しい。笑っていて欲しい。これらの願いはすべて、愛しているからでも恋をしているからでもなく、贔屓しているからです。
前回の記事で、「王城さんは私にとって他人であり続けて欲しい」みたいなことを書きました。あれ、我ながら気に入ってる文なんですよ。ご贔屓様って、結局は他人なんです。手が届かない存在でもあるけれど、それ以上に、本来だったら接点のない人。手が届かなくていい。自分が見ているだけでいい。見られたいなんて思わない。だって、私がやりたくて、私のエゴでやっていることだから。そんな思いで長年誰かを応援し続けています。
ってことで、これからも王城さんを応援し続けるよ!奏和戦ラスト楽しみだね(白目)!
追記:奏和戦ラスト最高でした。泣きました。ありがとうございました。今後の展開も楽しみですね!(白目)
「愛した日々に悔いはない」を体現するひと
私が考える王城さんのイメージソングは、ミュージカル「コーラスライン」の「愛した日々に悔いはない」です。全王城担は聞いてください。歌詞があまりにも王城さん過ぎて泣くので。
好きだからこそ命燃やしすべてを捨てて生きた日々に悔いはない
(2015年の公演プログラムより引用)
この歌詞とかぴったりだと思います。泣く。「愛した日々に悔いはない」の原題は「What I Did For Love」なんですけど、「愛のためにしたこと」なんてもう王城さんの人生そのものですよ。私は172話を読んだとき、真っ先にこの曲が思い浮かびました。
「愛した日々に悔いはない」、劇中では登場人物の1人であるポールが足を痛めたシーンの後に歌われるナンバーです。登場人物全体に対する「もし踊れなくなったらどうなるか」と問いかけた上での「答え」なんですよ。
王城さん、怪我してたことがあるもんだから余計に歌詞がリンクしちゃって泣くんですよ。怪我をして競技から一時離脱していたときのことは、原作ではそう多くは語られていませんが、想像しただけで心をえぐられるものがありますね。いやほんと、無理しちゃダメよ……(切実)。怪我の原因。オーバーワークだからね……。
灼熱カバディのこと、私は勝手に「スポーツ漫画界のコーラスライン」って呼んでます。
おわりに
まさか、noteでこんなにも集中的に記事を書き散らす作品ができるとは、思ってもいませんでした。すげえよ灼熱カバディ。
灼熱カバディを読んでないから人生何割損してるよ、とは言いません。ただ、読んだら人生が10億倍楽しくなることは事実です。
私が本当にこの作品を布教したいのは、過去の自分です。灼熱カバディを知る前の人生も、それこそ舞台やら他ジャンルで十分楽しさを味わっていました。灼熱カバディとの出会いで、そこに楽しさが上乗せされた感じです。この楽しさを、もっと早い段階から知りたかった。
こんなにも、1人の人に対して、勝ってほしいという感情が心から湧き上がる日が来るなんて、夢にも思いませんでした。そもそも、今までスポーツ漫画にハマったことがなかったので。負けて悔しいと思うことも含め、自分の感情が拡張された気がします。
感情だけではなく、自分の世界も広がりました。まさか、私が生まれて初めて生で試合を見たいと思った競技がカバディなんて、いったい誰が想像したでしょうか。
気づいたらYouTubeで試合動画を見るようになったし、スポーツ選手の方のSNSをチェックするなんて初めてです。
今、「CRAZY FOR YOU」の四季版をBGMにして書いています。「君に首ったけ」、まさしくその通りですよ。クレイジーフォーユーです。「早くきてよお願い私の生きがい(Someone To Watch Over Meより)」と思っている方、ぜひ一度灼熱カバディを読んでみてください。必ず一人は生きがいになるキャラクターが見つかると思います。
長くなりましたが、本日もお付き合いいただきありがとうございました。