九龍ジェネリックロマンス 3巻感想

 こんにちは、雪乃です。先日上げた、「私の好きなヒロイン10選」で言及した作品「九龍ジェネリックロマンス」。3巻を購入できたので、今日はその感想を書いていこうと思います。

 1・2巻の感想はこちらから↓

 3巻、まず表紙が可愛くて艶やかで美しくて惚れ惚れします。背中が大きく開いたチャイナドレス姿の主人公・鯨井さんが印象的。

 3巻は第18話から始まりました。18話で登場するのは、鯨井令子であって鯨井令子でない存在。工藤を「工藤くん」と呼び、彼にとっての先輩である鯨井。
 続く19話では、18話の流れをなぞるように、現在の鯨井さんが描かれました。現在の「鯨井令子」は、工藤にとっては後輩。工藤に対しても「工藤さん」と呼んでいます。

 「なつかしい」という感情を軸にリフレインしていく、過去の鯨井令子と現在の鯨井令子。同じ部屋にほとんど同じ台詞。でも、過去にはなかったぬいぐるみがある。そして工藤の隣にいる、過去の「鯨井令子」の影。過去と現在の対比の使われ方がすごく良かったです。

 小黒のロリータ服や楊明の私服など、登場するファッションも相変わらず素敵でした。九龍でバイトに精を出す小黒ですが、彼女も何か秘密があるようです。

 3話で登場した喫茶店のお兄さん、ようやく名前が明らかになりました。「タオ・グエン」という名前だったんですね。14話で突然消えてしまった彼。再登場したかに見えましたが、どうやら彼も喫茶店で働いていた「タオ・グエン」ではないようです。
 主人公の鯨井さんには「もしやクローンなのでは?」という考察がありましたが、グエンもそうなのかな。仮面をかぶって登場したグエンがオリジナルで喫茶店の方がクローン? あと、彼が正体を隠すために被っていた仮面の目元がどことなくジェネテラちゃんに似てるのがジワジワ来ますw

 喫茶店で働いていた「タオ・グエン」の部屋にどうやってもたどり着けない工藤。九龍で何かが起こり始めていることに工藤が気づき始めます。行こうとする道は全部立ち入り禁止になっているなんて、結構なホラーですよ。

 製薬会社の社長・蛇沼みゆきもやっぱり登場。まさかあんなゴリゴリの蛇の刺青が入ってるとは思わなかった。グエンとみゆきの関係も、艶っぽく時に危うく、でも品がある描き方がとても好みです。
 グエン、初登場時から好みだなって思ってたんですが、3巻で完全にやられました。いやあのグエンと3巻のグエンはたぶん別人なんですが。とんでもない沼が潜んでましたね、ええ。

「絶対」であることを目指す蛇沼。「絶対」の自分になりたい鯨井。印象的なワードがまた出てきました。

 そういや1巻で鯨井さんの視力が上がった描写がありましたが、3巻でまた視力落ちてますよねコレ。いきなり倒れるシーンもあったし、やはりクローンだからなのでしょうか。

 九龍城砦を舞台にしつつ、スマホとかは普通に出てくるので、史実そのままの九龍ではないんだろうな~と思ってましたが、現代どころか普通に近未来ですね。まあジェネリックテラという「人類の新天地」を建造してる時点でそりゃそうなんですけど。タイヤのない車が出てきたので、文明は現代より数段進歩している感じです。

 巻末の予告によると、4巻は来年の春に出るとのこと。楽しみすぎて待ちきれない。とりあえず既刊を読み込んでおきたいと思います。

 本日もお付き合いいただきありがとうございました。