今になって、教科書が恋しい
大学一年生の頃に使っていた第二外国語であるドイツ語の教科書を、私はまだ保管してある。必修分の単位しか取っていないから本当に「齧った」程度の知識しかなく、その知識ですらほとんど抜けてしまった。それでも、またいつかやり直したいと誓って、今は棚の中に眠っている。今はドイツ語圏ミュージカルの歌詞見れば、かろうじて発音がうっすらとわかるくらいだ。最低限の発音だけは忘れたくなくて海外の歌詞サイトを時折見て発音するようにしているが、働き始めてからはあまり出来ていない。
以前ふと思い立って、フランク・ワイルドホーン作曲の「Artus」のスイス初演版の歌詞カード冒頭、あらすじ部分を音読してみようと試みた。そこで、あまりにも知識の抜けっぷりに愕然とした。当然だが、語学は積み重ねなければ話にならない。落ち着いて読みを精査し、辞書で引きながらならばどうにか発音できないこともなかったが、あまり気持ち良くは読めなかった。3年間の空白の代償は、あまりにも大きい。
ところでその「Artus」だが、昨年の年末あたりに韓国語版(韓国語版のタイトルは「Xcalibur」)の存在を知り、年が明けてすぐにCDを購入した。スイス版に収録されていなかった曲もあって、言語は違えど非常にありがたい。
聞いているうちに、とてつもなく、声に出したくなった。しかし私はまずハングルが読めない。母音と子音のパーツの組み合わせで出来ていることはかろうじて知っているが、どの部分をどう発音したら良いのか全くわからない。ネットで検索して表を探しはしたものの手をつけられていないので、やはり私は教科書を買わなければ勉強できないタイプなのかもしれない。
話は変わるが、今はすっかりフレンチミュージカルである「1789」と「ロックオペラモーツァルト」の音源ばかり聴いている。どちらも宝塚のCDなので日本語だが、フレンチミュージカルはYouTubeで公式のMVを見ることができ、そこでフランス語版を一部聞くことが出来る。
「1789」の動画を探しているうちに、「アーサー王伝説」のフランス版MVに辿り着いた。こちらもまた宝塚で日本初演された作品だ。
MVの中には、歌詞が出るタイプのものもある。そこで、またもや声に出したくなる。しかし私はフランス語が読めない。アルファベットの読みすら知らない。この流れ何回やるんだよ。
というわけで、話がとっ散らかっていたが、要は今韓国語とフランス語がやりたいというだけの話である。本当はスペイン語のミュージカルのチャンネルを見つけてしまったことでスペイン語にも興味が出てきているけれど、一旦脇に置いておこう。あまり目標を増やしすぎてもきっと破綻する。優先順位としては韓国語の方が高い。「笑う男」や「マタ・ハリ」など、気になっている韓国ミュージカルが多いからだ。
思い返せば、語学のモチベーションは常にミュージカルだった。私は英語の現在完了形を、キャッツのロンドン版CDで覚えた記憶がある。第二外国語としてドイツ語を選んだのも、シラバスに「エリザベート」の文字列を見つけたからであるし、韓国語やフランス語に興味が出たのもミュージカルのおかげだ。そういう意味では、ミュージカルが一番の教科書と言えるかもしれない。
私が「アーサー王伝説」で歌いたい曲は「ひとりじゃ眠れない(宝塚版タイトル)」、「Xcalibur」で歌いたいのは「If he were standing here」で、両方ともヒロインであるグィネビアのナンバーで驚いた。
これが「Xcalibur」の「If he were standing here」。本当に好きな曲。歌詞の意味はあまり分かっていないが。
そしてこちらが「ひとりじゃ眠れない」のMV。やっぱり歌詞は分かっていないがメロディが好き。
とにかくこの二曲を原曲で歌ってみたい。絶対楽しい。
今はまだまだ忙しいけれど、一旦落ち着いたら、とりあえず韓国語のテキストでも買ってみようかと思う。