今まで観てきた舞台を振り返る〜劇団四季編その1〜
こんにちは、雪乃です。
花組の「はいからさんが通る」宝塚大劇場公演、始まりましたね。無事に千秋楽まで走り抜けてくれることを祈るばかりです。
さて、私はそろそろ舞台が足りなくなってきた頃なのですが、このご時世おいそれとチケット争奪戦に参戦できないので、せめて今まで観てきた舞台の感想を、ざっくりとですが書いていこうと思います。
まずは、私がミュージカルにハマったきっかけの四季から。10年前に観てから観てない、みたいな作品もありますし、あくまで個人的な意見なので(誰かの虚無は私の名作、私の名作は誰かの虚無だったりする)、そこを踏まえてご覧頂けたらと思います。久しぶりに昔のプログラム引っ張り出すぞ〜!
ライオンキング
私が人生で初めて観た生の舞台です。私は当時小学4年生。演劇好きの母親に、「1回で良いから生の舞台を見て」と言われて連れて行かれました。迫力に圧倒されて一気にミュージカル好きになり、帰る頃には「もう1回観たい」と言っていました。文楽や影絵など、アジアの人形劇を生かした「動物」の演出が最も大きな特徴でしょうか。バランスが良いので、ミュージカルが初めての人でも観やすいと思います。
アイーダ
エチオピアの王女アイーダとエジプトの将軍ラダメスの悲恋を描いたオペラ「アイーダ」のミュージカル版。エチオピアはヌビアになっています。ディズニーが作っているだけあって、悲劇的なエンドは絶妙に回避されています。これは実際に観て欲しい。ミュージカル版はアイーダとラダメスが相思相愛になるまでの過程や、アイーダとエジプト王女アムネリスの友情も描かれていて、そこがディズニーらしいなあという印象です。
美女と野獣
私が俳優沼に落ちた作品です。一幕ラストの「愛せぬならば」がヤバイです。これをご贔屓の声で歌われた日には、もう大変なことになります。「Be Our Guest」のような華やかなナンバーもあり、衣装も凝っているので、目でも楽しめる作品です。
リトルマーメイド
四季で上演されているのはブロードウェイ版ではなくヨーロッパ版。ヨーロッパ版の大きな特徴として、フライングが挙げられます。フライングによって水の中を表現していて、名曲「パートオブユアワールド」は圧巻。ただダンスが少なめに感じるので、物足りない人もいるかも。海の中に対し、陸の上はアリエルにとって「憧れの世界」なので、二次元的な演出がされています。場面転換も絵本をめくるようになされるところが好きです。あと、「一歩ずつ」のリフトは、ミュージカルのリフトの中でもかなり好き。
余談ですが、下手の端の端みたいな席から観ると、アースラが袖でスタンバイしているのが見えます。
アラジン
ミュージカルというより、ストーリー性のあるショーとして観ました。芝居より歌とダンス重視な作品です。ただ、その分、ダンスのボリュームが凄いです。観てるだけでなんか痩せそう。「理想の相棒-フレンドライクミー」だけで、「ショー観たな〜」と思えるだけの見応えがあります。「ホールニューワールド」で登場する空飛ぶ絨毯は、ディズニーの魔法を感じられるシーンです。
サウンドオブミュージック
有名すぎるくらい有名な「ドレミの歌」「エーデルワイス」を世に送り出したミュージカル。ミュージカル界屈指の子役大活躍な作品。トラップ一家の子供たちの家庭教師としてやって来たマリアと、子供たちの父親・トラップ大佐の恋、そして一家がナチスの目を逃れるために亡命するまでが描かれます。一幕と二幕のラストナンバー「すべての山に登れ」は泣きます。泣きました。「朝の祈り」は永遠に聞いていたくなる美しさ。
終盤で、トラップ一家の亡命直前に、ナチスの党員となったボーイフレンドのロルフに、長女リーズルが家族を守るために無言で立ち向かうシーンが一番印象に残っています。そのあと、ロルフが「誰もいません!」って叫ぶのが泣けるんですよ。
原作は亡命後のアメリカ編も面白いです。結構舞台の方の展開が早いので、予習しておいた方が良いかも。
ウィキッド
「オズの魔法使い」の前日譚を描いたグレゴリー・マグワイアの小説「オズの魔女記」の舞台版。……とは言っても、原作小説とはかなり違いがあります。原作は、そもそも分量が多い上に設定がかなり複雑に入り組んでいます。ミュージカルより展開もエグいです。私は途中で挫折しました。ごめん。原作小説を読むのではなく、むしろオズの魔法使いを普通に読んでから観た方が良いと思います。読破してない私が言うのもアレですが、あの原作からこのストーリーを仕上げた脚本家が凄い。
ウィキッド自体は、後に悪い魔女とされてしまった緑色の肌を持つ女性エルファバと、善い魔女とされた人気者の女性グリンダの友情譚。正反対の二人が親友となり別れるまでを、フィエロという青年との恋を交えつつ描きます。肌の色や親子関係といった骨組みもしっかりしてるので、エンターテイメント性もありつつラストは感動。楽曲も良く、舞台の上に設置されたドラゴンは一階席で見るとかなり迫力がありました。
クレイジー・フォー・ユー
タイトルの意味は、「君に首ったけ」。踊ることが大好きな銀行の御曹司ボビーと、田舎町・デッドロックに住む女性ポリーを中心とした、王道ボーイミーツガールなラブコメディ。テンポの良い脚本とガーシュウィンのオシャレなミュージカルナンバーとタップダンス。初演はブロードウェイがロンドンのミュージカルに席巻されていた時代だったので、レミゼラブルのパロディが出てきたりします。「ミュージカル観たなあ」って気分に浸りたい方におすすめ。
パリのアメリカ人
ごめん。一番いろいろ言いたいことがある。
こちらもクレイジーフォーユーと同じガーシュウィン作品で、楽曲も一部共通していますが、雰囲気はかなり違います。
舞台は第二次世界大戦直後のパリ。画家を目指すアメリカ人男性ジェリーと、バレリーナを目指すフランス人女性リズを中心にしたラブストーリー……の、はず。
パリのアメリカ人、全体的に演出が抽象的なんだよね。私はよく分からなかった……すまん……。
なんというか、「文法がうっすらとしか分かってないけど単語は知ってる言語を読んでる」って感じです。雰囲気は掴めるけど確信に辿り着けないという感がありました(個人の感想ですが)。
あと、なんでヒロインのリズが主人公のジェリーを最後に選んだのかも謎で。いや、絶対アンリの方が良かったよね?って思っちゃう。加えて、なぜ大人な女性のマイロがジェリーに惹かれたのかも謎。
ジェリー、元兵士のはずなんだけど、戦争の影が見えなかったんですよね。キャストが違ったら変わるんだろうけど。
リズが最後、ジェリーに「貴方は私の、パリのアメリカ人」って言うんだけど、あの台詞の解釈がよくわからないのは、単に私の読解力が足りないだけだと信じたい。
衣装と美術はすごく良かったです。一幕ラストは、もう目が足りないくらい。それと、二幕にあるジェリーのリズのパ・ド・ドゥは、あのシーンだけでチケット代の価値があるくらい素晴らしかった。同じ演出家さんのバレエ版「不思議な国のアリス」はすごく好みの振り付けだし(ロイヤルオペラハウスの公式チャンネルでチラッと見ただけですが)。パリアメも丸ごとバレエ作品として観たかったな、と思ったり思わなかったり。
好みはかなり分かれるけど、ハマる人はハマると思います。
まとめ的なもの
さすがに一つの記事で書ききるのは無理だったので、次回はロイドウェバー作品とかそのあたりを書きたいと思います。四季編が終わったら東宝編も書く予定。
語彙力のなさゆえに伝わりづらかったかもしれませんが、お付き合い頂きありがとうございました。