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医師から受け継いだバイオリンの奇跡[後編]🎻
みなさん、こんにちは。
まだまだ残暑が厳しいですね。夏の疲れも出る頃、心と身体を大切に生活したいなと思います。
今回は、前回に続く[後編]です。
前回のあらすじ
バイオリン歴4年の私。
・今年6月。自分のバイオリンを弦楽器工房Aさんへ、初メンテナンスに出す。
・7月。昨年度末、閉院した病院の片付けをしていた知り合いから、(10数年前に他界された)院長のバイオリンをいただく。
・10年以上放置されていた、院長のバイオリンを見てもらうため、再び弦楽器工房を訪れる。
↓詳細は[前編]をどうぞ。
院長のバイオリンの状態は?
院長のバイオリンケースを開けてみると…、
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↓とても良い状態で保管されていました。
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押入れなど湿気のあるところに置かれていた場合、バイオリンに白カビが生えていることもよくあるそうです。
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2000年に造られたバイオリン🎻
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↑松脂も使い込まれてる感じです。
ケースの中には、交換した“古い弦”が入っていました。
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↓この袋の裏に「05 2/3交換 古い弦」と書かれていたので、最後の弦交換は2005年のようです。
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弦楽器工房さんへ修理に出す
私は、院長のバイオリンを、(少し前にお世話になった)弦楽器工房Aさんに持って行きました。
Aさん曰く、
⭐︎バイオリンの状態はとても良い。
⭐︎弦は伸び切ってるので交換必要。
⭐︎チューニングアジャスター※について考える必要あり。
とのことでした。
※チューニングアジャスターは、音の微調整ができるもので、初心者の私のバイオリンには、全ての弦に付いています(ペグだけで調節するのがとても難しいため)。
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院長のバイオリンには、チューニングアジャスターは付いていませんでした。↓
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「このバイオリンを私が使う予定なら、チューニングアジャスターを付けた方が良い。上達したら取り外しできるし」と言うことで、付けてもらうことにしました。
“古い弦”の奇跡✨✨
Aさんと話をしながら、ふと、ケースに入れたままの“古い弦”が目に入りました。
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私は、「Aさん、院長が最後に弦を替えたのは、2005年2月みたいですよね。ここに書いてあるから」と、弦が入った袋を見せました。
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この時、私は(古い弦をなぜ保管してたんだろう?私なら捨てるけど)…こんな思いでいました。
すると、
なんと、
Aさんが、
「これ、僕の字です」と言われたのです!!
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Aさん…「どこの病院の院長先生ですか?」
私…「◯◯医院です」
Aさん…「◯◯先生、うちに修理に来られてたんですよ。来られないなぁって思ってたんです。ずいぶん前に亡くなられていたんですね。知りませんでした」
Aさん…「背が高くて低い声でカッコいい方でしたよね」
私…「そう、そうです。すごい奇跡の再会ですよね。約20年ぶり」
Aさん…「そうですね」
それから、院長の思い出話をして盛り上がったのでした。
✨2005年、“古い弦”に日付を記していたAさん、
✨それをケースに保管していた院長、
✨受け継ぎ、繋げた私、
✨この“古い弦”の奇跡!すごい!
私は、感動を胸に、Aさんに“弦交換+チューニングアジャスター取付”をお願いし、10日後くらいに取りに行きました。
院長のバイオリンを受け継ぐ
私は、「院長のバイオリンをよみがえらせたい!」という熱い使命感で突っ走り、感動の再会も経験したものの、
気付けば、2台のバイオリンを持つことになってしまいました。
うーん、今の私には2台も必要ない…。
バイオリンの先生に相談して、1台は先生の生徒さんに貸し出しすることにしました。
どちらのバイオリンにするか迷いましたが、私が院長のバイオリンを使うことにしました。
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理由は3つ。
①Aさんに「院長のバイオリンは、ローズウッドを使っているから、音が柔らかいと思いますよ」教えて頂き、ときめいたから。
②手が小さい私仕様に、指板と弦の幅を近づけてもらったから。
③そして、何より、感動を与えてくれたバイオリンだから。
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2台のバイオリンと私のキモチ
↓貸し出した私のバイオリン🎻
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↓院長から受け継ぎ、現在使っている私のバイオリン🎻
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「バイオリン楽しい♬」と思えたことは、正直無くて、「練習せんと上手にならんがー」と自分を叱咤し練習しています。挫けることも多々アリ。
でも今回のことで、「バイオリンを続けていたから、素敵な再会の場に出逢えて、幸せな気持ちになれた♬」と思いました。
これからも続く私の人生で、“バイオリンもひとつの光”になったら良いな♬と思います。
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読んでくださりありがとうございます。次回は、岡山県津山市の歴史の続き(明治時代)に入りたいと思っていますが、ちょっとまだ未定です。
よろしくお願いします。