「日米コラボ企画! 日本の民話をアメリカ人が英訳しました ①」#052
Amy is my friend.She lives in Seattle. The other day,She translated my book into English.
シアトルに住む友人Amyが、私の著書『美作の民話集』内の1話「クチナワの恩返し」を英訳してくれました。
「日米コラボ企画!」では、「クチナワの恩返し」を少しずつ分割し、岡山作州弁と英文を交互に、紹介していきたいと思います。
『美作の民話集』は2014〜2015年に、ケーブルTVみまちゃんネルで放送されました。その時の映像も一緒にお楽しみください。
解説…スルスルとすばやく動き、音もなく現れる蛇は、昔の人にとっては大変神秘的な生き物でした。ですから、昔の人々は、神、あるいは神の使いとして崇めてきました。
日本では、「蛇と幸運」「蛇と富」の関係は大変強いと考えられ、「蔵に蛇がいると家が栄える」「蛇神に憑かれると金持ちになる」「とぐろを巻いた蛇の中に手を入れると運が良くなる」などの信仰が多くありました。美作地方では蛇をクチナワと呼んでいます。
昔々のことじゃった。道端で村の子どもが五、六人、ワイワイ騒いどった。通りかかった村の百姓、太郎作(たろさく)がヒョイとのぞくと、一匹のクチナワが苦しそうに伸びとった。
子どもらに棒でたたかれたり、突かれたりして、息も絶え絶えじゃった。
太郎作は「みんなみんな、そのクチナワをわしにくれ、このむすびをやるけぇ」と頼むと、こどもらは「ええでええで」と言うて、むすびをもらうと向こうの方へ行ってしもうた。
太郎作はクチナワを見ながら「悪いことをしたんでもなかろうに。かわいそうじゃったな。二度と人の目につくようなところには出てくるんじゃないで」と言い聞かせ、大きな岩の下へ置いていんだ(帰った)そうな。
それからクチナワのことなどすっかり忘れっしもうて、仕事に精を出しとった。そんなある日、太郎作の母親が急に病気で寝込んでしもうた。
太郎作は一生懸命、看病したけど、日に日に悪うなっていく。医者に見てもらうこともできず、「おっかぁ、元気を出してなぁ」と声をかけるだけじゃった。
今回はここまで。続きはまた次回にしたいと思います。
読んでくださりありがとうございます。
この記事を更新した後、Amyに送ってみたいと思います。
【シアトルのおまけ】
Amyと最後に会ったのは、2019年4月、私がシアトルに行った時。
シアトル着、再会した私たちは…パイク・プレース・マーケット(Pike Place Market)近くのカフェで…
楽しい旅の始まりでした。