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「田舎移住について、田舎娘が少しだけ考えた」コラム&田舎の写真館 #058
1.田舎は人口減が止まらない
現在、地方の人口減少、少子高齢化と、若者層の東京圏への転出により、地域社会の担い手不足は深刻化しています。確かに。実感あります。
私の暮らす岡山県北も人ごとではありません。参考までに、東京23区と、岡山県北に位置する美作市を比較してみます。
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人口密度…約1.5万人/㎢
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人口密度…約50人/㎢
人口密度を出してみて驚きました!
東京23区は美作市の
面積…約1.5倍
世帯数…約416倍
人口…約422倍
美作市は毎月、出生者より死亡者が断然多く、転入出の中にはベトナム人など外国人労働者も含まれています。
2.地域おこし協力隊
地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域に住民票を異動し、地域おこし支援や地域協力活動を行いながら、定住、定着を図る取り組みです。詳しくは…↓↓
総務省…地域おこし協力隊
美作市地域おこし協力隊は、平成22年度から受け入れ開始、延べ隊員数53名、現在は2名が活動しています。
美作市地域おこし協力隊の活動はこちらをどうぞ。
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私も、協力隊の方々と一緒に仕事をしたことがあります。ネイチャー知識が豊富で、この土地に興味がある方たちでした。コミュ力も抜群。でも、定住となると…難しさもあるようです。
↓地域おこし協力隊の方と一緒に作った、里山マップ。
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受け入れ側の要素(風土、人柄、仕事、利便性etc…)が問われると思います。
3.福井県池田町「池田暮らしの七か条」
今年に入って話題になった、「池田暮らしの七か条」をご存知ですか?福井県池田町の広報誌に掲載された、移住者の心得を説いたものです。
これを知った時、私の心はザワザワしました。
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この「七カ条」の参考にされたのが、和歌山県かつらぎ町天野集落で作られた「田舎暮らしの7ヶ条」だったそうです。
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作成者「天野の里づくりの会」
これらの内容については、町民側、移住者側、その他の多くの方々が意見を述べられていて、ネット上にもたくさんの記事があります。
4.現状とこれからを考える(田舎写真とともに…)
私は美作に生まれ、今もここで生きています。
上記を踏まえ、私の周りの現状と、私の正直な気持ちをお話し、これからについて考えてみたいと思います。
※あくまで私の視点です。
《私の周りの現状》
✴︎同級生ほとんどいません→都会へ。
✴︎仕事は限られています。
✴︎保幼小中高の学校は毎年どこかで閉校統合。
✴︎過疎地域のお店は閉店。移動販売車に頼る。
✴︎カフェはありません。コンビニ珈琲が神。
✴︎レストランもありません。ラーメン屋あり。
✴︎独居高齢者は車を返納すると福祉サービスに頼るしかありません→他人事ではない。
✴︎農業のみで生計を立てるのは難しい、ではなく無理だと思います。
✴︎鳥獣、虫と共存です。彼らが向かって来たらやっつけます。草刈り中にやってしまうこともあります。ごめん。
✴︎工場の労働力はベトナム人や外国人に頼っています。ありがとう。
✴︎空家、耕作放棄地が急増中。
✴︎車は基本1人1台です。維持費よ…
✴︎夜は真っっ暗です。
✴︎暗くなって出かけること皆無です。行く所も無い。
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(飼っていません、勝手に居ます)
ヤモリ…爪ある(爬虫類)
イモリ…爪なし(両生類)
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これが生まれると夜「ゲーゲー」鳴く鳴く…
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《私の気持ち》
✳︎田舎育ちが都会へ出る気持ち分かります!
✳︎池田町と天野集落の「7ヶ条」に頷ける部分、正直多いです。でも、私は、
✳︎移住者の方に都会風をビュービュー吹かせて欲しい、都会のやり方、生き方を教えて欲しいです。
✳︎一緒に暮らしやすい田舎をつくっていきましょう!と思います。
✳︎地域行事、作業への参加、出役はあります。面倒です。
✳︎物の貸し借り、あげ貰い、おすそ分けは、ほぼ毎日繰り広げられます。プライバシー無いと思うこともあります。ここが1番嫌な部分です。
✳︎東京都内に暮らしている親戚が「隣の人、知らない」って言ってました。私は「すごいええな!」と思いました。
✳︎「田舎でのんびり」「大自然に癒される」ワードに全く魅力感じません。旅行は都会か海外に行きたいです。
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さくらんぼを100倍薄めた味。
↑朝のウォーキング道で、ビタミンが補えます。↓
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棘があるから素手の収穫は難しいです
早朝のウォーキング中、道に座りこんでムシャムシャ食べてる私…。怖いですねー。
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まだあります。
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《これからを考える》
過疎地域の社会機能が低下し、そこに暮らす人々の生活が困難になっている現状は、私も身近に感じています。
そのことに対して、「移住者に頼る」「労働力を外国人に頼る」などの取り組みをされている自治体は多いと思います。うまくいっているケースもあれば、トラブルを抱えるケースもあるでしょう。
一方で「朽ちるのを受け入れる」という捉え方もあると私は考えます。現実的には、そうするしかない現場も多いのではないでしょうか。
その両面を見ている私が思うことは2つあります。
ひとつめは、現代の歯止めの効かない少子高齢化社会においては、諦めも必要。「朽ちて自然に還る」のを見守る視点があって良いということです。獣害対策をしなければならないのも、人間が動物のスペースに侵入したからだと思います。人がいないのなら自然に還しましょう。違うかな?違っていたらごめんなさい。
ふたつめは、過疎地域が移住者の方々に頼るのであれば、お互い違う価値観を尊重して、得意不得意を擦り合わたら良いのに…ということです。例えば、私は雪かきや草刈りなどの作業は得意ですが、BBQとか呑み会、人の集まりはすごく苦手です(準備と片付けはするけど参加は遠慮したい)。こんな私ですが、田舎で十分生きています。
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とても偉そうに言ってしまいましたが、ギスギスした環境で生きるのは悲しいし、どうにか《みんなが幸せな生きる場所》を見つけて、無いならつくればいいと思うのです。私もそのひとりです。
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読んでくださりありがとうございます。梅雨は特に気持ちもどんより…になりますが、今日も一日♪過ごせたら感謝です。
また次回お会いしましょう。
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