「民話世界で生きた2年間 ②ひたむき」みまさかぞく#015
2013年の美作国建国1300年記念誌としての美作市の民話集づくりが本格的に始まりました。町史や文献を調べていく中で気付いたことがありました。「民話を集めてまとめる作業なら、私じゃなくてもできる」。
作業で終わらせたくない、オリジナリティを出したいな。
民話集の装丁や、まとめ方などは私の自由にやって良いと言われていました。でも予算が限られていて、カラー刷りやハードカバーなどできないことも多くありました。
だからこそ、使える時間の中で自分の能力をどう活すかを考えられたのかもしれません。ひたむきに…と言えば聞こえは良いですが、周りからは猪突猛進に見えていたと思います。
1.“ひたむき”の根底にあるもの
私は何かとひたむきになりがちです。その根っこには、消えない劣等感(先天性40:後天性60)があるという事実を自覚しています。努力でできることもあるし、できないこともあるということも。「それでも、やってみないとわからない」というのが私の考え方。
2.ちょっとだっせん
⭐︎私の人生は紆余曲折で、大学に入ったのは26歳でした。「全てが遅過ぎる」と思っていたから劣等感の塊。でも実際は全くの杞憂でした。ひたむきに頑張れば必ず必ず道は開けるし、困った時は誰かが助けてくれるんだと知りました。
⭐︎「人は経験でしかものは言えん」これは上司の口癖です。発せられる言葉も、記述も「絵に描いた餅」では人には伝わらない。世の中には理解し難いことも多くあります。「わからなくても良い。そうなんだと知ること、それが自分の経験値を上げることになる」。歴史を学ぶ時、よく思い出す言葉です。
⭐︎「頑張りすぎ」と言われることがありますが、それはちょっと違っていて「頑張ってはじめて周りの人と同じ土俵に上がれる」感覚です。何に関しても。劣等感バネでピョンピョン飛んで、土俵に上がるけど、またそこから飛ぶ。
3.話は戻って民話集づくり
考えた私は、作業を4つの柱で進めることにしました。①町史や文献から民話を旧町村バランスよく収集する。②民話の基本を学ぶ。③民話を語ってくれる方に会い聴かせてもらう。④挿絵を消しゴムはんこで飾る。
②③④については以下で紹介します。
4.ひたむきに走り抜く
②基本:次回、民話の歴史について紹介したいと思います。
③語り人:市内のお年寄りに会い、お話を聴かせていただきました。その中で印象的だったのが「来年は美作国建国1300年、1400年祭の時は生きとらん。ここに居合わせた幸運に感謝じゃで」という言葉。その通り!
④消しゴムはんこ:気晴らしに書店をウロウロしていた時、目についた消しゴムはんこの本。コレだー!とひらめいた私。やってみるとできる!土日の私の部屋は消しゴムの海に…。でも楽し過ぎて、ついでに「消しゴムはんこインストラクター」を取得しました。
5.えろうならんように
制作の自由度が高いということは、作者の人間性や生き方が表面化しやすいことにも気付きました。制作過程を見守ってくださった市の担当の方には感謝しています。「えろうならんように(しんどくならないように)してよ」とよく言われました。私はいつも「大丈夫です」と言っていたけど、この時ばかりは、資料や消しゴムのカスで荒地と化した自分の部屋を見て、何度か発狂しそうになり、奇行に走ったことも。
そのお話はまた次回にしたいと思います⭐︎
6.おまけ
読んでくださりありがとうございます。
また次回お会いしましょう!