「美作の民話放送〜収録秘話①〜」みまさかぞく#020
美作国建国1300年記念『美作の民話集 古からのおくりもの』は売れ行きも好調で、第2刷まで発行できました。本当にありがとうございました。
前回【民話世界で生きた2年間 ④了と続」みまさかぞく#018】の最後に、「民話集出版には続きがありました。ヒントは…ケー◯ルテ◯◯放◯」と書きました。
その答えは「ケーブルテレビ放送」でした。
1.ケーブルテレビから依頼
時は2014年1月。ケーブルテレビ「みまちゃんネル」から「(私の朗読で)民話集を放送したい」と連絡がありました。実はこの話は前からいただいていて、具体的にGO!の時が来たのでした。
既に決定していたことは2つ。
・収録場所(能登香の里小房の囲炉裏の前)
・放送開始は2014年春
私はいくつか挑戦したいことがあり、さっそくみまちゃんネルの方と打ち合わせをしました。
2.挑戦したいこと4つ
①私のイラストを映像内でアニメ化したい。
②題名(オープニング)を子どもたちの声で録りたい。
③コラボ朗読したい。
④着物を着て朗読したい。
⇒すべて可能!!
みまちゃんネルのディレクターさんは「全部できるよ!」と言ってくださいました。本当に嬉しくてヤル気満々でスタート!
3.挑戦したいこと4つを詳しく
①私のイラストを映像内でアニメ化する。
私は1話につき、場面ごとのイラスト6〜10枚を描きデータ化して、みまちゃんネルに提出。風景の中で登場させたり、時には動きも入れてもらいました。
②題名(オープニング)を子どもたちの声で録る。
当時、私が勤務していた小学校の子どもたちの声で題名を録音しました。校長先生も承諾してくださり、クラスの子どもたちも喜んで協力してくれました。録音はもちろん、みまちゃんネルに来てもらい本格マイクで。
31話あるので、リズムをつけて、「かいこぎつね」、1.2.3(休む)、「さようかな」、1.2.3(休む)…というように。
③コラボ朗読する。
美作市には、“みまさか朗読の会”という読み聞かせの会があります。いつも私の絵本をイベントや文化祭で読んでくださっています。
私は、その会の方々とコラボしたくて、お願いをしたところ実現しました!民話の会話のやり取りなど、収録中、楽しくて笑いそうになったことも。
みなさん、優しく愉快な方々。とっても楽しい時間でした。
④着物を着て朗読する。
収録場所が囲炉裏の前と聞いて「それなら着物が良い」と思いついた私。母の着物があったはず。自分で着られるよう少し着付けを習い、何とか着られるくらい練習しました。
この着物については、みまちゃんネルの方にも誉めていただきました。良かった!
4.収録は体育会系
具体的には、こんなスケジュール↓↓でやっていました。
収録は約4ヶ月で完了。イラストは計画的に進めました。私の脳内は、民話集づくりが文科系だとしたら、民話収録は体育会系のイメージだったと思います。
“やってみたいことは提案してみる。可能なことは実現する。無理なことは諦めるか、他にどんなことができるのか考える”。
収録日のスケジュールは、小学校の勤務を終え→急いで能登香の里小房へ(車で山越え15分)→着物に着替える→お化粧直し→囲炉裏前で正座。
マイクを付けてもらって朗読(やり直しもアリ)→OK出たら着替えて解散。
家では、イラスト描くことと朗読練習。
5.影の心遣いに感謝
能登香の里小房は、この記事のヘッダーに載っている建物です。収録の日は、建物の管理者の方が先に鍵を開けてくださっていました。(私は管理者の方にお会いしたことはありません)
私がいつも感激していたのは、囲炉裏の部屋の床の間に、季節の花を飾ってくださっていたこと。春は梅、梅雨時期は菖蒲や紫陽花、初夏はマーガレットなど。きっと、畑や花壇に咲いている花を摘んでくださったんだと思います。
黙って飾り枯れたら捨て、収録日にはまた新しく飾ってくださる優しさ。花も黙って映像に華を持たせている。この両者の静かで優しい心遣い、私は素敵だなと感じていました。
直接お礼を言うことはできなかったけど、いつも感謝していました。放送を見て季節を感じている方はたくさんいると思います。
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第一回の放送から8年が経ちました。なんと、その間の夏休み、冬休み、春休み、この民話放送はされ続けてきました。きっとこの夏も放送されると思います。本当に本当にありがたい!
次回は、放送全体の流れ、着物コレクションなどについてお話ししたいと思います。
6.おまけ
ここ2、3年、田んぼの畦などに見たことのないキノコが生えるようになりました。一見カワイイけど絶対猛毒。
この白いキノコたちを見て、私はちょっと心配しています。楳図かずおの『こわい本』に出てくるみたいで。そういえば学生の頃、『漂流教室』から楳図かずおにハマって結構読みました。
読んでくださりありがとうございます。
また次回、お会いしましょう♫